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深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第4章 少女は学園で無双する
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第11話 出撃準備?

今日の放課後は、楽しい楽しいダンジョン部の部活動の時間なのだ!


長いこと実戦で使ってない『アイーシャの槍』を片手にカリナと部室へ。

一応布で覆ってあるけど、『槍です!』って自己主張の激しい包みだ。


カリナのほうは私が作った短剣を装備している。

ダンジョンに入れなくなって沈んでいる時に作れ作れとしつこいから気分転換に作った品だ。

なかなか出来は良い。やはり私は天才かもしらんね!ワッハッハ!


おっと、ちゃんと猫をかぶって……



「こんにちわ。アイーシャリエルです。失礼しますね」


「カリナです。本日はよろしくお願いいたします」


「やあいらっしゃい。今はまだ私だけですよ。」



テイミング同好会の会長を兼任しているエルリーシャさんだ。

一人しかいない同好会の会長だけど…あ、いや私達も入ったのか。だから3人だね



「本日はよろしくお願いいたしますね」


「よろしくね、アーシャさん。社交界じゃないんだからもっと楽にしてね?肩こっちゃうでしょ?いつもの調子でいいわよ。私もママに大体聞いてるし。私もいつもの感じにさせてもらうけど。」


「あらそうですか?じゃあ気にせずにいきますね。改めてエルリーシャさんよろしくお願いします」


「はい。私もよろしく!あと、呼ぶときは『エル』でいいよ。」


「分かりましたエルさん」


「うん。あとは部長と副部長だけだね」


「他の方は来ないんですか?」


「足を引っ張りそうだから呼んでない。まあ私達もアーシャちゃんと比べると厳しそうだけどね」



そうだろうか?

私は魔力だけはひたすら鍛えたからある程度自信あるけど、他はあんまり自信ないんだけど。


弓ではパパには全くかなわず、剣を持つとママにボコボコにされ、格闘ではシエラ先生に、槍なら門番さんに。クッソーと思ってギルドに遊びに行ったらクラウスさんとリリーさんにイチャイチャを見せ付けられ……くそう!リア充め!


……まあ最後のはともかく、私はあんまり自分に自信はないのだ。ユグドラシルならPTで30階層くらいまでなら安心ねってママに言われる。でもそこまでの階層ですら遊びに行かせてくれないのはやっぱり頼りないと思われているからだろうか?


でもエルリーシャさんはそんな私に比べると厳しいんだって。

うーん?そんなもんかなあ?



「はあ。そうですか」


「アーシャ様は色々とおかしいですから」


「どういう意味!?」


「概ね聞いたままの意味です。入学式だって気づいた人はみんな肝を冷やしたでしょう。」


「あれは酷かったですね。生きた心地がしませんでした。部長も怖かったと。」



部長とエルさんは気づいてくれた側の人だったんだ。


でも魔力が低いから、鈍いから、弱いか?って言うとそうでもない。

獣人族なんかは魔力に乏しいが、それを補って余りある力や種族特性があるのでそのあたりはなんともいえないのだ。効率的に魔力を速度や腕力に変換できる特性。うらやましいぞ!


まあ、魔法が得意な種族で入学式の時のアレがわかんないなら寂しいことこの上ないけど。



「やあ、遅くなってすまない」


「アーシャ様!お待たせいたしました!わたくし、副部長のクロエでございます!」


「部長、クロエ様、今日はよろしくお願いいたしますね」


「何ともったいない……!今日という日をわたくしは一生の記念にいたします。はわわ!」



クロエさんのテンションがおかしい。

部長もエルリーシャさんも引き気味というより完全に引いている。


私はカリナでなれているので普通に対応しているが。



(アーシャ様!酷いテンションですよ!)


(カリナも時々こうよ)


(いつもひどいもんプル)



プリンちゃんの言うとおり、いつものカリナはひどいもんだ。

カリナはこの3年ほどダンジョンに入れなくって退屈している間にプリンちゃんとの念話に混ざってくるの術を覚えた。なんだか聞こえるようになったんだと。どうなってるのかは不明だ。


そうだ、プリンちゃんを紹介しておかないと。



「えーっと、ダンジョンに行く仲間?を紹介しますね。私のペットのプリンちゃんです。」


(よろしくプル!)


「よろしくって言ってます」


「おお!それが噂のアーシャ様のプリンちゃんですね!かなり強いとか?」



エルリーシャさんは知ってるんだ。お母さんの妖精女王様に聞いたのかな?


妖精女王のイルリーシャ様はちょいちょい遊びに来てスライム牛乳を持ち帰って、代わりに私と遊んでくれたり、色んなアイテムをお土産に置いていってくれたりするとっても素晴らしいお得意さまなのだ。



「お母様には見せたことがあると思いますが、私がテイミングして育てたんです。ウチのスライムのまとめ役です。戦闘もまあまあ強いかと……ここしばらくレベルは上がっていませんが」


「ほえー!いいなあ。私もスライム育てようかなあ。」


「エルリーシャ様はテイミングしたモンスターを連れて行かないのですか?」


「ぬっふっふ。見せてあげよう。おいで!シロ!」



シロ!と呼ばれてエルリーシャさんの後ろの空間から現れたのは、綺麗な白色をしたベビードラゴンだ。


なんてこった。ぐぬぬ、うらやましい。

私の方はお金がなくって買えないというのに。ぐぬぬぬ。


そしてあの空間!

上位の妖精族は『フェアリーパラダイス』という固有空間作るスキルを持っている。


その空間で遊んだり、テイミングしたモンスターを放牧しておいて、好きなときに呼び出せちゃうのだ。めちゃくちゃ便利なスキルだ。嫌な時にカリナから逃げて不貞寝したり、ママに怒られそうになったら逃げ込んだり出来る。


いやまあ、それはいいんだけど。

捕まえたり買ったりしたモンスターたちを育てるのにはすっごく向いているのだ。


いいなあ。私も欲しいなあああいうの。

空間の方も白いドラゴンの方も。うらやましいなあ。


いいなーって目でじーっと見ていたのに気がついたのか、エルリーシャ様が私にニッコリ微笑んで言った。



「ドラゴンはあげられないけど、固有スキルの方は教えてあげられるよ。空間魔法に適正があれば似たようなのは作れるはずだよ。また今度ゆっくりテイミング同好会の方で教えてあげるね」


「なんと!ぜひ!ぜひお願いします!」



素晴らしい提案だ。


コレがあれば私だってこっそりとあんなことやこんなこと???ができる。

とりあえずパッと思いつかないけど多分色々できるのだ!


あの空間もらったら何をしよう?やっぱりモンスターの飼育場かな??

遅くなりました。

誰にも入れないプライベートの空間はすごく欲しいです。できれば時間も止まってほしい……

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