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顔合わせ

 訓練場についた私とヒムロは現在特訓中。


「はっ!」

 横凪ぎにロッドを振る!が爪で止められる。

『主よ』

 バックステップで肉球パンチを回避!

「何?」

『見られてるな』 


 確かに訓練場にいる他の探索者の視線を感じる。


「…ふぅ。そりゃでっかい猫がいたら注目するでしょ」


 だってヒムロは高さ3メートルぐらいの巨体なのだ。嫌でも目に入る。


「せめて1メートルぐらいに大きさ調整出来ないの?」

『出来ない事はないぞ。だか大きい方が戦いやすいのだ』

「えー、ちょっとやってみてよヒムロ」

『仕方ないな…』


 少しずつ小さくなるヒムロ。いつも思うけどなんだか風船みたい。


『このぐらいか?』

「いい感じいい感じ」


 小さくなってサイズはライオンぐらい。いや、このしなやかさを考えたらチーターって感じかな?


「いよーっし、続き〜」

『掛かってくるがいい』


 小さくなっても余裕綽々なヒムロ。どうせ私じゃ傷一つつけられないですよーだ!



………



 暫くドタバタとヒムロと戯れて疲れたので休憩していた時。


「あのー…」

「はい?」


 誰か話しかけてきた。振り返ってみると金髪で白い法衣を着た可愛らしい女の子がいて、その後ろに胸鎧をつけた軽戦士風の茶髪の男の子を連れている。


「マコさん…ですか?」

「はい、そうですが」

「やっぱり。私、今回マコさんの護衛依頼を受注予定のエルザって言います」

「あ、エルザさんですね、聞き及んでおります」


と、すると後ろの男の子は…


「俺はミケイだ」


 と、素っ気ない態度でヒムロの方を見ている。


「すみません、ちょっとそちらの使い魔さんが気になる様で…ほら、ミケイ君。ちゃんとあいさつしなきゃ」

「なぁ、噂になってるけど、その使い魔はそんなに強いのか?それにもっとデカいって聞いたんだけど」

「ミケイ君ってば!」


 ミケイ君ってばエルザちゃん怒ってるよー。

 ミケイ君はでっかいヒムロをご所望と。


「ヒムロ、でっかくなったげて」

『使い魔使いの荒い主だ…』


ニャオォーーーーン!

「おぉー!」「きゃぁ!」


高さ3メートル程に大きくなったヒムロがミケイ君を睥睨する。なんか喜んでるミケイ君とびっくりしてその背中に隠れるエルザちゃん。


「でっけぇ!な、なぁヒムロ、俺と手合わせしてくれよ」

『主よ、こう言ってるがどうする?』


 まぁ、別に良いんだけど。この姿のヒムロをみてビビるどころか目を輝かせて勝負を挑むとは肝が座ってるというかなんというか。


「大怪我しない様に気をつけてね」

「やった!行こうぜヒムロ!」


 ヒムロとミケイ君は連れ立って少し離れた所へ行って試合を始めた。


「なんだかすみませんマコさん」

「いいですよ。気にしてないですから」


 いやいや、謝られる程の事じゃない。とエルザちゃんに手を振る。別に私が戦う訳じゃないしね。


「所でマコさんはどうしてキョットーへ?」

「えーっと、情報が集まりそうな所へ行きたくて。で、国の中心なら集まるかなーと」

「情報ですか?」

「この本の鍵がどこにあるか知りたくて」

「そうなんですか。鍵が付いてるなんて変わった本ですね」



「エルザちゃんはミケイ君と同郷なんだって?」

「そうです。ヤコ村で一緒に育ったんです」

「どうなの?ミケイ君とは?」

「え?いや!私達そんな間柄じゃなくて!」

「即座に否定する所があやしーなー」

「揶揄わないで下さいよマコさん!」


 ヒムロ達が激戦?を繰り広げるのをを眺めながらたわいもないお話をして。歳が近いから話しやすくって良いな。確かミケイ君が14歳でエルザちゃんが13歳。うーん。青春。

 あ、ミケイ君がヒムロの肉球でたしっ!てされた。ジタバタしてるけど抜け出せないみたい。



「おーい!」


 ん?あれは受付のおじさん?


