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深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第3章 少女はダンジョンを攻略する
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第18話 斑

むしむしパラダイスはまだまだ続く。13層は色違いのクモと蛾だ。


クモの方はファイアスパイダー。

火属性のクモらしく、口からは火魔法を、お尻からはネバネバの糸を出してくる。


糸はなかなか粘着力があり、捕まったら取るのが大変だ。

ぐるぐる巻きにして動けなくなったところをグサッといくらしいけど、私達のメンバーではさすがにそこまでノンビリ捕まってあげない。でも槍に少し糸が絡んだと思ったらネバネバがギトギトでなかなか取れなくなって困っちゃった。


私の大事な槍の柄部分にぐるんぐるんに絡みついたネバネバのクモの糸。

想像してみてください。最悪でしょ?


これはやっちまったなーって思いつつ頑張って洗ったけどとれない。

ただし、火魔法で燃やしたらあっさり取れた。


燃やした時に柄も少しだけ焦げたけど仕方ない。なあにかえって強くなるってモンよ!

トレントちゃんも喧嘩した時ママに炙られたりしてたけど大丈夫だし。いけるいける。


しっかし、あいつ自分の口から火魔法出すのに、巣はやっぱり火で燃えるって大丈夫か?

生物として色々不味いんじゃないか?と思わなくも無い。


そう思ってたらプリンちゃんに撃った火魔法が外れてやっぱり巣が炎上していた。なにやってんだ。

もうちょい他の属性の方がいいんじゃないの?



クモの方はともかく、蛾の方は空を飛んで鱗粉を出す。

正式にはジャイアントモスって名前。そのまんまだ。

ジャイアントというが翼を広げて40cmくらい。まあまあ大きいって程度だね。

模様は色々あって程よくきもちわるい。足がね、なんか大きくてね……


鱗粉だけど、周りが曇って見えなくなるかといえばそれほどでもない。

コレはまだ初心者入門編のモンスターだからだね。


蛾のモンスターは上位になると毒の鱗粉をだしてくる。

目がかゆくなって涙が止まらなくなったり、口に含むと辛くって火を噴きそうになったりするらしい。そしてその鱗粉を持って帰って料理に使う剛の者もいるらしい。



とりあえずここの階層に出て来る蛾の鱗粉はちょっと戦いづらくなるだけでたいした影響はない。

まあ、ギリギリの接戦ならちょっとの差が酷い事になるというけども、今のところ戦闘自体には余裕もいいとこなので心配ないのだ。


手に付いて気持ち悪くなったらプリンちゃんにとってもらうといい。

ズボッとべとべとの手をプリンちゃんに突っ込んだらとってくれる。


ちなみにクモの巣だってもわざわざ燃やしちゃったけど、プリンちゃんが槍を包み込んだら綺麗になる事が分かった。そういう事は先に言おう。な!?



「でもこの階も見てるだけで済みそうだね。良かった良かった」


「そんなに嫌ですか?虫ですよ」


(そうプル。虫も哺乳類も同じようなものプル)


「ちがうでしょ。なんだか分かんないけど嫌悪感あるよ。」


「ムカデは大丈夫じゃないですか」


「ウチのムカデちゃんはいい子じゃないか。ヨロイみたいでカッコイイし。たとえばあのゲジゲジ君はカサカサして気持ち悪いだけだけど、ウチの子は牙とかしっかりあって強そうだし、甲殻はヨロイみたいでかっこいいじゃないか」


「大差ないような気がしますが……?」


(大体同じプル。僕から言えばドラゴンも虫も魚も大差ないプル)


「ええ・・・!?まあスライムから見ればそうかもだけどさあ。」



ドラゴンと虫は全然違うでしょ!といいたいけどスライムから見れば確かに大差ないかも。

でもさあ、プリンちゃんだってそこらのヘドロと大差ないとか言われたらつらいでしょ!



「まったくもう……ほら、次が来たよ!」


「アーシャ様やる気無くなってません?」


「だってクモ多すぎだよお」



クモがいっぱい出てきた。うわわわ。

何故かはわからないけど私は虫自体は大体大丈夫なんだけど、クモは特別苦手なのだ。

うーん、しょうがないね。



「プリンちゃんがんばれー!」


「がんばってくださーい」


(プル!)



ドカンドカン爆破してさらには吸収して、ってやりたい放題だ。

いやあ、うちの子は強いっすなあ。と思ってニヨニヨ見守る。

ところがだ、



「プリンちゃん後ろ!」


(プル!?)


頭を半分吹っ飛ばしたクモが起き上がってカサカサーっとプリンちゃんに迫る。

うわわ!気持ち悪いなんてもんじゃない!



「トリプルシューティング!」



ザンザンザンッ!とカリナの矢がクモに突き刺さる。

3本同時に撃つスキルだ。威力はそのまま、本数が多いだけみたいだけど……かっこいいなくそ!



(助かったプル)


「まだですよ!」


「ええい!ライトニングボルト!うわわわまだ動いてる。フレアストーム!」



頭を爆破され、矢を3本胴に撃たれてもまだ動くクモ。

気持ち悪すぎてどうしようもない。つい私もライトニングボルトを放った。


光速で迫るいかずちによって生み出された、真っ黒に焦げて異臭を放つクモ。

なのにまだ動いている。もうヤケクソになって放ったフレアストームでチリしか残さないようになった。

でも匂いは残っている。すっごく臭い。


うーん、控えめに言っても最悪だ。



「おっぷ。気持ち悪い」


「今日はもう帰りましょうか。」


(ごめんプル。助かったプル)


「それにしてもおかしな色したおかしな耐久力のクモでしたね。特殊個体か何かでしょうかねえ?」


「気持ち悪かったね。変な色にまだらで、おまけに臭くて…うっぷ」


「帰りましょ帰りましょ。転移ー!」


(プル…)





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