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七尾の猫の干支オニギリ  作者: 鈴神楽
002 4+5+12=一等兵
13/20

002_丙/早速の大問題?

『002_丙/早速の大問題?

/2040/12/12

/PCW/日本東京大田区/RMS大田区南支部

/支部職員 南野由美伍長』


「それでこいつ等を連れて来たのね」

 あたしは、白目を剥いた擦り傷だらけのアンダーメンバー達を見る。

 アンダーメンバー、所謂RMSに登録されていない猫尻尾持ち。

 無論、猫尻尾の製法は、RMSの秘匿情報なのだからどこからともなく流出したらしく、犯罪組織が劣化版を配下の人間につけている事がある。

「一応言っておくけど犯罪者にも人権ってあるのよ。確保した奴を不要に負傷させれば犯罪になるんだからね」

 あたしの突っ込みにセブンは、一言。

「こちらの人数より相手の数が多かったんだ。仕方なく引きずっただけだ」

「仕方なく?」

 あたしの確認にトクヒデさんも頷いている。

「リーダー一人確保して後は、動けなくして放置した方が良いって言ったんだよ」

 チューの言葉にあたしは、頭を押さえる。

「それをやったら間違いなく塵獣に殺されるから。とにかく、こいつらがこの頃話題になっている謎の失踪の犯人だとしたら面倒な事になるわよ」

「解ってる。だが放置する気もない」

 セブンが複雑な表情を見せる。

 本人としては、ただでさえ揉め事抱え込んでる状態なのだからこれ以上、揉め事は、避けた方が良いと理性では、理解しているんだ。

 ただ、行動が感情に引っ張られる。

 高校の頃、喧嘩で休学喰らわせると説教を受けた後にかつあげの現場に遭遇した時もこんな顔をして、相手を叩きのめして休学させられていたっけ。

「RMSとしても謎の失踪の解決になるなら協力をするつもりだけど……」

 ここで言葉が止まる。

 うちの支部には、問題がある。

「うちの禿が間違いなく情報を漏らす」

 前例に無い事を嫌うあの禿は、こういった情報を明文化されていない伝統で報告するルールを破る事は、しない。

「これだからお役所組は、嫌いなんだよ」

 苛立つセブンにトクヒデさんは、苦笑する。

「だとしたら、こいつらの事は、単独犯として受け取ってくれ。私達も偶然、偶々遭遇した不幸な事故として対応した事にする」

「了解。偶然、偶々これからもそういう不幸な事故が発生するという事ですね?」

 あたしがそう復唱するとトクヒデさんが頷く。

「避けられない事故というのは、あるものだ」

 避けられない事故。

 元から避けるつもりもないでしょうに。

 あたしは、禿に情報が回らないように上手く誤魔化す処理をするのであった。

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