第19話 14層はいつの間にか終わりました
どうもこんにちわアーシャちゃんです。
前回はスライムから見た生物観やら、私の虫嫌いなんかのせいで、ついおかしなところで興奮してしまったのだ。だってドラゴンも虫も魚も大差ないって言われちゃうとさあ……
じゃあ人間はどうなんだ?って言うのは怖くて聞けない。
少なくとも獣人もエルフもドワーフも大差ないって返事は来ると思うけど。
それ以上は何ていうかなあ。うーん。流石に犬と豚とか、サルと人間とかは違いが分かるとは思うんだけどそれ以上は……わかってるよね?
うーんっと悩まされた後はなんだか変なクモを見つけた。頭が吹っ飛んでも腹が吹っ飛んでも、焦がされても動くのだ。気持ち悪いなんてもんじゃない。おまけに匂いもすごい事になっていて、私は気分が悪くなってしまうという失態を犯してしまったのだ。
そしてその翌日の今日、私達は14層への階段を見つけ、階段前でおやつタイム中。
今日は変なクモはいないし、他にも特にトラブルはない。
心を落ち着かせてゆっくり進まないとね。
しっかし、11層から13層までは少し変なクモというトラブルはあったものの、ほとんどプリンちゃんだけでクリアできてしまった。
11層と12層はおためしっぽくてモンスターもろくな攻撃をしてこなかったからというのは分かる。
まあ、その分ドロップもゴミだったけど。まーた小さな魔石しか出なかったのだ。
ゴブリンと大差ないやつだ。売っても一つ1000ゼニーなんてとてもならないだろう。
まったく、これじゃあドラゴンの卵はいつ買えるのだろうか。
でも13層を戦ってみた結果、というか正確に言うと戦っているのを後ろから見ていた結果。
実際のところうちのプリンちゃんは強い。
スライムだからかどうかはわからないが、物理攻撃があんまり効いてないのだ。
そういえばゴブリンに殴られても全然効いてなかったし、クモの糸は自分から突っ込んで溶かしちゃってたし、蛾の鱗粉なんて全く効果なさそうだった。
鱗粉はもともと効果がほとんどないことで有名なモンスターだけど。
アレ?もしかして強い?
「プリンちゃんってもしかして強い?」
「スライム種はまともな育成例がありませんので……その、一部の方向にしか。」
「ああうん。あっちの方ね。」
ウンコスライムの話はおやつタイムにはやめて欲しいな。
そうじゃなくって、普通の育成例の方を聞きたいんだけどなあ。
「ママがすごく頑張って鍛えると強くなるっていってたよ?」
「王妃様がそうというならそうなのでしょう。私達なんかより遥かに詳しいですしね。」
「そうだねえ。何とかより年の功だね!」
「王妃様はまだまだ若々しいと思いますが?」
(年の話はだめプル)
(おっと、そうだった。)
話を変えないと……
「14層は何がいるんだっけ?」
「クモと蛾にムカデが追加されるんだったかと。」
「おお。ウチのムカデさんの親戚だね?」
「ジャイアントセンチビートですね。大きさは1m程度ですよ。アーシャ様のペットのムカデよりはかなり小さいですね。子供か孫かって大きさじゃないですかね?」
ふむ。またも倒すだけなら雑魚だ。
そしてまたしてもドロップは大したお金にならない子だ。
「しかしあれだね。今までどうでもいいとおもってたけど、いざお金を儲けようと思っても難しいなあ。」
「ドラゴンの卵ですか?うーん。お金を稼いで買うよりは卵を狙って取りに行ったり、牧場へ行ったりした方が良いのではありませんか?」
「牧場?牧場あるの?」
「竜魔王様が牧場を持っておられるようですよ。王妃様やカムヤーン様に紹介していただければ卵を割安で譲って頂けるやも知れません。」
「ふーむ」
まあほしいものは欲しいけど、知り合いの力を頼りまくっているのはどうかなー?
そんな事しちゃうならあれだよ。
私なんて姫様なんだから色んな力を使いまくればお金は割りと……げふんげふん。
さすがにそれはやめようね。
あとは、それこそ記録水晶で儲けるってのもある。
ちょこちょこっと日常風景を撮影して売るとか、うーん。ライブ配信とか……?
アーシャちゃんと行くダンジョンツアーとか!?バーベキューとか!?
儲かるかもしれないけど見世物になるみたいでいやだなー。
どこかのパーティーに出席したらお金や魔道具をいっぱいくれるってお誘いもあった。
アレもどうかなあと思うけどなあ。
そんな誘いにホイホイ乗っかるとパーティーに出るだけじゃすまなさそうだし。
婚約させられたりとか。うーん、めんどくさいし気持ち悪いなあ。
ウンウン首をひねっているといつの間にか14層が終わっていた。
あれっと思うが、そういえばプリンちゃんがまたも無双していた気がする。
ドラゴンの卵買おっかなーって話を出してからプリンちゃんがすごく頑張っているのだ。
そんなに頑張らなくても捨てないよ?
読んで頂いてありがとうございます。




