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宝物庫とコスモの鍵

 武闘会を無事優勝した私は賞金1000万ルビと賞状を貰い、オズワルドから王様を助けた礼を受け取る為に後日お城に招待される事に。

 尚、オズワルドは失格扱いとなり2位はブロン選手、3位はタカヒロさんに繰り上げとなった。


 褒章を受け取った後、闘技場の入り口に行くと、コマちゃんとムニ…だけではなく、リューゼさんリエルさん、ミケイ君にエルザちゃんまで出待ちしていた。


「よう!頑張ったな!」

「…お姉ちゃんカッコよかった」

「優勝おめでとう!俺も出たかったぜ」

「マコさんおめでとうございます!」

「マコの魔術カッコよかったわ!」

『よし、祝勝会って事でこのメンツで焼肉行こう!勿論マコの奢りで』

「それ良いな!」

「えぇ?まぁ良いけど」

『よし、お大臣の許可は得た!たらふく食うぞ!』


 そんな訳で7人で焼肉屋に突撃する事に。


 選んだ店は、焼肉屋『じゅじゅえん』。お高級なお肉を多種取り扱うキョットーでも随一の焼肉屋らしい。


 店員さんに座敷に案内された。席について早速、


「生中!」

「こっちも生中!」

『あたしも生中!』

「なぁ、エルザ…」「ダメです。ウーロン茶2つで」

「…生中って何?」「お酒の事だよ」「…メロンソーダ」

「私はコーラで」


 取り敢えずそれぞれ飲み物を注文した所で、メニューを皆で見る。うわ、値段がとんでもない。


「取り敢えず特選カルビ、特選ロースそれぞれ4人前!後ライス特大で!」

『ハラミとホルモンは外せない…何処だ?』

「俺は豚トロとキムチかな。あとライス大」

「私は…どうしましょう…海鮮チヂミと…」

「特選ロースとネギタン塩いこうかしら?あとわかめサラダ」

「…お姉ちゃん、何が良いかな?」

「うーん、取り敢えずカルビで良いんじゃない?ゆっくり食べれば」

「…そうする」


 そうして注文したお肉達がやってきた。うわぁ、綺麗なお肉がズラリ。


「よし、焼けたぞ!」

「え?それ、殆ど生じゃ…」

「エルザ、肉は焼きすぎると固くなるだろ?それじゃあ美味しくない。豚や鳥はよく焼いた方が良いが牛はそこそこで良いんだ。ステーキもレアで出す店があるだろ?」

「いや、でもそれ生…」

「気にしすぎよ。タンもこんな感じでサッと焼けばオッケー。そう言うものなのよ」

「そう言うものなのですか…もしお腹壊した方がいらっしゃったら私に仰って下さい」

「豚トロは反り返るから焼きにくいな」

「流石高級焼肉屋!うめぇ!ビールが進む!」

『シマチョウは9対1の黄金比というものがだな…』

「…美味しい」

「皆自由だなぁ…」


 賑やかだ。勿論私も美味しく頂きました。


 お会計は驚きの6桁。7人とは言え1食にかける金額じゃないよコレ。





 で、それから5日後。


 王城からの迎えの豪華な馬車が私の家の前に横付けされ、それに連れられて王城へ。あれよあれよの内に王様の前にやって来た。跪いて王様から声が掛けられるのをまつ。


「良く来たマコよ」

「はい、ご無沙汰しております」

「立ち上がって楽な姿勢になると良い」

「心遣い恐れ入ります」


 立ち上がって王様を見る。


「此度のマコの働きによって私の命は救われた。この国の混乱を防いだと言っても過言では無い。この功績は非常に大きいものだ。マコよ、何を望む?可能な限り応えよう。その実力をもって我が国の精鋭、宮廷魔術師になり栄華を極めるか?それとも貴族となって土地を治めてみるか?私の妻になるというのも全然有りだぞ?6番目になってしまうがな、ハハハ!」

