コーディネート
『そんな装備で大丈夫か?』
シャニ様が私を見て一言。それでこの城に保管してある武具を売ってくれる事になった。ムニの友人という事で特別価格にしてくれるそう。
と言うのも竜皮の鎧や師匠特製黒ローブはサテラに穴を開けられてしまって自宅に置いてきたので、今着てるのは以前購入した銀糸の服&スカート。見た目だけで言えばもうただの一般人。対魔性…魔力に対する抵抗力のある服ではあるんだけど物理的な面で不安の残る装備ではあるのだ。
その姿を見兼ねて…って事でこの城の武具庫にやってきた私達は、あーでもこーでもしながら装備を探している。
その武具庫は結構な広さで、所狭しと装備品が置かれている。
壁に掛かった黒いローブをコスモで鑑定してみる。
”黒曜豹のローブ レアリティ2 ソダクールの北方地域に生息する黒曜豹の皮で作られている。対寒性能に優れており、物理面で特に高い防御力を有する”
触ってみるとベロア生地みたいにふわサラ。良いね。候補にしよう。
次に目に付いた私の皮鎧と似た形の、鱗状の表面が光る鎧を鑑定。
”亜竜の鱗鎧 レアリティ2 ワイバーンの鱗を縫い込んだスケイルアーマー。防御力は高めだが少し重量がある”
コレは無しかな?重たいのはちょっと…それにワイバーンって、サテラに一撃で吹き飛ばされてたしな。サイズ調整にも時間かかるだろうし鎧は無しか。
アレでも無いコレでも無い…
「マコ、良いのは見つかった?」
「ローブは候補になるのが1つ見つかりましたけど」
「コレなんかどうかしらね?」
サテラが持ってきたのは白い衣服一式。早速鑑定をしてみる。
”白蜘蛛糸の服 レアリティ3 白蜘蛛の糸を集めて編み込んだもの。上下セット。衣服としてはトップクラスの物理、魔力的強度を誇り、火にも強い”
流石サテラ、見る目があるわ。
ちょっと手触りを確認。絹みたいなサラサラ感。着心地良さそう。
「コレ買いましょう」
「ね、良いものでしょう?後でワタクシが紋様を付与してあげますわ」
「それは有難いですね」
ひとまず近くの机の上に白蜘蛛の服を置いておいて、更に探す。
近くの台の上に細々とした小物的なものが置かれている。それぞれに鑑定を掛けていく。
”結界指輪 レアリティ2 指に嵌めた状態で一定以上の攻撃や衝撃を受けた際、装備者の周りに強固な結界を発生させる指輪。使い切りの為、発動したら効力を無くす”
良いね、防御が間に合わなかった時の保険になる。
結界指輪は4つ程あった内、1つが指に丁度ハマったのでコレを購入する事にする。
隣の緋色に輝いてる羽根は何だろ?
”煌王の羽根 レアリティ4 不死鳥と呼ばれるフェニックスの王、レヴィアリアの羽根。所持していると怪我を負った際に肉体がゆっくりと修復される。部位を欠損した際、所持者の魔力を消耗して少しずつ復元する力がある”
これは…凄いんじゃない?台の上に無造作に置かれてるけど、これを手に入れた人、多分効果が分からなかったんじゃないかな?だからこんな所に…それにこれを研究すれば部位欠損を治す治療薬とか色々捗りそう。
「サテラ様、コレどうですか?」
「羽根?」
サテラが羽根を手に持って立体の解析魔法陣を発動させた。
「へぇ…良いモノねコレ。私にはもう必要の無い物だけど貴女には丁度良いと思うわ」
サテラは…何だっけ?確かアストラル界の精神体から肉体を復元出来るんだとか何とか?よく分からないけど。
そのままサテラと話していると、ムニが私の所にトコトコやって来た。
『コレなんかどうだ?』
「うん?」
ムニが持ってきたのはお面だ。目の所と口の所に裂けた様な穴が空いていてちょっと…いや、かなり不気味だ。普通に嫌だけど一応鑑定。
”悪夢の面 レアリティ3 装備すると自身の魔力を糧に極端な身体的強化が発動する。魔力が枯渇するまで外れない”
「ムニ、コレは要らないよ」
『そうか?ちょっとカッコいいのに』
「そういう問題じゃ無い…」
★
暫く武具庫を漁らせて貰って、出来上がった装備はこちら。
頭 魔女の帽子
首 障壁のチョーカー/精霊玉の首飾り
体 黒曜豹のローブ/白蜘蛛糸の服/空飛ぶ服
手 結界指輪
足 黒ストッキング/飛脚の靴
他 煌王の羽根
飛脚の靴は少しだけ身体が軽くなる靴だ。
防御力的にはかなり高くなった。それに精霊玉の首飾りと結界指輪で4・5発程度は耐えられると思う。
ふと、このストッキングを鑑定してみる。
”『神の祝福』黒ストッキング レアリティ5 絶対破けない。絶対ほつれない。神自らが込めた神力により腰から脚へのあらゆるダメージを大幅に軽減する。何人たりとも傷つける事叶わず”
なんか凄い。まぁ不自然の塊みたいなストッキングだからな。でもここまで凄かったんだ。神とかつくなら洗わなくても良くしてくれれば嬉しかったんだけど。
制服上下も同じ感じなのかな?もしかして最初から制服着てれば良かった?家に帰ったらちょっと鑑定してみよう。
武具庫の番人さんにお金を払って(1200万ルビだった)、最後にシャニ様に挨拶に向かう。案内人さんについて行くと再び謁見の間に着いた。シャニ様が玉座で脚を組んで座っている。横にはフィナさん。
『良くなったじゃ無いか』
「はい、かなり良いものを売って頂きました」
『良し…ムニにサテラにマコにチェリか。コレだけの戦力が攻めてきたら魔王慌てるだろうな』
「少し前にミズキ君も魔王の所に行ってますからね。魔王も大変ですね」
ミズキ…なんか思い出せそうで思い出せない。
考え事をしてる私をシャニ様が見る。
『まぁ後はやってみないと分からんな。早速行ってこい』
「はい、有難う御座いました」
『気をつけてな』
一礼をして皆で謁見の間から出る。廊下を歩きながらサテラが話しかけてくる。
「少し遅くなったから今日はこの街の宿に泊まりましょう。マコの服も強化したいし」
「あ、はい。助かります」
『じゃああたしは飲みに行くかな』
「朝までには帰って来てね。チェリさんはどうします?」
「それでしたら私は朝になったら宿に行きますね。先に宿を取ってしまいましょう」
「お願いします」
チェリさんの先導で、中々高級な宿に案内してもらった。部屋にお風呂が付いてて、とても広い。
「それではまた朝に」
「はい、ありがとう御座います」
チェリさんが退出して行くと、早速ムニも何処かへ出掛けて行った。
「早速始めるわよ。マコ、その服脱いで」
催促されて着ている装備を脱ぐ。大きなテーブルに黒曜豹のローブと白蜘蛛糸の服を広げて、何やらブツブツと呟いてるサテラから視線を切って椅子に腰掛ける。
大丈夫かな。魔王、強いんだろうなぁ。




