特訓!
「まだまだ!後10回!」
「はっ!…はっ!…はっ!」
「もっとリズムよく!」
「もっと腰をいれて!」
「縦ばかりじゃなく横にも振って!」
「はぁっ!はぁっ!…はぁっ!はぁはぁ…」
…
…
…
「っつ!…もう限界です!」
「もう終わりかぇ?仕方ないのう、素振りはここまでじゃ」
「あぁー疲れたぁー」
「マコっちお疲れ様ー!」
アレから10日程経ちました。
何をしているかと問われれば特訓です。
何のと言われれば武器の使い方のです。
何でと聞かれれば…
師匠のアビラタさん曰くこの世界は弱肉強食だそうで、私みたいなひ弱そうな女子供が外をふらふら歩いてると簡単に人攫いにあったり、魔物に食べられてしまったりしてしまうような怖い世界なんだそうです。そう聞くとこの家までよく無事だったなと思う。そして初めて会った人が師匠で良かったと痛感。
そんな訳で、師匠とラザちゃんにアレコレ教わりながら護身術として杖の素振り等をしていた所です。
因みにこのロッドは師匠があの木の棒倒しの棒(重さの割に丈夫な上質な木の枝らしい)を削ったりなんやかんやした後、先にちょっとトゲトゲがついた丸い金属を誂えた一品。
態々作ってくれたオーダーメイドなこのロッドは結構気に入ってます。棒倒しで師匠の元に連れて来てくれた事もあって何となく運命を感じ「フォーチュンちゃん」と名付けました。…異論は認めません…!
本当なら魔術師は先に魔石なるものをつけて魔術の増幅が出来るようにするそうなのですが、私の場合は魔力が無くて自力で魔術が使えないという事と、魔導書のコスモの魔力がすぐ切れる事から増幅するよりもう物理で殴った方が良くない?って事からトゲトゲを選択することに。
まぁコレはコレでなんか可愛いから良し。
でもこんなに素振りしてたら筋肉ムキムキになっちゃうよー。あー、先輩思い出しちゃった。うー。
そう、コスモの事だけど。
この数日の間ちょくちょく会話とか実際に魔術を使ったりしてみて分かったこと。
初級のファイアボールの魔術(師匠が呪文を教えてくれた)を使えば2.3発で魔力切れ。
お喋りすれば数ページ分で魔力切れ。
一度切れたら12時間沈黙。
だからあんまり話は進んで無いんだけど。
ただコスモ曰く、あの気になる鍵穴を、鍵を手に入れて解錠する事で魔力量も上がり、ページ数も増えて新しい機能も付くらしい
じゃあ鍵は何処にあるのか、どんな形なのか、どうやって見つけるのかと聞くと、”条件を満たしていない為開示できません”と言われ。
元の世界に帰る方法に関しても、”条件を満たしてない為開示出来ません”と言われた。役に立たないよコスモ。条件って何だろうな?
他には〜っと、服装が変わったかな?
今いるこの地域は割と肌寒いので師匠が作ってくれた黒のローブ。
足元がしっかりしてないと危ないということでラザちゃんが近隣の街で買ってきてくれたくるぶしまで隠れるブーツ。
コレが中々可愛くてリビングの姿鏡で鑑賞してみたりポーズ取ってみたりして凄く気に入ってます。大事にしなきゃね!
こんな所かなぁ?取り敢えずは特訓してこの世界をちゃんと回れるぐらいの体力を付けて、それからかな?
…
…
…
…ふぅ、さーってと!休憩もしたし、次は何だろう?
「アビラタ師匠!休憩終わりました!」
「そうかぇ?では運動はコレぐらいにして錬金術の勉強でもしようかねぇ」
「お願いします!」
錬金術は割と面白い。色んな材料から、身体の怪我が治る薬や、毒を打ち消す薬が出来たり、空飛ぶ箒(魔力の無い私は乗れないが)を作ったり。
しかし葉っぱとか種を煎じたりするのは良いんだけど、トカゲを煮詰めたり蛙を潰したりするのは抵抗がある。でもこの世界で生きていく為には習うべき物だしあーだこーだ言ってられないんだよね。弱肉強食だし。
「じゃあ、今日はラギの実から成分を抽出して閃光玉を作る授業をしようかね?」
「お願いします!」
「姉弟子としてサポートしますよー!」
よぉーっし、頑張らなきゃね!




