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決勝戦とコスモの鍵

《遂に今年の武闘会も決勝戦!ここ迄勝ち抜いてきた強者達の紹介をしたいと思います!1人目は2回戦、準決勝と強力な星降りの魔術で相手を文字通り吹き飛ばしてきた堕天の魔女、マコ選手!続いて2人目は精霊召喚術により難しいとされてきた多重詠唱を可能にした時代の寵児、万魔、エドガー選手!決勝戦が2人とも魔術師という珍しい組み合わせとなりました!一体2人はどんな戦いを魅せてくれるのかー!?》

「宜しくお願いしますね」

「あぁ、宜しく」

「それでは位置について」


 2人とも魔術師なので舞台の端と端に位置取る。


「始め!」

「■■ ■、サモンスピリット・フォー」

《エドガー選手、精霊を召喚!今回は4体だ!本気です!しかしあんなに召喚して魔力が無くならないのかー?》

「『翼展開』『浮遊』」

《マコ選手は早速翼を生やした!天使モードだ!》


 天使モード…まぁ良いけど。しかしあの精霊召喚術、私にも出来ないかな?呪文さえ分かればな。


「〜〜、ファイアボール」

『『『『ファイアボール』』』』


 一つ一つがそれなりのスピードのファイアボールが5つ、小手調べと言わんばかりに私の所に向かって飛んでくる。だけど私は空を飛んでるので避けるのは簡単だ。


「『飛翔』」


 ヒュン!という音と共に上空に飛び上がり火球の群れを避ける。そのまま一直線にエドガー選手に向かって飛んでいく。


「〜〜〜、トルネード」

『『『『アイスアロー』』』』

《エドガー選手の専売特許、複合魔術だ!》


 ゴゴゥゥ!竜巻の魔術による気流に乗って、広範囲かつ不規則に飛んでくる大量の氷の矢と風の刃が私に襲いかかる。


「●、マルチプルシールド!」


 前方から側面にかけて積層の魔力の盾を発生させ、私に当たりそうな攻撃を防ぐ。そのまま嵐の様な魔術攻撃を抜けてエドガー選手の後ろに回り込み、腰に付けたフォーチュンちゃんを抜いて接近戦に持ち込む為に急接近する。が、


『ストーンキャノン』

「っ!うぐぅ!」

《精霊の魔術がマコ選手の足に直撃した!コレは痛い!》


 ギュォン!と、精霊が放った石砲の魔術が反応し切れなかった私の左足に直撃する。何があっても破れないストッキングを履いてたお陰で足を突き抜ける事は無かったけどその分その衝撃は凄く、バランスを崩して地面に落ちてしまう。あの精霊、オートで迎撃するとは思ってなかった…めっちゃ痛い!


 そこへ追撃する様にエドガー選手が魔術を唱えだしたので慌てて防御魔術を準備する。


「〜〜〜、ストーンジャベリン!」

『『『『ストーンパレット』』』』

「●、アースウォール!」

”魔力枯渇。再起動まで12時間”


 あ、詰んだ。魔力切れちゃった。


 凄い物量の石礫と石槍が私に向かって飛んでくる。それを防ぐ魔術を発動させるとコスモの魔力が切れてしまった。準決勝でいっぱい魔術を使って魔力を消費してたから仕方ないけど。


 石槍が私の作った壁に凄い音を立てながら突き刺さり、大量の石礫がガリガリと壁を削る。


 やがて石礫が収まり、エドガー選手が壁を周りこんできた。左足が痛みで動かせなくて立ち上がれないまま両手を上げて降参のポーズをとる私。すると審判が近づいてきた。


「降参しますか?」

「はい」

「マコ選手の降参でこの試合、エドガー選手の勝利です!」

《おーっと、ここでマコ選手の降参により試合終了だー!決勝戦を制したのは万魔、エドガー選手!皆様、選手達に惜しみない拍手を!》


 歓声と拍手の中、エドガー選手と握手をして、救護員の人に肩を貸してもらいながら舞台を後にする。


 私の足の怪我を治したら表彰式だそうだ。…コレ、折れてないよね?





 2位の私は賞金500万ルビと賞状、3位のヒューマ君は賞金300万ルビと賞状を貰い、王様のお言葉を頂いて表彰式はつつが無く終了した。私は王様を助けた礼を受け取る為に後日お城に招待される事になった。

