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深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第4章 少女は学園で無双する
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第17話 27層攻略中!

私達の探索はきわめて順調だ。

今探索しているところは27層。


私も盾と片手槍のスタイルにだいぶ慣れてきた。

盾はなんだかんだでそんなに重くない。


トレントの枝は思ったより軽くて、その上に張った魔鉄も思ったより重量を感じない。

ベルレットさんに聞くとそういう風に処理したんだって。

私が触ってない間に色々といじくっていたのだ。むう。ずっこい。



武器は軽いだけじゃダメで重量を必要とするときもあるけど、盾は特別な時を除いて軽い方がいいからって軽量化したらしい。

私のスタイルならどうせ盾をたたきつけるような状況ならもっと他の事するだろって言ってた。


ベルレットさんに型を習ったり模擬戦をしてみたりしているうちに言っている意味が分かった。

私の体じゃシールドバッシュはあんまり効果が無いのだ。


体が軽くて力が弱いから体ごと盾を叩きつけても衝撃は少なく、盾だけ重くすれば盾に振り回される。

だから今の私に合う盾の使い方はドッシリ受け止める事ではなく、受け流し、隙を作ること。

そして魔法で牽制すること。


思えば槍だって同じことだ。

特に意識したことは無かったけど、振り回して吹き飛ばしたり、頭上から叩きつけて重量で抑えるといった事よりも突いたり切ったりというほうに重点を置いている。


盾だって同じだ。

重い攻撃をまともに受け止めようとすれば押されて倒されたりするだろう。

それよりは魔法で落とし穴を作って止めるとか、そういう事が優先される。

あれ?じゃあ盾いらない?のか?



「色々考えたら盾あんまり使わないかもって思ってきた」


「突然何を言い始めるのかと思ったら……私はアーシャ様が盾を持ち始めてから安心感がありますよ」


「そう?ならいいんだけど。」


「パーティーの壁としての安心感が増したという事は勿論ですが、アーシャ様自身をその盾が守ってくれているようにも思います。私としてはアーシャ様に傷がつくということが一番恐ろしいですから」



そんなに気にしなくってもいいのに。少々傷がついたってどうって事ないのにねー



「そうだね。今までは特に問題なく来ていたが、なんだかモンスターはいつもより多く出現している気がする。何かの前兆かもしれないし、警戒するに越したことは無いよ」


「そうですね。油断は禁物ですね」



部長と副部長は慎重だなあ。


まあ実際のところこの近辺の階層はかなり厳しくなってきている。

ここの階層に出現するのはトロールとデビルコングにブリザードホーク。


トロールは大きくて再生能力を持つ人型モンスター。

力がかなり強く、動きは遅いが攻撃力と防御力が高いモンスターだ。

デビルコングはこれも物理攻撃力が高い。岩を投げてきたりするので遠近共に要注意だね。

ブリザードホークは上空から氷りつくようなブレスをはいてくる。


コイツらが混合で来ると、力の強い人型モンスターに気をとられていると上からブレスを食らい、飛行モンスターに注意を向けると人型に殴られる。

そういう危なっかしい階層だ。流石に階層が進むに連れどんどん厳しくなるなあ。



(モンスターが来たプル)


「油断は禁物……って言った端からモンスターだって」


「プリンちゃんは優秀ねえ。シロも負けてらんないわよ」


(ぷる~♪)


(がう!)


エルリーシャさんに褒められてプリンちゃんはご機嫌だ。

反対に発破をかけられた形のシロちゃんはなんと言うか闘志に燃えている様子。


そして現れたのはトロール1体とブリザードホークが2体


部長と私が前に出る。

部長がまずは『タウント』のスキルでトロールとブリザードホークの目を部長自身に向ける。

そして私が部長の方に向かっているトロールに横からファイアボルトを打ち込み、槍でお腹を薙ぎ払ってタゲを取る。タゲを取るって言うのはこっちを狙わせるって意味だね。


そして私のほうには再生しながら進んでくるトロール。殴ってくるけどまともには付き合わない。

交わし、盾を使って受け流す。盾の扱いにもずいぶんと慣れた。そして関節を狙って槍を穿つ。でも膝が壊れて止まってもすぐに再生してくる。これが嫌なんだよなあ。


魔法で焼いても、凍らせても、電撃をあてても、すぐに再生を始めて割りとどうにもならない。どうすればこのトロールを効率的に落とせるのか。


そう考えながらもひたすら攻撃を捌く。私が考えないといけないことはダメージを食らわずにこいつを留めておく事。そうすればあっちの鳥は勝手に処理してくれる。


カリナの矢とシロちゃんのブレス、副部長の魔法攻撃にエルリーシャさんのサブウェポンであるパチンコ弾と遠距離攻撃をモリモリ食らってブリザードホークはどんどん弱っていく。

でもいくら殴られても後衛の方には向かない。

部長はしっかりとタゲを取っているのだ。


結構被弾しているようにも見えるけど……大丈夫だ。多分。



「ヒール!」



ちゃんと回復もしてるみたいだし大丈夫。

あっちはほっとこ。あれだけ居てピンチになる事はないだろう。抹茶も一応待機してるしね。


それよりこっちだ。

トロールは切っても突いても焼いても再生する。

こいつを倒すには何回も何回もひたすら攻撃して砕いて壊して。トロールの魔力が切れるまで破壊し続ける方法しか私は知らない。


だから壊す。砕く。燃やして刻んで凍らせて。

普通のイキモノなら何回殺したかわからない。それでもまだ壊す。

壊す壊す壊す。焼く焼く焼く。崩す崩す崩す。

死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね。


なんだかハイになってきた。

楽しくなってきたぞーい!ひゃっはーい!



「どらどらどらどらどらああああああ!」



おらおらあああ死ねええええい!

死ね死ね!ワハハハハ!



「アーシャ様。もう終わってますよ」


「ワハハ…ふあ!?ああほんとだ。」


「もう最後の方に刻んでいたあたりで終わっていましたよ」


「そうだっけ?もう嫌になってさあ。」


「その割には楽しそうでした。ああいうお顔も素晴らしいかと。」


「そうか……なあ?」


なんだか変なテンションになってついやりすぎた。あーつかれた。


やっとダンジョン探索シーン。何だか学園編はメインストーリーが進みません。


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