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深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第4章 少女は学園で無双する
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第16話 トレインMPK未遂事件

学園生活にも馴染んできた。と言っても大したことはしていない。


授業はあんまり目新しいことはないけど、選択授業で選んだ結界術と封印術は興味深い。

私は以前は結界と封印は似たようなものだと思っていた。枠を作ってその中に自分を入れるか、敵対するものを入れるかの差しかないんじゃないの?と思っていたのだ。


でも実際は発動する時間や効果の継続する時間、スイッチのON・OFFの切り替えなんかで結構違う。そして結界を極めると相手の攻撃を防いで、自分の攻撃だけは外に出すというズルができちゃう。


そんなの滅茶苦茶ひどいじゃないか。

ズルいじゃないか!と思ったけどそういうことが出来ちゃう結界はあんまり耐久力がないとか。じゃあ意味ないじゃん?


シエラ先生に聞くとそれでも弱いモンスターは防げるから意味無くもないと。

でもそういうのって結界あるから楽勝じゃん。って油断してる時に強いのが来るってパターンだよね。




―――んで、そういう状況に陥ったパーティーが、まさに今、私の目の前にいます。



えーっと名前はサッパリわからないけど、ダンジョン部の2年生の先輩のいるパーティーだ。

男3人のパーティーなんだけど、名前がさっぱり思い出せないなあ。


初めてダンジョンに潜ってからいろいろあって、私達はダンジョンに自由に進入できるようになった。

ただし、入る前にメンバーの申告をする事だけが条件だ。


部長と副部長は会議が有ってこれないっていうことなので、今日のメンバーは私とカリナとエルリーシャさん。それにプリンちゃんに聖属性のスライムだ。エルリーシャさんのお母様のイルリーシャ様からもらった鱗でチョーかっこよく成長したのだ。


名前は悩んだ結果、『トーフ』になった。


ママに白い食べ物って何があるって聞いたら、牛乳って答えが返ってきたからそれ以外で!って聞いたらお米うどん豆腐お餅……っていっぱい挙げてもらった中にあったのがトーフなのだ。


白くて四角だったり丸かったり、何かの形になっていたり。自由自在に変形できるんだって!

きっとかっこよくっておいしい食べ物なんだろうなあ。



そのメンバーとイルリーシャさんのドラゴンのシロちゃんと一緒にダンジョンを探索。


部長たちと一緒に行くときは、もう27階層まで進んでるんだけど、今回はノンビリと10階層のボスと戦って連携の練習をする予定だったのだ。

プリンちゃんとトーフちゃんとシロちゃん、3匹のペットたちの連携の練習を。



でも、そう思っていた所で出くわしたのが、結界を破られて大量のモンスターに追いかけられている2年生の……2年生の……??

ダメだ名前はわかんない。スラちゃんたちの名前はすぐに覚えられるのに。


でもトーフに近かったような?ト?ド…ドー?



「アレは2年生のエドガー先輩ですよ、アーシャ様」


「そ、そうね!困ってるみたいだから助けてあげましょう。」



おしい!『エ』が出てきたらたぶん思い出せてた。いやあ残念無念。

ちなみにあとの2人も当然のことだけど一文字も思い出せないよ。

まあいいか。数も多いしさくっと処理しよう。



「うーん、ちょっと多いな。フレアストーム!」


「ちょっと火力強すぎじゃないですか?」


「そーかもね。まあ残り片付けてらっしゃーい」


((プル!))

(ガウ!)



イルリーシャさんと色々情報交換をして、固有魔法の事なんかも色々と教えてもらった。

そうして自分の独自の空間を作る固有スキル『フェアリーパラダイス』を再現できるようになったのだ。


と言っても私が作れるのはごく小さい規模で、楽園パラダイスというよりは大き目のウサギ小屋って感じだけど。

エルリーシャ先輩と仲良くしているうちに、シロちゃんともなんとなく話が通じるようになった。


そして今はその教えてもらった空間、プリンちゃん命名の『アーシャパラダイス』で抹茶もミルクも育成中のスライムちゃんたちも遊んでいる。


そして表に出てきているプリンちゃんとトーフは魔法はぶっ放すわ爆発は起こしまくるわで大暴れ。ベビードラゴンのシロもさすがに竜種だ。ブレスを吐いて、爪でなぎ払って。強い強い!


10層にいるモンスターはオークと武器を持ったゴブリン、ホブゴブリンなんだけど、まーったく問題なく蹴散らしていた。


戦闘が終わった後、エルリーシャさんがモンスターに追われていた生徒に質問と言うか尋問を始める。



「それで、何で追われていたんですの?まあ予想は付きますが」


「いやあ、結界魔法を試しているうちにね、どれだけのモンスターを集めて結界を維持できるかの実験をしていたのだよ。そうしているうちに物音に反応して次から次へと。」


「はあ。」


「最初は数を数えて余裕だなーと思っていたのだ。だが100を越えたあたりから結界が撓みはじめて……後はご覧の通り。いやあ、弱くても数がそろえば大変なことになるとよく分かった」


「アレは危なかった」

「今後は半分くらいまでにしておこう。ワッハッハ」



うん。戦いは数だからね。

弱くっても囲まれて押しつぶされると言うのはよくある話だ。

特に犬系だったり人型のモンスターはそういう傾向があるからなあ。


ダンジョンに潜り始めてしばらくたつけど、ここのモンスターは全体にユグ裏より数が多い。

だから余計に集まりやすかったのはあるだろう。それはわかるんだけどさー。


あんなに集めて走り回って、いったいこの先輩たちはどう処理するつもりだったんだろう。

さっきのアレは私達が倒せないとママ語でいうところのトレインからのMPKだ。


モンスターをいっぱい連れまわして、冒険者をモンスターに轢き殺させるという意味らしい。

ああ恐ろしい。



「とりあえずシエラ先生に報告します。トレインからのMPK未遂って言っておきますね」


「トレイン…?えむぴーけ?」



ああ、通じないか。やっぱり一般的な言葉じゃなかったんだ。

まあいいや。あるがままのことを報告して怒っておいてもらおう。



3人組はたまたまダンジョンに来ていた学園長先生に見つかり、さらに責任者としてシエラ先生も呼ばれてメチャメチャ怒られていた。

シエラ先生まで監督不行き届きとかで学園長先生に怒られちゃったのだ。かわいそうに


そして3人組はMPK未遂犯として、しばらくダンジョンに出入り禁止になった。

まあこのくらいの罰で済むなら軽いもんじゃないかな。

別にタイトルに深い意味はありません。

コナンとか金田一っぽいタイトルつけてみよっかなと思っただけですので


トレインもMPKもPKも、まあネトゲの醍醐味ではあると思います。

やられた時はかなりムカつきましたけど。

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