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護衛依頼

 模擬戦が終わったのでカウンターまで行き、一通りの説明を受けた後に探索者カードを発行して貰った。初めからDランク。一端の探索者と名乗れるランクだ。まぁそれもヒムロの力のおかげだけど。私一人じゃ精々Eランクだっただろうな。


 「それで、依頼って事だったよな?どんな依頼なんだ?なんかの素材集めとかか?」


 受付のおじさんが問うてくる。


「この国の首都、キョットーに行きたいと思っているので、一緒に行ってくれる方を探したいと思ってます」

「キョットーか。だがここの連中はそれほど遠出しないと思うが」

「リーモアとかタキア、ロテーク迄でも良いんです。またそこで依頼を出しますから」


 ロテークはタキアの南東に位置する街だ。


「あぁ、それなら依頼料次第で受けてくれる奴も居るだろう。種類は護衛依頼になるか。じゃあこの用紙に条件とかを記入してくれ」


 と、渡された紙にサラサラと書いていく。内容は…


ーーーーーーーー

依頼人 マコ(魔術師、人族)


種類 護衛依頼


依頼内容

 キョットーへ向かいたい為、道中一緒に行ってくれる方を募集しております。途中の街迄でも構いません

 最低でもリーモアの街までお願いできる方を求めます

 詳細は面談にて。毎日昼頃に協会に顔を出しますのでその時に面談致します。

 3〜4人集まったら受付を終了します。


期間 目的地、又は目標とする街に着くまで


条件 Eランク以上


金額 1人1日1万ルビ 馬車等の旅費は依頼者持ち

ーーーーーーーー


 こんな所かな?とおじさんに渡す。


「んー、これなら移動のついでにと受ける奴も居るだろうな。じゃあコレを掲示板に貼っつけておくぞ?」

「はい、お願いします」


 そうして話も終わり、今日のところは手持ち無沙汰になった。他の依頼がどんなのがあるか見てみようかな?



 掲示板を眺めてみると色んな依頼がある。薬草採取、魔物討伐、街中清掃、ペット探し…


 探索者ってこんなのもやるんだ、と思いながら眺めてると、一つの依頼が目に入った。


ーーーーーーーー

依頼人 探索者協会


種類 討伐依頼


期間 無期限


依頼内容

 ホワイトパンサーの数が増えてきている。街周辺の治安の為にも腕に自信がある者に討伐を依頼したい。素材を持って帰れば追加報酬を支払う。

※この依頼表は剥がさずに受付に声を掛ける事


条件 ソロランクC以上推奨 パーティランクD以上推奨


金額 成体1体で200万ルビ 素材は状態による

ーーーーーーーー


 おぉー、200万とは中々な金額。ヒムロと一緒になら討伐しに行ってもいいかもと思える額だなぁ。毛皮や牙も高く売れるらしいし。とはいえ運ぶには荷車を用意する必要があるから一人だとなぁ。

 あ、ソロだとランクC以上って書いてある。私受けれないや。

 でも増えてるって事は道中ばったり出会ったとしてもおかしくないし、万が一って事もある。やっぱり人は集めておくべきだね。


 この掲示板は難易度が高いもの程上に貼られる傾向にあるらしい。さっきのホワイトパンサーの依頼は一番上、つまりはそれ以上の難易度の依頼は今この協会には無いということになる。

 国の最北の街、言ってしまえば田舎だしそんな物なのかな?


 

「ねぇ、君」

「っ!…はい?」


 突然後ろから話しかけられちょっとびっくりした。

 振り返ってみると青い髪の戦士風の装備を着た女性の探索者だ。

 


