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魔女お婆さんと2人っきり

 一先ず魔女のお婆さんについて家の中にお邪魔してみると、日本のそれとは趣が一味も二味も違う内装だった。

 なんて言えばいいか、どっかの民族?って感じの内装で、そこに鍋やらフラスコっぽいものやらが所狭しと並んでる感じで。統一感がないと言うか。


「そこの椅子にでも座んな」


 勧めてくれた椅子に座る。ちょっと心を落ち着けるために深呼吸してみる。すーはー。

 …あのでっかい鍋はなんだろう?人がすっぽり収まるようなサイズ感。魔女なお婆さんの家具としては満点のアイテムなんだけど何する為の物なのか?…私、まさかこの後あの鍋で煮詰められたりしないかな!?


「食べたりしないから心配しなさんな」


 え?考えてること読まれた?読心術?!


「鍋みてそんな表情しとっからさ」


 え?えぇ?本当に読まれてる?


「まぁまぁその鍋から拵えたスープでも飲んで気を落ち着けな」


 と、渡されたスープ…材料は何だろう。何が入ってるか分かんなくてちょっと飲むのに勇気がいるんだけど!あぁ、お婆さんがこっち見てる…!


「毒なんか入っとりゃせんから」


 ひいぃ!読まれた!やっぱり心を読まれてるよー!


 追い詰められた気持ちで恐る恐るスープを口にしてみたところ。味わい深くてとても美味しかった。森歩きの後の疲れた身体をほぐしてくれるというか。何とも生き返る気分だ。


「そのスープは様々な薬草や山菜を組み合わせて作った物でな。食べると元気が出るじゃろ?」


 薬草…?でも、実際に身体が癒されてる不思議な感覚がある…凄いなこのスープ。


「して、彷徨い人を見るのは久し振りじゃな。その風体をみるにまだ来たばかりなんじゃろ?聞きたい事もあるんじゃないかい?」


 彷徨い人?


「えっと、彷徨い人というのは何ですか?」

「世界の壁を越えてやって来た人物の事じゃな」


 世界の壁?…意味がイマイチピンと来ないけど。


「えーと、ここはどこですか?日本ですか?」

「ここは日本ではないのぅ、エスペリアという国の端っこじゃな」


 …日本ではない…日本語通じてるのは何故?それにエスペリア?そんな国あったっけ?


「日本語が通じるのは何故ですか?この…星の名前は?」

「この星の名前は『グランマザー』じゃな。日本語が通じるのはこの世界の標準語が日本語だからじゃ」


 …グランマザー?もはや地球ですら無いの?それに日本じゃないのに日本語が標準語って。


「そうさの、この星は9つの世界が中心の1つの核、『グランマザー』に沿って廻っていて、今いるこの世界は第三世界アースラウンドじゃ」


 …お婆さんの言ってる意味がちょっとよく分からないけど、なんか思ってた以上に知らない、遠い所に来たみたい。


「日本人は稀に見かけるがの」

「稀に見かけるんですか?…所で、お家にはどうやったら帰れますか?」

「はて、彷徨い人はそれぞれ違うキッカケでやってくるのでの、儂にも詳しいことは分からぬが…こちらの世界に来る前に何かあったかの?」


 …なにがあった…?階段から落ちて先輩にぶつかりそうになって…先輩は?


「元の世界の学校の図書室で、階段から落ちてその時に意識を失った後にこっちに来たみたいなんですが、その時一緒に私の先輩もいまして。この最近で私の他に男性の日本人を見かけませんでしたか?」

「残念ながら見かけてないのぅ。実際の所、彷徨い人はどの国に現れるのかバラバラでわからんのじゃ。お主も偶々この付近に流れ着いただけであろうしの」


 …つまり先輩はこの世界にいる可能性もあれば、そもそもこっちに来てない可能性もあるのか。


「そういえばお主が左手に持ってる物は何かの?」

「え?あ、これは本です」

 ディスイズア ブック。今まで本どころじゃ無かったからよく見てなかったけど、コレは階段から落ちる時に最後に手にしてた本。多分。

 表紙を見るとなんか鍵穴らしきもの?が付いている。どういう仕組みか状態か、鍵穴の先は真っ黒で見通せない。どうなってるのコレ?

 ちょっと開いてみる。が、数ページしか開かない。その開いたページは真っ白で何も書かれてない。うーん…


「本に鍵穴があると言うのは珍しいが、その鍵穴は元から付いていたものかの?」


 …この本を取ったと同時に階段から落ちて見てる暇なんてなかったから確かな事は言えないけど、少なくとも図書室に鍵のついた本を置いてあるという事は無いと思う。


「多分付いてなかったと思います」

「ふむ、…何処にあるか分からんが、その鍵を探せば何かしらのヒントが得られるんじゃないかのう?」


 鍵かぁ。うーん、そう言われるとそんな気がしてきたけど、一体何処にあるのか。


「そういえば名前を聞いとらんかったの」


 わわ、初対面の人に名前も答えず喋ってた!


「あ、わ、私の名前はーーマコです…あれ?ーー、えーっと、何だっけ?下の名前は出てくるんだけど…」


 なんでか苗字が思い出せない…頭でも打ったのかな?


「ふむ、マコ、じゃな。儂の名前はアビラタじゃ、ここで薬師のような事をやっとるよ。」


「アビラタさんですね、本当有難う御座います。スープご馳走になったり色々と教えて頂いたりして」

「構わんよ、歳を取ったからか人恋しくてな、話し相手がいてくれて此方が有難いというもんじゃ」



 アビラタさん優しいなぁ。


 所でコレ、元の世界に帰れるのかなぁ…?

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