表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/108

日常

 今日はコマちゃんと一緒に魔力を測定して貰う為に魔術師協会に来た。コスモのパワーアップを経てどれだけ魔力があるのか、どれだけ魔術を使えるのか見ておいた方が良いかなと。ついでにコマちゃんの魔力も伸びていないか確かめようと思ったのだ。


 受付に行くと、書類を見ていた女性の職員さんが顔を上げてこちらを見た。


「ご用件は何でしょう?」

「魔術布で魔力量を測って貰いたくて」

「測定ですね、カードを見せて貰っても宜しいですか?」

「はい」


 私とコマちゃんの魔術師カードを取り出して職員さんに見せる。


「はい、確認いたしました。少しお待ちくださいね」


 魔術布を取りにいったのだろう、職員さんが奥の部屋に入って行った。


「…増えてるかなぁ」

「多分増えてるよ。コマちゃん今伸び盛りだから」

「お待たせしました、それではあちらのテーブルへどうぞ」


 カウンターの横にあるテーブルに魔術布を広げる職員さん。


「やり方は分かりますか?」

「はい、大丈夫です。コマちゃん、測ってみて」

「…うん」


 コマちゃんが魔術布に魔力を注ぎ始めると魔術陣に光が広がり始める。暫くじわじわと広がっていき、2番目の円に沿った所で止まった。


「魔力量は数値にして約30ですね。年齢を考えるとかなり多い方です」

「凄いコマちゃん、3ヶ月で12も伸びてるよ!」

「…良かった」

「3ヶ月で12もですか…何をすればそんなに伸びるんでしょう?何か特別な事をされてらっしゃるのですか?」


 コマちゃんに興味を持ったのか、職員さんが聞いてくる。


「…瞑想とか、魔力を練ったりとかはしたけど…わかんない」

「それだけですか?うーん、それだけでここまで魔力が伸びるのは異常とも言えます。獣人ならではでしょうか?事細かに調べて研究したい所ですね」

「…それよりお姉ちゃんのも見たい」

「私も測って貰っても良いですか?」

「はい、大丈夫ですよ」


 バッグから出したコスモを片手に持ち、魔術布の中心に指を乗せる。すると魔術陣は3番目と4番目の円の、少し4番目に寄った所まで光った。


「魔力量にして大体180から190といった所です。凄いですね」

「…おぉー」

「コレ程の魔力量の人は宮廷魔術師団にも殆ど居ませんよ?というかよく見ると武闘会で準優勝のマコさんではありませんか?」

「はい、そうです」

「やっぱり堕天の魔女!握手して下さい!」

「あ、はい、良いですよ」


 職員さんと握手をする私。


「これからも頑張って下さいね」

「はい…どうも」


 最近私を見ると握手を求めてくる人が増えてきた。道を歩いていてもふとした拍子に声をかけられるのだ。嬉しいやら小っ恥ずかしいやら。


 魔力測定が終わったので、コマちゃんを連れて訓練場までやってきた。主にアトモスの魔法を試すためだ。

 

「…ねぇお姉ちゃん、見てて。〜〜…」


 コマちゃんが少し遠くにある木人に狙いをつけて、呪文を唱え始めた。


「〜〜〜、フレイムランス!」


 ゴォォッ、ドォォォン!炎の槍が狙い通り木人にぶち当たって炎の柱が空高く立つ。


「凄いじゃんコマちゃん!もうフレイムランスが使えるんだ?しかも圧縮詠唱で」

「…練習した」

「探索者だったら引っ張りだこだね!」

「…ふふん」


 メッチャ得意げで可愛い!思わずギュッとしちゃった。


「次は私だね。さてコスモ、『アトモス』はどんな魔法かな?」

”自分の周りに物理的、魔術的要素を弾く大気の層を張る事が出来ます。簡単に言えばバリアの様な物です。魔力を込めれば込めるほど範囲が広がりますが魔力の消費が極端に大きくなります”


 防御魔法って事かな?…使ってみれば分かるか?


「アトモス!」


 ブォン…私の身体を中心に半径1メートルぐらいの範囲に何かの力場が発生した…したけどどうやって試そう?


”コマさんにファイアボールでも撃ってもらうと良いと思います”

「え、自分にファイアボール撃って貰うの?失敗したら私丸コゲなんだけど?」

”大丈夫だと思います”

「思いますって…コマちゃん、私にファイアボールを撃って貰えるかな?」

「…え、大丈夫なの?」

「多分」

「えぇ…分かった」


 コマちゃんから少し離れる。


「…行くよ?〜〜〜、ファイアボール!」


 ゴゴォッ!ど迫り来る火の玉。普通なら大火傷で下手すると死んじゃうのがファイアボールって奴だけど…ドォォン!と私のバリアに触れて爆発するファイアボール。だけど熱も爆風も遮られて一切感じない。へぇ、これは凄い。


「…お姉ちゃん、大丈夫だった?」

「うん、なんとも無いよ。有難う」


 まぁ咄嗟に張れる防御魔法って感じかな?便利便利。

 後はシューティングスターなんだけど多分ここで使ったら騒ぎになるだろうね。また今度でいいか。


「…お姉ちゃん、新しい魔術を教えて?」

「ん?良いよー。どんな魔術が良い?」

「…強いやつ?」

「強いやつ…じゃあ…」





「マコさん、今日は暇ですか?」

「うん、暇だけど…ヒューマ君どうしたの?」

「この間言ってたアクセサリー、買いに行きませんか?」

「ああ、そういえば…うん、良いよ。じゃあ準備できたら行こうか」

「やった!」


 ヒューマ君が喜んでる。あの時デートだってムニが茶化したから誘いにくかったんだろうか?


