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「畦、ハゼ、風」
畦道でハゼが跳ねている
それは強い「生きたい」という衝動
醜く思えるほどの「生」への執着
その光景からまさに私は
風を感じたのであります
それは命の動きからもたらされたもの
躍動した反動で出た砂埃と混ざって
私の喉の奥の方を確実に刺激していった
畦道でハゼがまだ跳ねている
しかしその動きはやがて収まっていく
潔さすら抱くほどの「死」への受容
止まった身体からまたしても私は
風を感じたのであります
それは命の跡を掠って吹いてきたもの
遠くから乗ってきた砂埃と混ざって
私の目元も確実に刺激していった
畦でハゼ、跳ねて
吹いた風
それはハゼのもたらした風?
それとも遠く向こうから訪れた風?




