第5話 リア充っぽい
帰って私の部屋でカリナとシエラ先生と部屋で雑談していると、パパとママが帰ってきたようだ。
「お出迎えに行きましょうか。アーシャ様」
「そうだね。早く行って早くダンジョンに行こう!」
「今からは出かける可能性は無いと思いますが……」
3人でワイワイといいながら2人を迎えに行く。
「パパ、ママ。おかえりなさい」
「ただいまアーシャちゃん」
「アーシャちゃんただいま。今日もとっても可愛かったわよ」
「そう?えへへ」
褒められるとやっぱり嬉しいものだ。
「でもあのお手玉はちょっとダメだったんじゃないかなあ?」
「そうだね。パパもビックリしちゃったよ。学園長と後で話したんだけど、学園長も生きた心地がしなかったって言ってたよ?危ないからダメだよ?」
「そうね。今度暇つぶしする時はもっとばれないようにしっかり隠すのよ?」
「いや、ママ?そういう問題じゃ?」
「間違ったかしら?」
「今日のはどのくらい気づく人がいるかなって見てただけだから、ホントはもっとうまく隠せるよ!」
「流石ね!アーシャちゃん!」
「えーっと、パパはちょっと違うと思うんだけどなあ……」
ママはもっとうまくって言うけどホントはもっともっとうまく隠せるんだもんね。
先生も褒めてくれるほど私の隠蔽魔法は上手いらしい。その話をカリナに言うと『その調子で他ももっと上手く猫を被ってください』だってさ。失礼しちゃう。
「うーん、やっぱりダメだよアーシャちゃん。うっかり失敗して学園が無くなったらパパも困るから。すっごく困るから。だからああいうのはダンジョンとかでやろうね?」
「ダンジョンなんてあれからずいぶん行ってないじゃん……あ!ダンジョン!ねえママー!カノープスのダンジョンに連れて行ってくれるんでしょ!?今から!ねぇいいでしょー?」
「送って行きたいのは山々だけどね、流石に今からはダメよ。明日の授業に間に合わないでしょ?」
「授業なんてどうでも……」
どうでもいいじゃん。
そう言いかけた私にすばやく反応する声が
「どうでも……何ですか?」
「いえ!ど、ど、どう?そう!どーっでも大事です。シエラ先生のは特に!大切に決まってるじゃないですか!やだなあもう!」
「無理やり感がすごいですが、まあ良しとしましょう。ダンジョン実習は学園でもありますよ。カノープスダンジョンのような有名なところではなく、もっと初心者向けの『アルヘナダンジョン』ですけどね」
「アルヘナですか?Cランクの」
「そうです。流石によくご存知ですね。アルヘナへは学園から直通の転移門があって、すぐにたどり着けます。Cランクダンジョンですが、中々学園も捨てたものではないでしょう?」
「ほう・・・それは素晴らしいですね」
素晴らしい。早くそのアルヘナダンジョンとやらに行って見たい。
私にもし尻尾が生えていたら今はブンブンはち切れそうなくらいに振っているだろう。
そういう自覚はある。だが自重はしない。
「先生?それで何時そのダンジョンへ行くのですか?」
「そうですねえ。座学に実習にと終わってからですので、半年くらい先になりますか。ユグドラシルの一部が紅く染まる頃ですね」
「秋ですか?なんてこったぁ・・・」
半年も先である。そんなにとてもじゃないけど我慢が出来ない。
とりあえず場所を調べてこっそり行こう。そうだそうしよう。
「だめです。それに入り口にはいつも見張りが付いてますよ。魔法的な鍵もかかっています。まあ、アーシャ様なら開けてしまいそうですが……ダメですよ?」
ほう・・・開けられるようなものなのかね?それはそれは・・・うぇっへっへっへ
「 だ め で す よ !」
「やだな。判ってますよ。いくら私でもカリナくらいは連れて行きますよ。」
「はあ。まあそう焦らなくても『ダンジョン攻略部』に入れば部活動で探索に行くことはできますよ。何も決めていないならどうですか?」
「おお!すばらしいですね!部活の仲間と一緒にダンジョン攻略ですね!」
「そうでしょうそうでしょう。」
なんだかあれだ。
学園で、部活の仲間と、一緒に攻略!めっちゃくちゃリア充っぽいな!
「あら?ママは一緒に行っちゃダメなのかしら?」
「もちろんおっけー!」
「パパもいいだろ?」
「「パパはお仕事でしょ?」」
「ひどいよお・・・」
「うそうそ。冗談だよ!いつか一緒に遊びにいこうね!」
パパが泣いちゃいそうだから冗談って事にしとこ。
いつかみんなでダンジョンに行けるといいなあ。
このあと、元気になったパパを含めてみんなで和気藹々とご飯を食べて、カリナと一緒にお風呂に入って寝た。カリナってば最近一緒に風呂に入りたがるのだ。子供みたいだなあ。
というわけで部活に入って一緒にダンジョンに潜る展開になります。
パパ絡みはなんだか死亡フラグっぽくなっていますがまだまだ未定です。