 さて、適当な格好でお出かけというわけにもいかないので身嗜みはキチッとしていかなきゃね。

 髪を櫛で梳かしてから今日はポニーテールにし、魔女ルックな服に着替えて、コスモの入った手作り鞄を肩から掛ければ私のお出掛けコーデの完成です!…うーん、お出掛けする用の服が無い。女の子としてコレはいかがなものかと思わなくもない。ヒューマ君には悪いけど服を買うのにも付き合って貰おうかな?

 玄関に行くとヒューマ君が既に待ってた。


「お待たせヒューマ君、行こうか」

「今日はポニーテールなんですね、珍しいです」

「どうかな?似合う?」

「とっても!」

「んふー、ありがと」


 ヒューマ君はストレートに褒めてくれるから気持ちが良いね。

 嬉しくてクネクネしてるとコマちゃんがリビングからやってきた。


「…お姉ちゃん達、お出かけ?」

「そうだよー、アクセサリー見に行くんだ」

「…私もつれモガッ」

『こら、コマ、邪魔しちゃダメだ』

「…ムー!ムー!」


 ムニがコマちゃんの口を押さえてリビングに戻っていった。


「…行きましょうか、マコさん」

「そだね」


 玄関を出て、先ずは大通りに出る。このキョットー、アクセサリーショップと言うだけでも何件もある。普通にジュエリーを置いてあるお店もあれば魔石を加工した魔術具を置いてある店もある。今日はその魔術具を置いてあるお店の方に行く。

 程近くにあったショップにお邪魔する。


「どんなのがあるでしょうかね?」

「ちょっと期待しちゃうね」


 チリンチリーンとドアについたベルがなると、店員さんが奥から出てきた。


「いらっしゃいませ。どういった商品をお探しでしょうか?」

「アクセサリーの魔術具を見せて貰いたいんですが」

「でしたらこちらの棚一帯となっております」


 店員さんに案内された一角で商品を手に取って眺める。


「ヒューマ君はどんな魔術具が欲しいか決まってるの?」

「いえ、見てから決めようと思ってました」

「そっか、コレなんかどうかな?付けてるとじわじわと身体が暖かくなるネックレス。コレから冬だし?」

「へぇ、実用的ですね」

「ね。…と思ったけどちょっと高いな」


 値段を見てみるとウン十万円。寒いのは重ね着すれば済む話だしなぁ。

 

「マコさん、コレなんかどうですか?」

「んー?」


 ヒューマ君が持ってきたのは魔石の付いたヘアバンドだ。


「ヘアバンドかぁ。どんな効果なの?」

「付けたらネコミミが生えるそうです」

「は?」

「正確には付けた所にネコミミの幻影が発生するとの事です」


 なんて無駄な機能…そのまま猫耳の付いたヘアバンドで良いじゃないか…試しにヒューマ君の頭に付けてみる。するとピョコンと黒い猫耳が生えた。


「俺に付けるんすか…ここはマコさんが付ける所では」

「ちょっとどんな感じか見たくて」


 ぴょこぴょこと動く猫耳。コレで尻尾が有れば完璧…うん?どうやってこの猫耳の幻影は動いてるの?

 じっとヒューマ君と猫耳を見つめる。ちょっとヒューマ君が赤くなった。それと同時に「恥ずかしいよぉ」とでも言いたげに猫耳が動いた。


「に、似合ってますか?」

「ヒューマ君には犬耳が似合うと思うよ」

「そ、そうですか」


 この猫耳、多分感情に合わせて自動で動いてる。それをこのヘアバンドのサイズで実現するにはどれだけの細かい魔術紋様を仕込まないといけないんだろう。

 このヘアバンドの紋様が分かれば私の技術もかなりレベルアップしそうだ。

 よし、買おう。

 ヒューマ君の頭に付いたヘアバンドを外して色んな角度から眺める。


「うん、このヘアバンドは買いだね。値段は…5万ルビか」

「ちょっと高いですかね?」

「いや、安いね、凄く安い」


 手にヘアバンドを持って更に店内をぐるっと眺めていく。けど、このヘアバンド程の物は見つけられないまま、お会計を済ませお店を出た。


 再びヒューマ君の頭に猫耳ヘアバンドをセットして街を練り歩く。ヒューマ君はなんとも微妙な顔だ。頭の上のネコミミも「どうして俺ぇ?」と言った風にピクピクと動いている。


「あ、そうだヒューマ君、私、普段着る用の服も買いたいんだけど、寄り道しても良いかな?」

「全然良いですよ、俺もジャケットが欲しかった所です」

「決まり!よーし、何処にしようかな」



「ただいまぁー、疲れたぁ」

「…おかえり」

『ヒューマ少年荷物持ちおつかれ!お、中々カッコいい服を着てるじゃないか』

「はい、マコさんが買ってくれた防刃ジャケットです」

『ほうほう、良いじゃないか。その猫耳は?』

「あー、マコさんが付けてくれました」

『ピコピコ動いて可愛いな』

「でしょう?でもヒューマ君にはやっぱり犬耳だね」

「いやいや、そもそもこういうのは俺じゃなくてマコさんが付けるべきですって」

「自分に付けたら鑑賞出来ないじゃない」

「いや、まぁそうですけど…」


 ヒューマ君が持っててくれた荷物と猫耳ヘアバンドを受け取り、自分の部屋に仕舞う。


 さて、晩御飯の準備しなくちゃね。今日は何にしようかな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