「あー…えっと」

「陛下、マコ様が困ってらっしゃいます」

「いや、決して冗談では無いぞ?見目麗しく、才もあるマコならば私が妻として相応しい。が、本人の気持ちもある話だから無理強いはせぬがな?で、再び聞こう、何を望む?」

「えっとですね…」


 私が彷徨い人である事、その持ち物であるコスモの鍵を探している事。宝石のついた鍵に心当たりが無いかを前回と同じ様に王様に聞いた。


「もしかして、1年程前に玉座の上に乗っていたあの鍵か?宰相、あの鍵は何処へやった?」

「あの時の…確か宝物庫に入れたままだったかと思いますが」

「マコ、喜べ。鍵は宝物庫にありそうだぞ?そうだな、ついでに宝物庫の中身で欲しいものが有ればいくつか持って行くといい」

「ありがとうございます。あと、王様に伝えたい事が御座います」

「なんだ?申してみよ」

「隣の国ハイリアがこの国に戦争を仕掛ける可能性が御座います」

「ふむ?その根拠は?」

「私は彷徨い人…日本人なのですが、日本人には特殊な能力が備わっているというのをご存知でしょうか?」

「うむ、知っておるが…もしやマコの能力はトキネの様に未来視が出来る力と?」


 へぇ、トキネさんの事は国に知られてるんだな。


「未来視とは少し違うのですが…私の能力は、過去へ戻りやり直す力です」

「どういう事だ?」

「私はこれから一月程後に、エスペリアとハイリアの中間にある平原で巨大な魔術陣が描かれ、それによって多数の魔物が召喚されてエスペリアに向かって侵攻する現場を見ています。その場で私は殺されそうになって過去に戻ってしまったのでその後の状況は分かりませんが…かなりの規模の魔術陣なので、現時点で平原に描かれているものと思われます。又、コレは確信が持てない情報なのですが、先日武闘会で私が倒したオズワルドに憑いていた悪魔が、周辺の魔物を呼び寄せる可能性が御座います。今回は悪魔が消滅する様に聖なる炎で滅しましたが、もしかしたら付近の魔物がキョットーに集まってくる事があるかもしれません」

「ほぅ。にわかには信じがたいが…本当ならば由々しき事態だな。クリスタを呼べ!」


 王様が大きな声で誰かを呼ぶ。数分程して現れたのは、真紅の髪を持つ騎士服を着た女性だった。


「クリスタ、宮廷魔術師と連携してハイリアとの国境まで何か異変が無いか調べ上げよ。又、呪術研究員に闘技場を中心に呪いが蔓延していないか調べさせよ」

「はっ」


 クリスタと呼ばれた女性騎士が退室して行く。


「何もなければ良いがな」

「後、オズワルドに話を聞きたいと思っているのですが、それは可能でしょうか」

「構わぬぞ。目を覚ましているとは聞いているが…今は城の離れの地下牢に居る。後で案内させよう」

「ありがとうございます」

「ではマコよ、大義であった!トマスよ、マコを宝物庫と牢に案内せよ」





 トマスさんに案内され、宝物庫へとやって来た。宰相さんも一緒だ。

 宰相さんが目録を持って鍵を探してくれている。実はある場所を知ってるんだけど、それを伝えたら「何故宝物庫の中を知っている?」という面倒臭い事になりそうなので黙っておく。

 数分程して宰相さんが鍵を持って来てくれた。


「マコ殿、コレではありませんか?」

「あ、それです」


 青色の宝石の付いた鍵。間違いない。


「早速使わせて貰っても良いですか?使うと鍵は消えて無くなってしまうんですけど」

「構いませんよ。元々がマコ殿の持ち物の様な物なのでしょうし」

「では失礼して…」


 コスモを鞄から取り出して、表紙にある鍵穴に青色の鍵を差し込み回す。するとカチッという音と共に鍵が光の粒子となって消え、コスモが輝き出す。宝物庫の中という事で少し暗いので、かなり眩しい。


「おぉ、コレは何とも幻想的ですな…」


 やがて光が収まると以前よりも表紙が豪華になったコスモが現れた。ページをめくってみる。


”地の鍵 の封印がアンロックされました”

