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ヒューマ君の付き添い

「ダメ、ですかね?」

「んー、私は別に良いけど」

「ホントですか!?」

「でも何でついてこようと思ったの?」

「そ、それはぁ、マコさんが…」

「私?」

「そのぉー、そう!マコさんが心配で!それに俺もこの街だけじゃなく色んな所に行ってみたいし!」

「なるほど?でも親御さんとかは良いの?」

「親には12になった時に自由にしていいって言われてます。三男ですし」

「今いくつになるの?」

「14です」


 あー、そっか。この国だと12歳から見習い仕事始めたりするんだっけ。じゃあ別に止める理由は無いね。しかし14歳…身体が小さいからもうちょっと下だと思ってたよ。


「わかった。明後日にこの街を出発するからそれまでに準備してきてくれれば」

「はい!有難うございます!やった!」


 おぉ、喜んでる喜んでる。ん?ちょっと離れた席から視線が…あ、ムニとリューゼさんか。一緒にお店に入ってたのね…なんか2人してニヤニヤしてるけど。なにさ。


 オムライスを食べ終わって一息。ヒューマ君も食べ終わった様なのでこの店を出る。お会計はヒューマ君が払った。元々奢りって話だったしそれほど高くも無いし。

 お店の外に出て伸びをする。くぅ〜っ。


「美味しかったよ、ご馳走さま!」

「はい、良かったです!」

「これからどうするの?ヒューマ君」

「今から探索者協会に登録しに行こうかと思うんですが、マコさんもついて来てくれませんか?」

「私?良いよー」

「有難うございます!」

「うーん、敬語が抜けないねヒューマ君」

「いやー、中々すぐにとは…」



 探索者協会ギバラ支部にやってきた。入り口のドアを開くと私達に複数の目線が刺さる。特に私がじろじろと無遠慮に見られてる。探索者協会に来ると大体こうだから慣れては来たけど、根が臆病で乙女な私はヒューマ君の背中に隠れようとしてみる…ちっちゃいなヒューマ君。私も身体は小さい方だけど、それでも全然隠れられないじゃん。

 ヒューマ君が受付カウンターに歩いて行くのについて行く。私の後に続いてムニとリューゼさんも協会に入ってきた。というかそのまま近づいてきて話しかけてきた。


「なぁ、旅仲間になるならもう隠れる必要ないだろ」

『だろ』

「あー、それもそうだね」

「あれ?この人達は昨日マコさんと一緒にいた…」

「うん、旅の護衛をしてもらってるムニとリューゼさん。登録が終わったら改めて紹介するよ」

「わ、わかりました」


 飛び級試験を受ける事にしたヒューマ君が筆記試験の部屋に行くのを見送って、私達は併設された酒場の席に座って私はジュース、ムニとリューゼさんはビールを飲む。


「ってかまた普通に昼からお酒飲んで…」

「良いじゃ無いか」

『少年の門出祝いという奴で』

「乾杯!」

「その本人居ないし…もぅ、適当だなぁ」


 30分程してヒューマ君が筆記試験の部屋から出てきた。見えない尻尾を振ってこっちに走ってくる。


「マコさん、筆記は合格しました!後は模擬戦だそうで今から行ってきます!」

「うん、頑張ってね。見学しに行くよ」

「見ててくれるんですか!相手ぶっ倒して来ます!」


 気合充分なヒューマ君を応援すべく皆で席を立って訓練場へ向かう。

 今回ヒューマ君の相手をするのは剣士のミュラさん、Cランクだそうだ。木剣と盾を持ってる。私の実技の相手をしてくれたナワイカのグラスさんも盾持ちだったな。戦いにくいんだよね、あれ。対するヒューマ君は木刀だ。ムニと気が合いそうだ。


 両者が位置について受付のおねーさんが始めの合図を出した瞬間ヒューマ君がミュラさんの間合いに飛び込んでいく。中々思い切りがいい。

 速攻を仕掛けたヒューマ君が唐竹に振ると見せかけたフェイントで盾のガードをくぐり抜けてミュラさんの太腿を打とうとするのを木剣で止められる。が、流れるように更に剣側に回り込み、返す木刀でミュラさんを攻め立てる。

 ヒューマくんの攻めが止まったその隙に次はミュラさんが攻める番と言わんばかりに猛攻を掛ける。シールドバッシュで視界を塞ぎつつその隙に刺突を突き入れたり、盾で大きく木刀を弾きその間にお腹目掛けて横薙ぎに振り抜いたりと、私の時のグラスさんと違って遠慮のない攻めを見せるミュラさん。


「そこまでです」


 そんな一進一退な攻防を続けること5分程。ヒューマ君の息が上がり、決定打を取られまいと保守的な動きになった所で受付のおねーさんが終了の合図を出す。

 肩で息をするヒューマ君の肩をミュラさんが叩いて去っていった。


 そのまま受付に戻り、渡されたのはDランクの探索者カード。ヒューマ君、ちょっと納得いかなそうな顔だ。


「そこそこ戦えたからCランクは行けると思ったんですけど」

「私も初めはDランクだったよ」

「そっか。じゃあ順当ですね!」


 納得するの早いな!

 私の後ろでウズウズしてる2人をほっとくのもなんなので、ヒューマ君に紹介する事にした。


「ヒューマ君、こっちの白い小さいのがムニ」

『よろしく少年!』

「で、こっちの大きいムキムキがリューゼさん」

「マコについてくるなら俺達は一緒に旅する仲間だ。宜しくな」

「よろしくお願いします!」

「後、他にもリエルさんとナターリアさん、猫も居るから明後日に纏めて紹介するね」

「猫…?」

「じゃあコレで今日は一先ず解散しましょうか。馬車の受け取りにも行かないとだし。ヒューマ君、明後日の朝に荷物準備して宿に来てくれる?」

「はい、宿の場所はどこですか?」

「青薔薇の宿だよ」

「うわ、高級宿…わかりました」


 こうして現地解散して、ヒューマ君は家に帰り、ムニはまた刀探しに出かけた。リューゼさんは私と一緒に馬車の受け取りに行く事に。

 馬車屋に着くと昨日受付をしてくれた店員さんが対応に出て来てくれた。


「お待ちしておりましたお客様。早速ですが今回整備した箇所について説明させて頂きます。先ず車輪の軸受への注油に…」


 店員さんが整備内容を説明してくれる。車体が新しいのでそれ程手は加えていないそうだ。代金を払い、馬車屋の加盟店で使える割引クーポンを貰い馬と一緒に馬車を受け取った。


「では、良き旅を」

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