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お怒りラザちゃん

 襲撃して来た3人を連れて師匠の家に戻ってきた。玄関口には師匠が立っていて、コチラの様子を伺っている。


「師匠、只今帰りました」

「うむ、ラザが襲われたと聞いたので心配しておったが、無事な様で何よりじゃ。して、後ろの3人は?」

「私を襲った人達です。殺してしまうのは忍びないので、二度とこんなことしないと師匠に契約して貰おうと思って」


「…まぁ良かろう。では中に入ると良いの」


 師匠に許可を貰ってリビングに3人を通す。そこにはラザちゃんも居た。


「ラザちゃんただいまー」

「マコっちお帰りー!どうだった?怪我はしてない?って、後ろの3人は?」


 師匠にしたのと同じ説明をした。


「あー。マコっち優しー。私加減せずに燃やしちゃったよー」

「燃や…私には中々難しくって」


 この世界ではそう言う物と前聞いた事がある。私みたいに殺さずになんて言って、負けでもしたらそこでジ・エンドだ。手加減する理由はない。


「何にせよマコっちが無事で良かったー」

「うん、心配してくれてありがとう」


 2人で無事を確かめ合ってほっこり。


「あの…」

 襲撃者のうちの魔術師の人が話しかけてきた。


「不老長寿の薬のレシピを教えてもらう事は…」「はぁー!?」


 ラザちゃんが勢い良く立ち上がる!

「ねぇ、何様のつもりですかー?私達を襲ったにも関わらず命を見逃して貰ってる癖に良くも図々しく聞けたもんですよー!」

「ラ、ラザちゃん…」

「マコっちはマコっちで優しすぎなんです!捕まった場合どうなってたか理解してるんですかー!?」

「あ、うん、そうなんだけど…」

「テメー達表出ろー!私が相手してそっちが勝ったら話を聞いてやりますよー!」


 話を聞くのは師匠では?と思ったがラザちゃんがこうなったらもう止まるまい。師匠も苦笑いしてる。



 表へ出た。


 対峙するのはラザちゃんと襲撃者3人組だ。

 ルールとして1対3、ちょっと離れた場所から開始、使い魔は無し、命を奪うのは無し(いざと言う時は師匠がなんとかしてくれるとの事)、その為全員武器は木の棒。


 どちらかというとラザちゃん不利のルールだ。手加減もしなきゃならないし、相手に魔術師がいるから多少離れている事のアドバンテージはあって無いもの。そんな中、ラザちゃんは不敵に笑っている。


「じゃあ始めるですよー!」

「うむ、では開始じゃ」


 師匠の開始の合図で皆が動き始める。


「〜〜、〜〜〜…」

「お前は防御魔術を!散開!」

「溢れるは大いなる恵み…」


 ラザちゃんが圧縮呪文を唱えはじめ、それを見た戦士の1人が号令を掛け2手に分かれる。

 魔術師はそのまま動かず、呪文を唱えながらラザちゃんの動向を探っている。


「〜〜〜、フレイムランス!」


「御身が水で遮りたまえ、ウォーターウォール!」


ゴォォッッン!バシャァァァン!!


 おぉー、ラザちゃんの炎槍を水壁の魔術で相殺した。あの魔術師の人もやるなぁ。しかしラザちゃん手加減とか考えてないのかな?フレイムランスとか直撃すれば一撃で燃え尽きてもおかしくないんだけど…


「貰ったぁ!」「よっとー!」


カァン!カン!


 横から強襲をかけた戦士達の攻撃をスレスレで避けたり受け流したり。かなりのアクロバットな動きもしてる。


「はっ、こんなもんですか!〜〜〜、ストーンパレット!」

ドドッ、ヒュドン!

「な、うぐぅっ!」


 接近していた戦士の1人の腹に岩弾の魔術が直撃、その場にうずくまる。その首に木の棒を当てて、「まず1人ー!」と、死亡宣告。


「…敵を穿ち、燃え上がれ!ファイアボール!」


ゴゥッ!ヒュゥゥゥゥウ!


「おっとー!そんなへなちょこな魔術、当たりませんよー!」


 魔術師が放った火の玉をラザちゃんはさらっと避ける。後ろで爆発した火球の爆風受けるかの様にもう一人の戦士の懐に急接近する。


カカン、カァァン!


「ほっ、はいもう1人ー」

「くっ、くそっ!」

 もう1人の戦士も武器を弾き飛ばされ首にトン。死亡扱いだ。


 ラザちゃんは魔術師に近寄って行って木の棒を軽く構える。


「…降参だ」

「そうですかー。諦めますー?」

「…あぁ」


………


 襲撃者の3人は「アビラタ、又はその弟子達に二度と襲い掛かったりしません」等と言った事を契約魔術で縛った。3人掛かりでラザ ちゃん一人に負けた事で意気消沈したのか、トボトボと帰って行った。


「マコっちー!特訓しよー!マコっちはもっと鍛えるべきー!」

「ぇえ?今から?」

「当たり前ですー!あんな奴らがまた襲い掛かって来ないとも限らないし、ヒムロがいない時に急に襲われたら大変だよー!?」


 と言って私を庭に引っ張ってくラザちゃん。確かにそうなんだけど、ちょっと休ませて欲しいなって思ったり。

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