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深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第4章 少女は学園で無双する
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第13話 守る。

初めての部活動でダンジョンを探索した後、おうちに帰ってから私とカリナとシエラ先生の3人で反省会を行う。



「思ったより余裕でしたね」


「そうだね。まあまだまだ低層だけど、あの感じならユグ裏の10層くらいの方が大変だったね」


「あそこはあんなものです。20層くらいからじゃないと今のアーシャ様たちにはかなり物足りないでしょうね」


「20層は何がでるんですか?」


「1~10層では人型のモンスターが、11~20層では動物型のモンスターが、21層からはさらに上位の人型と動物型のモンスターが組み合わされて出現します。それ以上の階層へと行くと強く、数も多くなるので少しはアーシャ様も力を見せないとだめだと思いますが。」


「私はいつも全力投球ですけど」


「そうですか?では少しくらいはあせるような状況も生まれるでしょう。仲間に背中を任せるという事も必要になるでしょうね。そうして、自分より力の劣るものを助けながらの戦い方を覚えた方がいいでしょうね」


「力の劣る?誰のことですか?」


「今日のメンバー全員ですよ。勿論私はそこに入ってない……とは思いますが。」



シエラ先生以外。カリナは分かる。

いつも横にいるし、どの程度の力で何が出来るかは鑑定しなくてもわかる。

プリンちゃんも勿論だ。


副部長のクロエさんはヒーラーだし防御力は低そう。エルリーシャさんもママの言う紙装甲っぽい感じはする。火力は高そうだったけど。


でも部長なんかは結構バランスもよかったし、やれそうに見えたけどなー。

私がそう思っていることをそのまま伝えると、



「じゃあ部長と戦って負けそうなイメージは沸きましたか?」


「それは……」



無い。それは無いなあ。

魔法を遠距離から打ちまくればすぐに倒せそうだった。

近距離でも槍で押さえ込んでいる間に魔法を使ってしまえば……でも。



「魔法を封じるようなアイテムがあれば危ないだろうと思います。対魔法防御のすごく強い盾とか」


「そうですね。何らかの力を借りて対策をとられるとまずいと思います。ですが逆に言うと地力では勝っているという事ですね。アーシャ様がこれから自分と同等か、自分より強いものとだけパーティーを組んで一緒に戦うつもりならいいでしょう。ですがそれは難しい。誰かと一緒に戦う、守るということを勉強するいい機会だと思います。頑張ってくださいね」


「はーい。」



やっぱりシエラ先生の言うことは難しいや。

でも、カリナとプリンちゃんだけの時はあんまり気にしてなかったけど、守る……か。

頑張ってみよう。



今日も学園の退屈で仕方ない授業が…おっと、シエラ先生のありがたい授業と、あとの先生の退屈な授業が終わった。今は入学してからようやく2ヶ月がすぎたところ。

まだまだ魔法も学問も入門編のような授業が殆どなのだ。


でもここに来るのは殆どが貴族や大商人の子、それに選抜試験を突破した極めて優秀な市民だけなのだ。

だから魔法入門みたいなのはみんな知ってるんじゃないの?と思うんだけど。

というわけで家でシエラ先生に聞いてみた。



「せんせー。授業は大体が退屈なんですけど、あんなのみんな知ってるんじゃないの?」


「大半の子は知ってると思いますがね。もし知らなくって乗り遅れたりしても困るから、という理由で一応やることになっています。基本は最初の半年だけで、あとは各分野に分かれてになりますから。ところで選択科目は選んだのですか?」


「まだ悩んでます。攻撃魔術よりは探知だとか補助魔法だとか行動を妨害する魔法だとか、そういうのがいいかなーって思います。あとは先日先生に言われて思ったんですけど、大事な人を守る為の魔法や技術が欲しいです。」


「ほう。すばらしいですね。正直、まだまだ攻撃魔術を求めると思っていました。火力は確かにいくらあっても困るものではありませんが、それだけではね。色々なオプションを身につけることによって戦術の幅が広がります。戦略級の魔法を覚えるのも結構ですが、それだけしか出来ないような方は困りものですから」


「はい。私の力でみんなを守る。パパが前に言ってた国民を守るっていうのが凄くかっこいいなって思ったから、私もみんなを守りたいんです」


「なるほど。国王様の影響ですね。国王様のそのお気持ちははそれはそれは立派だと思います。アーシャ様も国王様に負けないようにしないとダメですね?」


「うん!」



そのあと、晩御飯のときにシエラ先生からパパに『アーシャ様は国王様のようにみんなを守れる人になりたいそうですよ』ってバラされた。


ママはニヨニヨしてるし、パパは嬉しそうにしてるし、私は恥ずかしかった。

恥ずかしがってる私のことをカリナは記録水晶で撮影していた。

すごく嬉しそうにニヤニヤしながら。


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