◯魔力伝達率が上昇しました

◯ページ数が増えました

◯鑑定機能が増えました

◯天文術『アトモス』を使用可能になりました

◯天文術『シューティングスター』が強化されました


 よし。コレで3つ目だ。


「どうでしたか?マコ殿」

「あ、はい、確かにこの本の鍵でした。パワーアップした様です」

「パワーアップですか。武闘会優勝のマコ殿が更に強く…真剣に宮廷魔術師として働く気は御座いませんか?高待遇を約束させて頂きますが」

「あー、鍵を集めるために世界各地を回らなきゃならないので…」

「そうですか、至極残念です…それはそれとて、他にこの宝物庫で何か入り用なものが有れば仰って下さい。王の許可は出ておりますので」

「はい、ではお言葉に甘えて」


 暫く宝物庫を物色した後、今度はオズワルドの捕らえられてる牢へ案内して貰う。

 城を出て、少し離れた建物に入って地下へ。看守に挨拶をして鍵を預かり、左右に牢屋が並ぶ通路を奥へと進んでいく。急にコチラに縋り付く様に格子にへばり付いてくる人に驚く。ちょっと心臓に悪い。


 少ししてオズワルドの居る牢に着いた。オズワルドは虚な目でコチラを見ている。


「オズワルドさん、ちょっと話が聞きたいんですけど…」

「…なんだ?」

「貴方に悪魔を憑依させたのは、ハイリア王国ですか?」

「…あぁ、そうだ」

「ハイリアはエスペリアに戦争を仕掛けているということで間違いないですか?」

「…そうだ。他にも…ぐっ!がぁぁ!」


 急に苦しみ出したオズワルド。


「ぐ…俺は大したことは知らない。この隷属の腕輪でハイリアに縛られているから喋る事も出来ない」


 右腕を見ると、タカヒロさんが付けていたのと同じ腕輪をしている。多分ハイリアが不利になる様な事を言おうとすると痛みが走るのだろう。


「ちょっとその腕輪を触らせて貰えませんか?」

「…どうするんだ?」


 と、右腕の腕輪を格子から出すオズワルド。その腕輪を触ってみる。

 もしかしたら私の不思議な封印解除の力ならと思ったけど、何も起きない。あとは…コスモを取り出してと。


「鑑定」


”隷属の腕輪(ハイリア謹製) レアリティ3 複数の魔術と呪いが複雑に絡み合った、装備者の行動を縛る腕輪。命令に背くと強烈な痛みが身体を襲う”


 呪い。呪いねぇ。呪いに関してはちょっと勉強不足感が否めない。残念ながらここで解除する事は出来そうにない。


「まぁこの腕輪がどうなったところで俺はどうせ王に剣を向けた罪で死刑だろうから何も変わらないけどな」

「まぁ…そうなんでしょうね」


 オズワルドの死刑は確定している。それは覆らない。出来ればもう少し詳しく事情が聞きたかったけど、それも無理そうだし、ここで出来る事はもう無いかな。


「じゃあオズワルドさん、話を聞かせて下さりありがとうございました」

「罪人に礼を言うのもおかしな話だな…」


 オズワルドの居る牢を後にし、地上に出る。


「宰相さん、オズワルドの刑が終わったら、あの腕輪はどうするんですか?」

「予定では研究室での研究材料となりますな」

「そうですか…その研究に私も参加したいんですけど…」

「おぉ、マコ殿が参加して下さるなら研究も捗りそうですな!王に進言して置きますぞ」

「お願いします」





「ただいま〜!」

『お、帰って来たな』

「…お帰り、お姉ちゃん」


 靴を脱いでリビングに上がる。


「はい、これお土産。コマちゃんにはこのミスリルとマギタイトで出来た短杖。ムニにはこの刀ね。銘は『夜桜』」

「…わ、凄い」

『ほう、吸い込まれる様な刀身…』


 他にも前回使った6人は余裕で乗れる空飛ぶ絨毯も貰ってきた。

 2人はお宝に首ったけ。その間にラフな格好に着替えてリビングのソファーに座る。


 ボケーっとしながらこれからの事について想いを馳せてみる。


 ハイリアについては一先ずコレで良いかな。基本一般人である私が国同士の戦争に口出しするのもおかしな話だし。一応エスペリアが負けそうな感じだったり王様にお願いされたりした時は助力すれば良いよね。


 暫くはここで過ごして行く末を見守るとして…次の鍵は確か… 第9世界に住む魔王に会いに行けってトキネさんが言ってたな。あと、1人で行くな、4人で行けとも言ってたっけ?何でだろ?

 4人…戦闘になるのかな?何処かで強そうな人をスカウトしなきゃ…その間コマちゃんはここで過ごしてて貰う?それだと寂しがりそうだよなぁ…


 うーん…どうしよ。

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