 今は観客席にいたムニとコマちゃんと合流して借家に帰っているところだ。


「マコさん、お疲れ様でした」

「ヒューマ君もお疲れ様」

『少年は準決勝惜しかったな』

「俺に魔力がもう少し有れば勝てたかもしれませんね」

「…お姉ちゃんの魔術凄かった」

「コマちゃんも訓練していけば出来る様になるよ」

「…頑張る」


 しかし思いの外武闘会は大変だったな。特訓してなかったら予選を抜けられたかも怪しい。

 それにあのオズワルドを止められなかっただろう。それにしてもあの人、何だったんだろう?詳しい話をせずに吹っ飛ばしちゃったからわかんないな。


 コマちゃんが焼き鳥の屋台に目線が釘付けになっているので苦笑しながら立ち寄って晩御飯用に購入する。


「…焼き鳥丼、焼き鳥丼」


 コマちゃんは美味しいものを食べるととても幸せそうにするので見ていて和む。


「それにしてもマコさん、王様に呼ばれて城で謁見なんて緊張しませんか?」

「するする。服装は普段通りで良いって言われたけど、作法とかわかんないし」

「ですよね。王様なんて庶民からしたら雲の上の人ですからね」

「えー、そう聞くと今から緊張してきたよ」


 そんな話をしながら借家に到着。それぞれ荷物を置いてまずはお風呂に入って、そして晩御飯だ。


 丼にするならお米を炊かなくちゃね。この世界に炊飯器なんて物は無いので、蓋のついた鍋で炊き上げます。米をささっと研いで、水をこれぐらいかなーって入れて、吸水させてから魔石コンロにかける。最初は強火で沸騰させて…


 と、そんなこんなでそれなりに上手にご飯が炊けたので、焼き鳥を串から外して皿に並べて、皆んなを呼ぶ。


 ヒムロとサクヤちゃんも帰ってきてたので、今日は豪勢にお魚ツカオ節載せ。私達は焼き鳥丼だ。


「…美味しい!」

「鳥の皮がプニプニしてて美味いですね」

「私はモモかな?食べ応えがあるし」

『ササミとハツも美味いぞ』


 各々好きなお肉をご飯に乗せて舌鼓を打つ。


「ヒューマ君は賞金どうするの?」

「あー、悩んでますね。防具を揃えたい気持ちもあるんですが、背が伸びてサイズが合わなくなったら勿体ないですし」

「なら、防具というよりアクセサリーを買ったらどうかな?特殊効果のついた様な奴」

「成る程。それは良いかも知れませんね。今度探しに行ってみます…そう言うマコさんは賞金何に使うつもりなんですか?」

「どうしようかなぁ?装備は概ね揃ってるし…」

「じゃあ俺と一緒に今度アクセサリー探しでもしましょうよ」

「そうだね、それも良いかもね」

『…それってデートじゃん?』





 大会から5日後、王城からの使者が豪華な馬車でウチにやってきて、今から城に向かう事になった。


「行ってらっしゃいです」

「…気をつけてね」

『土産宜しく!』


 土産って言われても城では売ってないと思うんだけど…とか思いながら馬車に乗ってお城を目指す。

 流石にロイヤルな馬車なだけあって乗り心地は良い。私の馬車と同じくバネがついてる様だ。クッションもあるし、お尻が痛くない。


 暫くしてお城の門前に到着。間近で見ると中々に大きな城だ。


 馬車を降りて、使者の人に連れられて正面の門からお城に入り、控え室に通された。

 順番が来たら謁見ですと、そう言って使者の人はどっか行ってしまった。


 …何というか手持ち無沙汰だ。部屋の入り口の所に侍女らしき人が立ってるけど、用事があるわけでも無いからなんて話しかければ良いかわかんないし。

 そのまま椅子に座ってボーっと待っていると、さっきの使者の人が来た。


「今からレオナード王との謁見となります」


 連れられて控え室を出て、広い城内をカツンカツンと歩く事5分程で謁見の間の大きな扉前に到着。一つ深呼吸して扉を開けてもらう。

 足元から玉座まで赤い絨毯が敷かれていて、左右に剣を掲げた騎士らしき人が10人程直立不動で立っている。

 少し視線を上に向けると玉座には王様が座っていて、その横にはお年を召したローブを着た男性が立っている。

 使者の人が部屋の真ん中辺りまで行って跪くのに合わせて私もついて行って跪く。…跪いた方がいいんだよね?その辺り先に教えといて欲しい…!


「よく来た、マコよ」

「ご無沙汰しております」

「立ち上がって楽な姿勢でいると良い」

「恐れ入ります」


 言われるがまま立ち上がって王様を見る。


「此度のマコの働きによって私の命は救われた。この国の混乱を防いだとも言える。その功績は非常に大きい。マコよ、何を望む?可能な限り応えよう。宝物庫に眠るこの国で最高と名高い杖にするか?それとも貴族となって土地を治めてみるか?私の妻になると言うのもアリだぞ?6番目になってしまうがな、ハハハ!」

「…えっと?」

「陛下、マコ殿が困ってらっしゃいます」

「何、ちょっとした茶目っ気だ。ただ、見目麗しいマコならば我が妻として迎えるのもやぶさかではないと言うのは本当だ。もう一度言おう、可能な限り願いに応えるつもりだ。何でも言ってみると良い」

