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師匠の家

「おお、マコじゃないか!」

「ナターリアさん?」


 リビングのソファーにいたのはナワイカの探索者協会であったナターリアさんだ。青い髪の凛々しい女性探索者だ。


「ここ数日アビラタさんに手伝って貰って、使い魔の召喚をしていたんだ」

「良い子を召喚出来ましたか?」

「あぁ、ついさっきな。こいつをみてくれ」


 そう言ってソファーの後ろからナターリアさんが取り上げたのは…黒猫だ!


『クロエって言うよー』


 わー、可愛い!


「よろしくね、クロエちゃん」

『こちらこそ!』

「どうだ?ヒムロに負けじ劣らず可愛いだろう!それに魔法も使えるそうだ。ここに来て良かったよ」

「ふふ、紹介した甲斐があったってもんです」

「ふーん、使い魔かぁ」

「リエルさんも興味が湧きましたか?」

「難しい所ね。ヒムロみたいにご飯の世話だけすれば良いのなら悪くないのだけれど」

「契約する前に条件が合わなければリターンすれば良いんじゃないでしょうか?」

「そうねぇ…ま、今のところはいいわ」

「そうですか」


 そんなこんなお話をしてると師匠が奥からリビングの奥からやってきた。


「それで、どうしたのじゃ?」

「リーモアの街近くの森の奥にドラゴンが出たんです。それで私達にも、街にも対抗手段が無くて困ったので、師匠なら何とかなるかなと思って飛んできた所なんですが…」

「ドラゴンのぅ。サイズと色はどうじゃった?」

「体長は10メートルぐらい。色は赤でした」

「成竜には届かんレッドドラゴンというところかの。意思疎通は出来そうじゃったか?」

「いえ、近づいただけでブレス吐かれて逃げて来ました」


 うーむ、と、師匠は考え込んでる。


「竜の鱗を採取出来るいい機会か…よし、ワシが行こうかのぅ」

「師匠なら何とかなるんですか?」

「まぁ大丈夫じゃろ」


 流石師匠!


「出発は明日にするでの。連れのリエルとやら、寝るところがリビングでもいいなら泊まって行くとよい」

「有難う御座います」

「マコは部屋をそのままにしてあるから少し掃除すれば使える筈じゃ」

「はい、分かりました!」


 まだ明るいうちにブトゥバスの木の枝とラルーの木の細枝を採取してこようっと。


………


シャッ、シャッ、シャッ、ザッザッ。


 うーん、こんな物かな?

 今私はレイちゃんとリエルさんの空飛ぶ箒を作ってる所です。何十本と作っただけあって身体が箒作りを覚えている様で、思ったよりも短時間で2本の箒の形を作ることができました。

 こっから柄に魔術紋様を刻まなきゃ行けないんですが、折角作るので、あの錬金術屋に並んでた箒も参考にして…カリカリ、カリカリコリ…



 っは!熱中し過ぎて時間を忘れていました。もう真夜中。ふぅ〜、コレほど1本1本に手間かけて紋様を刻んだのは初めてです。コレで一度師匠に見てもらって、良ければ特殊なニスを塗り込むとしましょう。


 1階に降りると師匠とリエルさんがお話をしていた。魔術を教えて貰ってるらしい。

 邪魔をするのは忍びないけど、私の作成中の箒の柄を見て貰う為にリエルさんにはちょっと待って貰った。


「これは…ほうほぅ。ワシにも一本作ってくれんかの?」

「師匠は自分で作って下さい」

「ほほ、残念じゃ」

「何か違うの?」

「新しい要素を取り入れてみました」


 従来の空飛ぶ箒とは操作が違うからウケるかどうかは分からないけど。


「取り敢えず合格でいいですか?」

「うむ、魔術紋様のミスも無い。完璧じゃな」


 よーし、後はもうちょいで完成だ!



………



 早めに寝れば良かったって思うこと結構ありますよねー。うー、眠い…

早朝、リエルさんに起こされて顔を洗い、ご飯を頂いた後。


「コレがマコの作った私の箒ね!乗ってみても良いかしら?」「良いですよー」


 ワクワクとした顔でリエルさんが昨日(今日?)完成した箒を手にして外に出て行った。他の皆んなも見学する為に外に出る。

 


「まずは柄に魔力を流して浮いてください」

「分かったわ」


ヒィィィィィィン…と、ゆっくりと浮上していく。ここ迄は普通の箒と同じだ。


「そのままでも普段通りに穂先に向けて魔力を注げば普通に飛べます。で、柄の印がある所に魔力を流してみて下さい」

「えっと、こうかしら?」


ブォン…柄頭からリエルさんに向けて鋭角なウィンドシールドが形成された。


「風の盾?」

「風の抵抗を少なくする為のシールドです。で、ウィンドシールドに隠れる様にして、柄から柄頭の猫のキャップ部分に向けて魔力を流すと加速陣が発動します」


「こうかし…」キュキュィーーィィン!「っぅきゃああぁぁぁ…」


 おぉー。加速陣を使ったリエルさんが想像以上のロケットスタートしたよ。


「なんか凄い加速の仕方をしたね」

「もう見えなくなったよー」

「ワシも乗ってみたいのぅ」



「やっば、めっちゃ速いコレ!」

リエルさんは楽しそうに飛んでいた。

「普通に飛んでも充分速いし、コレで大会とやらに出てみたいわね」

「いつ大会があるんでしょうね?リーモアに帰ったらレイちゃんにでも聞いてみましょうか」


 って、目的を履き違えるところだった。ドラゴンドラゴン。



 今回お勉強としてラザちゃんも付いてくるそうで、4人でリーモアに向かう事になった。

 ナターリアさんは目的を達したのでナワイカの街に帰るそうだ。


「マコ、有難うな!」

「いえいえ、私は紹介しただけですから」

「その紹介のお陰だからな。私もナワイカで箒を買ったらリーモアに向かうから、何かあったら是非頼ってくれ」

「はい、その時は是非」


 ナターリアさんと別れの挨拶をした後、リエルさん、私、師匠、ラザちゃんの4人は箒に跨りリーモアに向けて出発だ。


 うう、またあの空の旅か…

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