私とコスモ
「それじゃあ師匠ー!薄暗くなって来たし今日は帰りますねー!」
「気をつけるのじゃぞ」
「はーい!マコさんもまた明日ですー!」
「はい、お気をつけて」
お話や契約等をしていたら日も暮れてきたのでラザさんは自宅に帰っちゃいました。
ところで心配になってきたこれからの事。
「あの…」
「なんじゃ?」
「私、寝る所とかどうしたら良いんでしょうか?」
「あぁ、そうじゃな、2階に1部屋空いとるからそこで寝泊まりするといい」
「ホントですか?ありがとうございます!」
「こっちじゃ」
…
階段を登り廊下を見るとそこには左右正面と3つの扉がある。
「右が空き部屋じゃ」
右の木の扉を開けるとそこにはベッド、テーブル、椅子、タンス以外には何も置いてないけど、木で内装が作られたなんとも雰囲気のある部屋だった。
「掃除もしてあるからここで泊まるとよかろう。何も無いが、好きにしていいからの。それとコレはランタンじゃ」
と、コトンとテーブルの上に。
「ランタンですか?」
「見たことないかの?日本人は夜とかに明かりを使わんのかの?」
…あ、ここには照明器具がないのか。
現代日本なら蛍光灯とか照明器具がいっぱいあるから頭から抜け落ちてた。このままだと真っ暗になっちゃうもんね。
しかしランタンっていうのも趣があって良いね。
「よし、では夕食の支度をするでの、少しゆっくりとすると良い。下に来てゆっくりしても良いからの」
「はい、分かりました」
そんな感じで部屋を借して貰ったので一安心。取り敢えず椅子に腰掛けて…これから先の事を考えてみよう。
さっきの師弟契約の光は綺麗だったなぁ。あの羽根どこへ行ったんだろ?
しかしどう考えても魔法だよね。この世界には魔法がある、と。教えてもらう事は出来るのかな?手から火が出せたり?
でも私この世界の人じゃ無いからダメかな?まぁダメで元々、後で聞いてみよう。
元の世界に帰る為にはこの本にヒントがあるかもって話をアビラタさんがしてくれたけど、でも開けるページには何にも書いてな…あれ?なんか文章が書かれてる。えーと、
”私はコスモ(仮)、貴女の事をサポートする為に管理者の手によって貴女の持っていた本から創られた魔導書の様な存在です”
んん?さっき見た時には何も書かれて無かったはずなのに…
”驚くのも無理はありません。世界に一冊の貴女だけの本。それが私です”
サラサラっと文章が追加されていく。なんだこの本!?
「も、もしかしてこの本、会話とか出来るのかな?もしもーし?」
”はい、出来ますよ”
うーん、この本、私と会話が出来るらしい。
「じゃあ、質問。魔導書の様なって言ったけど私にも魔法が使えるようになったり?」
”はい、私ことコスモが魔法に関して貴女に出来る事は詠唱短縮の補助と魔力供給です”
ほうほう…?
「詠唱短縮の補助って?」
”ご説明致します。詠唱短縮の補助というのは、先程アビラタ氏がコントラクトの呪文を唱える際、呪文の部分が「〜〜〜」と、ちゃんと聞き取れなかったと思いますが、アレはアビラタ氏が圧縮詠唱をしているんです。で、その詠唱の部分を私を開いた状態で、書かれた呪文を指でなぞり頭で読む、つまり黙読をすれば、普通に口で唱えるよりは早く唱えられる、と言うものです”
「…指で呪文をなぞりながら黙読すると私にも魔法が使えるということでいいかな?」
”はい。あと、魔力供給に関しては単純で、貴女には実は全く魔力がありません。そのかわりに私が魔力供給…肩代わりをする事で魔術が使えるようになる、という解釈をしていただければと”
ふーん、私、魔力無いんだ。なんか残念。まあでもこの本…コスモだっけ?が有ればそんな私にも魔法が使えると。
”ついでに言うとこの世界では、「呪文」を唱えて「魔術」を発する、というのが正しく、「魔法」というのは稀有な才能をもった人物等が、「魔術」を用いずに力を発する様な物の総称となります”
んー。してそもそも魔法や魔術?の事がよく分かって無いからピンと来ないなぁ…魔術が楽に使える?便利っぽい機能が付いてる本って事で一先ずはいいか。
「うーん。ま、いっか。所で管理者って何?誰?」
”管理者についての情報は権限レベルが足りない為お答えできません”
権限レベル?何それ。
”すみません。そろそろ表示できる文字数が限界なので対話終了とします。再起動まで12時間”
「あれ?おーい!」
…止まっちゃったみたい?再起動まで12時間って。
開いたり閉じたり逆さにしたりもっかい開いたりしてみたけど特に変わりなし。
仕方ないので本をパタンと閉じテーブルの上へ。
やる事がなくなった私はゴロンとベッドの上へ。
あー、なんだか疲れたし仮眠しようかな。ふぅ…