「それではですね…」


 私は彷徨い人である事、その持ち物であるコスモの鍵を探している事。宝石のついた鍵に心当たりが無いかを王様に聞いた。


「もしかすると1年前に私の玉座に乗っていたあの鍵か?」

「あぁ、あの時の」

「宰相、今あの鍵がどこにあるか分かるか?」

「多分宝物庫に入れてそのままだったと思います」

「マコ、喜べ。その本の鍵はありそうだぞ?ついでに宝物庫の中身で欲しいものが有れば何個か持っていくと良い」

「ありがとうございます!」

「トマス、マコを宝物庫に案内しろ」

「はっ!」


 良かった、鍵は有るっぽい。凄いなトキネさん。感謝だね。





 使者の人改め、トマスさんに宝物庫まで連れて来てもらった。宰相さんも一緒だ。

 様々なアイテムが所狭しと並べられていて、宰相さんが目録を見ながら鍵を探してくれている。


「マコ殿、コレではありませんか?」

「あ!多分そうです!」


 宰相さんが持ってきてくれた鍵は、ミューちゃんがくれた鍵と同じ形をしてて、宝石の色だけ違って青。コレに間違い無さそう。


「早速使わせて貰っても良いですか?本物だと鍵は消えて無くなってしまうんですけど」

「構いませんよ。元々がマコ殿の持ち物の様な物なのでしょうし」

「有難う御座います。では」


 コスモを取り出して鍵穴に鍵を入れて回す。するとカチッという音ともに鍵が光の粒子となって消え、コスモが輝きだした。2回目だけど眩しっ!


「おぉ、コレは何とも幻想的ですな…」


 やがて光が収まると以前よりも表紙が豪華になったコスモが現れた。ページをめくってみる。


”地の鍵 の封印がアンロックされました”

◯魔力伝達率が上昇しました

◯ページ数が増えました

◯鑑定機能が増えました

◯天文術『アトモス』を使用可能になりました

◯天文術『シューティングスター』が強化されました


 青いのに地の鍵なんだ?えーっと?

 魔力伝達率上昇とページ数が増えたのは単純に嬉しいね。どれぐらい強化されたんだろう?

 鑑定機能?どんなのだろう?後で使ってみよう。

 天文術『アトモス』か。どういう魔法だろう?シューティングスターはこれ以上パワーアップすると使いづらい気がするんだけど…


「どうでしたか?マコ殿」

「あ、はい、確かにコスモの鍵でした。パワーアップしたみたいです」

「武闘会で2位だったマコ殿が更に強くなったのですか。宮廷魔術師としてスカウトしたい所です」

「あー、目的があるのでご遠慮しておきます」

「それは至極残念ですな。それはそれとて、他に何か持って行きたい物が有れば言って下さい。王の許可が出ておりますので」

「良いんですか?じゃあちょっと見させて貰いますね?」


 並んでいる凄そうなアイテム達を眺めていくが、タグが付いている訳でも無いのでどれがどんな物なのかいまいち分からない。そういえばさっきコスモが使えるようになった鑑定機能ってこう言う時に使うのかな?

 そこにあった剣を手に取って、早速使ってみる。


「コスモ、『鑑定』」

”聖ミスリルの剣 レアリティ3 祝福がかけられたミスリルを鍛えた剣。魔力伝達率の高いミスリルで出来ている為魔術の触媒としても使用でき、祝福により使用者の体力を少しずつ回復する”


 おおー、コレは良い物だ!宰相さんがコスモを覗き込み、


「なんと…鑑定が出来るとは素晴らしい本ですな」

「ですねぇ」


 でもウチって剣使う人居ないな。コレは戻しておこう。あ、あっちに刀がある。どれどれ…?





「ただいま〜」

「…お姉ちゃんおかえり」

「マコさんどうでした?」

「疲れたよ。主に宝物庫でお土産探すのに」

『お、本当に土産があるのか』

「うん。コマちゃんにはこの短杖。ミスリルとマギタイトで出来ててちょっと重たいけど、魔力伝達率が高くて良い杖だよ」

「…ありがとう」

「ヒューマ君にはこの腕輪。魔石が付いてて、魔力を貯めておく事が出来て、いざと言う時引き出す事ができるみたい」

「凄いですね、俺にピッタリです」

「ムニにはこの刀。銘は夜桜。綺麗だったからコレにした」

『私だけちょっと適当じゃないか?まぁ嬉しいけど』

「…早速明日コレで練習する」

「俺もコレの使い方に慣れないと」

『吸い込まれる様な刀身だな』


それぞれ渡したアイテムを眺めたりして楽しんでる。時間をかけて選んだ甲斐があったと言う物だ。

 今日は疲れたからゆっくり寝て、明日魔術師協会に行って魔力でも測って貰おうかな。

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