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深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第4章 少女は学園で無双する
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第4話 先生激おこ

自己紹介が終わって授業や選択科目の説明があって、それで本日は解散だ。

ここから寮に入る学生は移動して寮生活の場へ。


私は早く帰ってダンジョンへ。ママがカノープスにつれて行ってくれるって言ってたし!

何ならママの火竜をちょっと拝借してささーっと……



「ダメです。」


「いいじゃんカリナも一緒にいこ?」


「ダメですよ。国王様と王妃様がお待ちです。帰りますよ」


「はーい。」



いやあ疲れた疲れた。早くかえろーっと。私は逃げるように馬車に乗る。


思ったより疲れたみたい。馬車の振動が心地よい。

疲れたなあ。ようやく家に帰れる。

帰ったらママがカノープスのダンジョンへ行こうと誘ってくれているのだ。楽しみ楽しみ。


カノープスのダンジョンとは魔族の国、フレスベルク王国の王都から80km程度の所にあるBランクダンジョンである。ダンジョンも難易度によりEからAランクに分かれている。Aランクの上としか思えないようなレベルのダンジョンもあるそうだが、それらもまとめてAランクダンジョンとなっている。


なぜAランクで頭打ちか?Sランクはないのか?というと、完全にAランクとは一線を画す、遥か上位のダンジョンがあるのだ。


それが神々が住むと言われている『ユグドラシルダンジョン』だ。


このダンジョンが発見された当時、国民であるエルフやハイエルフはもちろん、各国の猛者たちが攻略に乗り出したものの、多数の犠牲を出した。

だが深層まで至って、そして帰れたものは巨万の富と力を得たらしい。


わたしも早くユグドラシルダンジョンを探索したいものだ。ふああ。

早くダンジョンに行きたいなあ。うーん、それにしてもこの馬車の揺れが……うーん。ねむい。

早くダンジョンへ…早く…行かなければ…




―――そして消去されてしまった―――を―――





……ぐー……すー……



「……さま。あーしゃさま?着きましたよ。アーシャさま。」


「は?じゅる。ああ、ありがとうカリナ」



おっとよだれが・・・あぶないあぶない。



「アーシャ様、よだれはダメですよ?学園では居眠りしてよだれ垂らしたりしないでくださいね。」


「やだなあ。いくら私でも学園じゃ寝ないよ」


「シエラ先生の授業の時は大丈夫だと思いますが……入学式の挨拶は危なかったですよね?」


「あれは無理だよ。ついお手玉で遊んじゃったじゃん。」



お城に着いたので玄関を守る騎士に手を振りながら中に入る。私が手を振るだけで衛兵も騎士のみんなもニッコニコだ。



「ビックリしました。いきなり会場全部吹き飛ばせそうな魔力を使って遊び始めたもので。学園長先生も震えてらっしゃいましたね」


「シエラ先生もちょっと怒ってたね」


「―――ええ。姫の制御に問題が無い事は存じておりますが。あの場ではどうかと思いましたよ」



私の部屋に入った瞬間に声がかかる。

この声はシエラ先生だけど・・・怒ってるね?



「少し怒ってますよ。いきなり入学式の最中に寝そうになったり、その次には周囲を吹き飛ばすような魔力で遊び始めるとは思ってもいませんでした。ある意味、流石は姫だなと感心いたしました。」



「そ、そう?褒めてもらっ」

「褒めてません。怒っています!」



ヒエッ!先生めっちゃ怒ってる!



「ごめんなさい。お話がすっごくつまらなかったの。それに、あそこにいる人みんな大した事なさそうだったからちょっと実験してみようかなって。」


「確かに話は長いしつまらなかったと思います。特に来賓の話は最悪でしたね。毎年の事なのですが、各国の来賓から一言頂く決まりになっていますが、一言だけと言っておきながら空気を読まずに延々喋る方が……ゴホン」


「やっぱりあれ毎年なんだ?ひどいね」



どうにかして無くせばばいいのに。時間の無駄だよね。



「国王様も本当は挨拶自体をなくしたいらしいのですがそうともいかないみたいです。政治とはむずかしいですね。」


「国王様も王妃様も退屈そうでした。特に王妃様は寝そうになっておられて。そんなところまでアーシャ様そっくりですね。」



カリナは周りをしっかり見ていたのだ。

多分何かのスキルでだろうけど。


スキルとは魔法とは別の回路で覚えられるダンジョン冒険者特有の技術だ。

何でもダンジョンでレベルが上がれば覚えられるらしい。カリナは途中からは私と一緒にしか潜っていないはずなのに、ホイホイレベルが上がって色んなスキルが生えてきているらしいのだ。

くそう。羨ましい。



「カリナはあの環境で眠くならずにすごいよ。私なんて嫌になって遊んでたんだもん。眠気覚ましのついでに周りの人をチェックできる名案だと思ったんだけどなあ。」


「名案ですか・・・。アーシャ様から見れば大した事なさそうでも、ほとんどの先生方はご立派な研究をされております。それに魔術のほうも武術のほうも一流どころ……です。たぶん」


「たぶんだよね?あの程度の隠蔽がわからないんじゃ心配になっちゃうよ」



魔力で作ったお手玉には隠蔽の魔法をかけてあった。大したことはない。見る人が見れば判るはずだ。そう思ってたんだけどなあ。



「あのレベルは熟練の暗殺者と同等でしたよ?アーシャ様こそご自分のことをもう少し理解した方がよろしいかと。学園でも礼儀作法以外は・・・うーん。今までに学んだ事の無い系統なんてどうでしょうか。種族固有の魔法とか封印術とか、聖属性と闇属性も私はあんまり教えられませんし。後は召喚魔法なんかですかねえ。」


「召喚は楽しそうかなあ。異世界から見たことのないモンスターを召喚するとか、新種のドラゴンとか天使族じゃなくって異世界の天使とか、悪魔族じゃなくって異世界の悪魔なんかも夢があるなあ。テイミングやカードからじゃなくって召喚からペットにするって夢もあるね!」


「アーシャ様ならやってしまいそうですね……」

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