「はは、急に声掛けてごめんごめん。さっきの模擬戦観てたよ」

「あ、そうなんですか?」


 模擬戦の時周りに居た観客の1人らしい。


「グラスさん相手に1本取るなんて凄いね」

「いえいえ、1本取れたのは使い魔のお陰です。その後の一戦は一撃も当てれませんでしたし」

 肩に乗ったヒムロを撫でる。ゴロゴロ…


「いや、棍術も中々のものだったよ。とても初登録の魔術師とは思えない良い動きだった」

「有難う御座います。師匠の教えの賜物です」


 褒められてちょっとむず痒い。


「所で聞きたいのはその使い魔の事なんだけど…どうやってそんな強い使い魔を召喚したんだい?」


 成る程、私の使い魔に興味をお持ちになられたんですね。なんせ可愛いし、強いし。自分も使役したいと思うのは仕方ないと言う奴です。

 ただ、私は猫を狙いはしたけど、ヒムロを直接狙い撃ちしたわけじゃないからなぁ。


「一般的な使い魔の召喚と方法は変わりませんよ。供物は猫の好きそうな物にしましたが」

「成る程、偶々なのか…」

「はい、すみませんお役に立てなくて。もしそれでも召喚されるのであれば私の師匠、アビラタさんを訪ねてみると良いですよ。色々魔術具を持ってますし、手順とかも丁寧に教えてくれると思います」

「そうか、今度チャレンジしてみるとするよ。もし強くなくても君の使い魔みたいに可愛い子が来てくれれば嬉しいし」

「良い子が来てくれるといいですね」

「私も猫狙いにしようかなぁ…あ、今更ながらだが、私の名前はナターリアだ」

「私はマコって言います」

「マコだな、覚えておくよ。ではまた会おう」


 笑顔で手を振ってお別れした。明るくて話しやすい人だったな。ナターリアさんみたいな人が護衛についてくれると良いなぁ。


………


 …これ以上見るものも特にないのでそろそろ協会を出ようかな?


ギィー、バタン。


 探索者協会を出る。春の柔らかな日差しが暖かく心地よい。ぐぅーっと伸びをして身体をほぐしてみる。

 そういえば探索者協会は絡まれるってラザちゃん言ってたのに特にそんな事も無かったな。


『コレからどうするのだ?』

「どうしようかな?」

 そうだ、魔術師協会のクレアさんに顔出しとこう。旅に出るし挨拶しとかなきゃね。


………


カランコロンカラン…


「お邪魔しまーす」

「あら、マコちゃんにヒムロちゃん、いらっしゃーい」


 にこやかに話しかけてくれるクレアさん。


「今日はどうしたのかしら?依頼を探しに来たの?」


 魔術師協会では回復薬やマジックアイテム等の納品、協会の書庫の整理手伝い、掃除に至るまで私の受けられる範囲で様々な依頼をこなしてきた。錬金術や魔術の経験を積むのとお金稼ぎの為に。

 頻繁に依頼を受けていくため、最近は私向きの依頼を構えてくれてたりするぐらい。

 でも今日は依頼を受けに来た訳じゃない。


「えっと、近日中に旅に出る事にしまして、お別れの挨拶をと」

「あら、出掛けちゃうの?寂しくなっちゃうわね。また帰って来るのかしら?」

「うーん、わかりません。そのまま元の世界に戻れるかも知れませんし」


 いつ帰れるか分からない旅をするのだ。もしかしたら一度ここへ帰って来るかも知れないけど、確かな事は言えない。


「そうなのね〜。あ、そうだ、ちょっと待っててね〜」


 と、そう言ってクレアさんはカウンター奥の扉に入って行ってしまった。何しにいったんだろ?



 数分程でクレアさんは戻ってきた。何か持ってるけど、あれは…


「はい、マコちゃんは今日から中級魔術師です」

 

 と、手渡された物は銀色のカード。中級魔術師の証明になる物だ。でもどうして急に?


「マコちゃんは色んな依頼を受けてくれてたでしょ〜?それで実績評価的にもう中級に上げても良いんじゃないかって話になっててね?でも街単位なのよ、評価って。だから今上げとかないと新しい街だとまた一からになっちゃうから、この機会に、と思ってね〜」

「成る程、有難うございます」


 カードには名前と性別、会員ナンバー、魔術師協会のマークが打刻されてる。こういうの貰えるとちょっと嬉しい。

 そしてこのカードが有れば今迄は見れなかった魔術書や論文とかも閲覧出来たりしちゃうのだ。

 その後は世間話を少しして…


「…それでは今迄色々とお世話になりました」

「いえいえ〜、これからも魔術師協会をご贔屓に。もし帰ってきたら顔を出してね〜」

「はい。クレアさんもお元気で」


カランコロンカラン…


 態々入口まで来て手を振って見送ってくれるクレアさんに手を振り返し、魔術師協会を後にする。


 さて、後はちょっと街をブラブラしてから宿に戻ってお風呂でも入ろっと。

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