「依頼受注した奴連れて来たぞ」

「わ、有難うございます」


 残りの2人を連れてきてくれたようだ。

「それぞれ自己紹介してくれ」と受付のおじさん。


「俺はリューゼだ」

リューゼさんは赤茶色の髪の筋骨隆々としたマッチョマンで頼れる兄貴!といった感じ。重たそうな大きな剣を背負ってる。


「私はリエルよ。宜しくね」

透き通るような蜂蜜ブロンド。すらりとしなやかな身体付きの美人さん。大きな魔石の付いた杖を持ち、青色のローブを着ている。


「私は依頼主のマコと申します、宜しくお願いします」

「エルザです。あっちでマコさんの使い魔さんに足蹴にされてるのがミケイです。」


「自己紹介は済んだか?じゃあ後はお前らで話し合ってアレコレ決めてくれ。俺は受付に戻るからな」

 

 受付のおじさんはそう言って戻っていった。


「えーっと…」

 どうしようかなと考えてたらリューゼさんが手を挙げた。どうぞどうぞ。


「俺もあの使い魔と戦わせてもらってもいいか?」


 と、うずうずしてる。資料の一言にも書いてたね。しかしヒムロ大人気だなー。


「私は良いですよ。直接ヒムロに言ってみてください」

「分かった」


 リューゼさんはヒムロの側に行ってしまった。代わりにミケイ君が帰ってきた。


「ヒムロはすげーな!あんなにデカいのに素早くって、一撃も当てられなかったぞ!」


 なんか興奮してる。そう言って再びヒムロ達の近くへ行って観戦しはじめた。まぁ喜んでもらえて何よりだけど。


「私も挑戦してみようかしら?」


 話を聞いていたリエルさんまでそんな事を言い出す始末。これ、そう言う場じゃないから!

 まぁでも護衛としての能力を見るに丁度良いと思えば…


 ヒムロとリューゼさんは…やってるやってる。流石、協会も誉める探索者なだけあって強いな。あの剣重そうなのに軽々と振り回してヒムロの猫パンチや尻尾アタックを上手くいなしたり攻撃したりしてる。


「いい戦いをしてるわね」

 リエルさんは観戦モードだ。


「あんなに激しく…怪我しないか心配です」

 エルザちゃんは心配してくれてる。

 このままヒムロ達を眺めててもいいけど、まだ時間掛かりそうだし…話しかけてみるか。


「リエルさんはキョットー出身だと聞いたのですが、キョットーはどんな所ですか?」

「そうね、国の中心なだけあってまず人が多いわね。建物も大きいのが多いし、王様の住む城もあるわ。地方から物が集まるから品物も豊富ね」

 ふむふむ。

「貴女は何をしにキョットーへ行くのかしら?」

「えっとですね…」


 エルザちゃんにしたのと同じ説明をした。


「鍵ねぇ。私は流石に分からないけど、キョットーにいる占い師がそういう探し物が得意だって言ってたわね。確か彷徨い人らしいわ」


 おー、有益な情報だ!占い師か。しかも彷徨い人という事は日本人かも!?

 タロットを使ったり、水晶とかに手をかざしちゃったりして?キョットー行ったら絶対会おう!


「占いですか。私も占って貰いたいなぁ」

 と、エルザちゃんが小さく呟く。

「何を占って貰いたいの?」

 リエルさんが聞くとなんか顔真っ赤になった。

「いゃ、ぇと、ぁの…恋の行方を…」

「えー、何この子可愛いー!相手は?」

「ぃゃ、ちょっと大きな声は…聞こえちゃう…」

「ミケイ君?ミケイ君なのね?ミケイくーん!」

「あー!ダメですってダメー!」



 …もうこの4人で決まりで良いかな…別に問題なさそうだし。


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