魔術師協会
「ここだよー!魔術師協会!」
「思ってたより大きい…」
テクテクとラザちゃんについて歩く事10分程。赤い建物の魔術師協会に着いた。
結構大きくて5階建はあるかな?壁は赤いレンガっぽくてよく掃除されてるのか綺麗。思ってた以上に立派な建物だ。
「入ろっかー」
カランコロンカラン…
「あ、今日はクレアさんだ!クレアさーん!」
「あら、ラザちゃんいらっしゃい。その後ろの子は誰かな?」
「ふっふーん、妹弟子のマコっちだよー」
「マコッチちゃんね、はじめましてクレアです」
ちょ、ちょ!
「マコッチじゃなくて「マコ」、と申します。はじめまして、クレアさん」
「ああ、そしたらマコちゃんね、宜しくね」
クレアさんは大体20代後半に見える女性だ。少しおっとりしてる?
「ところでラザちゃん達は何しにここへ?」
「ご飯食べに来たー!あとマコっちの協会登録もするかなー?」
「あら、それじゃああっちのテーブルにどうぞ。お水汲んでくるから」
「はぁい!」「はい、お邪魔します」
連れられたのは窓際のテーブル席。この建物の1階は受付カウンターを除けば喫茶店みたいな感じ。
窓際の席と言うことで外から優しい光が注いでくる。特等席って奴かな。
横の壁に立て掛けられたメニュー表を開き、2人で何食べるかあーだこーだ言ってると、クレアさんがお水を持ってきてくれた。
「さて、登録は後にするとして、2人は何にするの?」
「あたしはハンバーグ定食!」
「ラザちゃんはハンバーグ定食っと。マコちゃんは?」
「私は…野菜のサンドイッチとコーヒーで」
「はい、コーヒーはアイス?ホット?」
「あ、ホットで」
「はい、承りましたっと。じゃあ待ち時間お話しててね〜」
「はーい!」「はい、有難うございます」
まるで元の世界のレストランみたいだ。メニューも日本語で書かれていて普通に読めるし。写真は貼られて無いけど。
こういう所をみると文明も割と現代日本に近くて違和感がないようなあるような。
「それでさ、マコっち。後で魔術師協会で登録してくよね?便利だよー?」
「登録したらどうなるの?」
「まず、資格に応じた魔術書が買えるようになるでしょー?」
「魔術書。うんうん」
「魔術の論文を提出したり魔術技能が一定以上と認められたりしたらランクが上がって、それに応じたサービスが受けられるでしょー?」
「う、うん」
「協会内の依頼をこなせばお金だって貰えるでしょー?」
「んー…それって、稼げるの?」
「ピンキリ。でも師匠の不老長寿の薬の現物納品依頼はもう何桁あるか分かんない値段が付いてるよー、っても現状塩漬け状態だけど」
「あぁ、それは何と無く分かる」
「そう、だから色んな人がそんなマジックアイテムや錬金術、魔術理論なんかを共有したり売買したりする所がここなんだー。あとはー…」
発明したアレコレをここに持ってくればお金になったり名誉になったりして生活の助けになると。
「こないだ作った閃光玉あるよね?」
「あぁ、ラギの実の。アレがどうしたの?」
「アレがここで1個5万ルビぐらいで売れる」
「1個で5万!?」
めっちゃ調合失敗しまくったんだけど!?だって刻んだ後布で包んでハンマーで潰してそのまま布で絞って濾してその出た液体を不透明で薄めな瓶に詰めてちょっとした緩衝剤として布で軽く包んで出来上がりという一見そんなに難しくなさそうな工程で、
まず砕いた瞬間にピカァー、
布で濾した液体がピカァー、
瓶に入れた衝撃でピカァー、
と、成分が反応して使い物にならなくなり…
もっと優しくー!とか、徐々に強くー!とか、ラザちゃんがサポートしてくれてたけど結局製品20個分以上は無駄にしてるよ!?
それだけで100万行ってるんですが…ひぃー!
「やばい、めっちゃ迷惑を…」
「あはは、良いんだよ、師匠お金困ってないからー。私の授業料だって超格安だしー」
「私なんか払ってすら居ないんだけど…」
「良いんだって、師匠も最初から分かってるんだからー」
うぅ、面目無いなぁ。
なんてお喋りしてると美味しそうな料理が届き、それを実際美味しく頂いてコーヒーを飲み終わった所、
「マコちゃんそろそろ登録しましょうか?」
「あ、じゃあお願いしてもいいですか?」
「ふふ、カウンターにどうぞ〜」
「はい、失礼します」
「じゃあこの紙にお名前と年齢、簡単な経歴、師事してる人…はアビラタさんね。そんな感じで空欄を埋めていってね」
「分かりました」
名前…マコ。
年齢…は15にしとこ。
性別…女です、断じて女の子。
経歴…少し前に異世界の日本から来ました。
師事…アビラタさん。
動機…動機?ラザちゃんに紹介されて?
特技…えぇと、ファイアボール2連発かな?
長所…う?うーん…
短所…この世界の人より身体が弱い?
一言…せ、誠心誠意頑張ります?
…
…
こんなところかな?
「出来ました」
「はいはい、ちょっと拝見。ふむふむ」
「…」
「…」
ちょっともじもじ。
「あら?異世界の日本出身?と言う事は彷徨い人?」
「あ、そうらしいです」
「へぇー、珍しいわね〜。ここら辺では殆ど見かけないのに。」
「そうなんですか」
「そうなのよ。んで、特技はファイアボール2連発と」
「そういう事になります?」
「じゃあ観せてもらおうかしらね?」
「え?」
え?
「あはっ、マコっち頑張れー!」
「いや、観せてどうと言う程のものでは…」
「会員の実力を知るのも協会の職員の仕事なのよ。さぁ、裏の訓練場に…」
じ、実演する事になりました…なんか恥ずかしいな。




