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深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第3章 少女はダンジョンを攻略する
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第22話 迷子

次の日も15層をウロウロしたけど、どうにもボス部屋がみつからなかった。

マッピングしているので、怪しいところは何箇所か発見できたんだけど。

ボス部屋の入り口である門らしき物が見えない。


どこまでいっても壁壁壁だ。

疑問を抱えながらもう1日、もう1日。

もう自分たちだけじゃあどうにもなんないかもな。って話になったので、地図を持って帰ってギルドで相談することにしてみる。



「すみませーん。ユグ裏の15層の事で聞きたいんですけどー?」


「はい。ユグ裏ですね?15層ならボスは蟷螂で取り巻きにクモかムカデ、おっと失礼。キラーマンティスに各種属性のビッグスパイダーとジャイアントセンチビートですね。取り巻きの数や種類は色々なパターンがありますのでご注意ください。」


「うん。えーっと、聞きたいのはそこじゃないんです。」


「では何が?15層はこれといったギミックはないはずですが?」


「ボス部屋の入り口が分からなくって。一通り回ってみたと思うんですけど」



そう言って私達がマッピングした地図を出す。



「おお、なかなかいい感じでマッピングされていますね!えーっと…?あれ?ちょっと失礼」



そういって受付嬢のリリーさんは奥にいる職員さんを呼びにいった。

リア充爆発しろ!とギルド内の怨嗟をかき集めていたリリーさんとクラウスさんだけど無事に結婚をして仲良く暮らしているらしい。チクショウ爆発しろ!



「ところでもう15層へ行かれているのですね?アーシャ様はこちらへ全く顔を出してくれないので寂しいですよ。」


「そうだっけ?」


「最初の説明でDランクへ上がるにはユグ裏の10層のモンスターが落とす魔石を持ってきてくださいって言ったの覚えてます??」


「……そうだっけ?」


「そうですよ!10層以上ならOKですので出してくださいねー」


「はーい。カリナ出してー」


「もうたまってるの全部出しますよ?どうぞリリーさん」



カリナは今までに貯めた魔石をじゃらじゃらじゃらっと出す。

うーんいっぱいあるなあ。100個じゃきかないや。

まあまあ大きいのに小さい粒みたいなのと様々だけど。



「これは……査定に時間がかかると思いますので、少し待っていてください。その間に15層の情報を集めます」


「はーい。じゃあ食堂にいってきまーっす。カリナ!パフェ食べようパフェ!」


「おお!是非お供します姫様!」



ここの冒険者ギルドの食堂で一番おいしいのは肉料理じゃなくってお菓子やパフェなんかの甘味だ。

そこいらの貴族位じゃ食べらんないんじゃないかってくらい豪華なパフェ。

冒険者の稼ぎのよさが垣間見える一品だ。


稼ぎの……良さが……。ぐうっ頭が……



ちなみに私はここにスライム牛乳を卸す事によってパフェ食べ放題権を獲得しているのだ。


まあ食べ放題といってもスライム牛乳1Lリットルにつきパフェ一杯で交換しているんだけど、事実上無限に牛乳は作れるので食べ放題だ。


ミルクちゃんに働けと命令するだけで美味しいものが食べられる。

いやあ最高ですなあ。ワッハッハ



「パフェ食べながら悪い顔しないでくださいよ」


「そんな悪い顔してた?」


「『ぐっへっへ』って顔してました」


「そ、そう?気をつけるよ」



そんなに顔に出るタイプなのかなあ、私は。







「失礼します、アイーシャリエル様。準備が出来ましたので別室へ移動をお願いしたいのですが。」


「ん。はいはーい。行くよカリナ!」



私とカリナは食べ終わってノンビリしていたところだ。

というか食べ終わるのを待ってくれてたみたい。


食堂から出てギルド長の部屋へと移動。

ギルド長の部屋はなんというか仕事用の殺風景な部屋だった。



「アイーシャリエル様、お会いできて光栄です」


「こんにちわ。アイーシャリエルです。光栄ですって言うか、いつもカウンターにいる職員さんだよね?ギルド長さんだったんですか?」


「ギルド長ったらアイーシャリエル様がいらっしゃる時間帯にはいつも受け付けのほうへと…」

「んんっ!リリー君!お茶を頼むよ!」


「はい、かしこまりました。では失礼いたします。」



案内してくれたリリーさんが去っていき、部屋に残ったのは私とカリナとギルド長のおじさんの3人だ。


うう、あんまり知らない人と密室だとちょっと緊張するなあ。



「それで、15層の件はどうなりましたか?」


「はい。15層ですが、アイーシャリエル様たちの作成された地図はとてもすばらしいですね。ほとんど完璧に私達の所にある地図と一致します。足りないのは一箇所だけ、ボス部屋だけですね。」


「やっぱり。」


「ボス部屋はここです。すぐ分かる所に門があるのですが……?」


「うーん?そこは見たと思うんだけどなあ」



教えてくれたあたりは何度も見たところだ。

ここら辺が怪しいんじゃない?って何回もウロウロした辺りなんだけどなあ。

おっかしいなあってカリナと言っていると、



「んん!では、私が一緒に付いていって差し上げよう!なあに、私とて元A級冒険者!そうそうそこらのモンスターには遅れはとりませんぞ!」


「ギルド長さんが?まあいいですけど。」


「よかったですね、アーシャ様」



なんと、ギルド長さんが一緒に行ってくれるって!ギルド長って仕事は忙しいのかと思ったけど、受け付けしたり一緒にダンジョンに行ったり案外暇なんだなあ。



「じゃあまた明日お願いします!」


「こちらこそ、アイーシャリエル様と同道できるなぞ光栄の極みですな。よろしくお願いいたします」



いやあ、ギルド長さんが一緒に来てくれるなんてラッキーだなあ。

きっと強いに違いない。元A級だもんね!


ギルド長さんの部屋を出て受け付けのカウンターへ。

カウンターではリリーさんが待ってくれていた。



「お疲れ様でしたアイーシャリエル様。お話は順調に終わりましたか?」


「うん。明日ギルド長さんが一緒に来てくれるんだって」


「何ですって……うらやましい。おのれあのクソジジイ……死ね」

「「えっ!?」」


「おっと、なんでもありませんわ。オホホホホ。」


「今明らかにクソジジイって」


「言ってましたね。死ねとも聞こえた気が」


(言ってたプル)


「キノセイデス。それよりも先ほどの魔石の査定が終わりました。」


「おお!」


「極小が86、小魔石が33、中魔石が7個ですね。10層以上のモンスターからドロップしたと推定される魔石が27個ありましたので、アイーシャリエル様はDランクに昇格しました!おめでとうございまーす!」


「「「あーしゃたんおめでとおおおお!!!!」」」


「おわっ。ありがとー!」



またみんなでお祝いしてくれた。

その中にはまたしれっとカウンターに来ているギルド長さんもいた。

仕事熱心だなあ。


それにしてもまたみんなにお祝いしてもらっちゃった。

うへへ、照れちゃうなあ。

こんなにトントンランク上がってもう将来はSSSSSランク間違い無しだね!



今日のところはこのあと魔石の代金を受け取っておうちへ帰った。


家に帰ってママに明日ギルド長さんと一緒に出かけるようになったことをお話した。

ママは『あのギルド長なら納得ねえ。』だって。


ギルド長さんはよく働くことで有名なんだろうなあ。


ギルド長さんはアーシャちゃん非公式ファン倶楽部の会員番号一ケタ台です。

ちなみに1番はママ

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