表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第3章 少女はダンジョンを攻略する
64/183

第12話 自己進化?

転移珠を入手してからはきわめて順調だった。

6層はあっさりとクリアして、次は7層だ。


7層に出現するのはグリーンウルフとホブゴブリンの弓手と魔法使い。

遠距離ホブは初めてだなあ。


ゴブリンよりいい装備らしいし、狼の魔法も混ざってくるのでここら辺から魔法対策が大変になってくる……って『ダンジョン制覇者になろう!』に書いてあった。


ってなことをカリナとプリンちゃんとに話しながら歩く。

カリナは分かっているだろうけど情報共有は大事だからね。

おとなしく聞いてくれてる。



「プリンちゃん分かってる?だいじょうぶ?」


(大丈夫。本で読んだプル。緑ウルフは見えないカマイタチを起こすから注意プル。)


「えっ!?」



新しい情報。プリンちゃんは本を読めるのだ。何てこった。


今、私の国では国民の50%くらいしか文字は読めないって言われてる。

魔族の国も同じ50%くらいで、人間の国は30%程度だって聞いたけど、寿命が短いからってのもあるらしい。それに獣人の国だともっと低いって。


そんな状況なのにスライムが本を読んで理解しているってどうなってんだ。


見えないカマイタチってのは私が読んでた本にも書いてあった。

ウインドボールではなくウインドカッターのような攻撃で、地味に魔法とは違う原理らしい。

でも効果は威力は弱いけど大体同じだって。

射程やら切れる深さが違うけど、切り口なんかは大体同じらしいのだ。

十分危ない攻撃だぞって解説してあったやつだなあ。




「もしかして私と同じ本読んでるの?」


(そうプル。シエラ先生の授業の時間はぼくもお勉強の時間プル)



ひええ。

どうやら恐ろしいスライムを生み出してしまったようだ。


自己学習、自己強化、この分なら分裂、増殖もできるんじゃないか?

そしてあらゆるスライムに進化することだってどんどん出来ちゃいそう。

もはや世界をプリンちゃんが制覇する日も近そう。


そうなったら私はその主か、はたまたプリンちゃんの一の家来か、どっちだろうなあ。



「アーシャ様、来ましたよ。変な妄想してないで目の前のモンスターを見てください」


「はいはい」



プリンのプリンによるプリンのための世界を妄想しているとカリナに現実に戻された。

フラフラ歩いていた先は小部屋だったみたいでそこから狼が5、弓ホブ3、魔ホブ3がでてきた。



「うわ、ちょっと数が多い!」


「魔法で削りましょう!」


「うん!」

(プル!)


「ライトニングボルト!」「アローシャワー!」(ぷるるー!)



まず、私のライトニングボルトで狼を2体倒した。


次に打ったのはアローシャワー。

カリナのアローシャワーは矢が分裂して複数本落ちてくる技だ。

これってどういう原理なの?と思うけどダンジョンで覚えるスキルに突っ込みを入れてはいけない。


スキルは魔法よりもよっぽど訳の分からない動きをするのだ。

そのアローシャワーで魔ホブを2体倒した。


そして最後にプリンちゃんの技なんだけどなんだろなコレ?

掛け声と同時に小さなスライムがぴょんぴょーんっと飛び出して狼の口の中へ。

恐ろしい事にそのまま狼の口の中で爆発して狼を倒した。

それも3体も。


なんて凶悪な技を覚えたんだ……!


そして残ったのは弓ホブ3と魔ホブ1

仲間が一瞬でやられたのでかなり動揺しているホブゴブリンたち。

ちょっと可哀相になったけど、容赦はしない。


一気に間合いをつめて槍で突く、払う。

私が弓ホブを全部、カリナが魔ホブを仕留めて終わりだ。



「いやあ、思ったより楽だったね」


「やっぱり遠距離で削ると楽ですね。でも逆の事をやられ始めるときついですよ。私達は盾を持ってないですからねえ。」


「そうだね。そのときはしょうがないからカリナを盾に…「アーシャ様っ!?」」


「冗談だよ冗談。ホントにするわけないじゃん。たぶん冗談だって」


「うう……でも本当にアーシャ様が望むなら私は盾だって何だって…」

「プリンちゃんもすごかったね。何あの技?なんていう技なの?」


(ふふん。神様に教えてもらったゴーストアタックっていうプル。かっこいいでしょー?)


「スルーしないでくださいよ!」


「ハイハイそうだね。盾にもなってね。ってか、プリンちゃんちょっと縮んでない?」


(自分の一部を使うプルからなあ。仕方ないプル)


「自分の一部……かあ。」



自分の一部をちぎってそれで敵を追尾させて爆発する。なんて恐ろしい技なんだ。

誰だそんな酷い技教えたの。大体見当はつくけど。


ドロップで落ちていた狼魔石をゲットしたあと、モンスターが出てきた小部屋の中を見ると宝箱があった。



「宝箱だ!よっしゃー!」


「アーシャ様開けられますか?」


「いや、ここはそろそろカリナの盗賊修行の見せ場かなと思うんだけど?」


「分かりました。では僭越ながら私が……えいっ!」



私が見たところ特に何もせずに思い切ってぱかっとあけた。

盗賊修行とは一体!?


えーっと、それで入っていたのは……?



「草?」


「やくそうですね。外れです」



まあそんなもんだよね。

大体そうなるって知ってたよ……あとで抹茶にでもあげよっと。


さあ、気を取り直してお次は8階層だ!



「よーっし8階層いくぞー!」


「ダメです。今日はもう遅いからギルドによってから帰ってご飯ですよ」


「ちぇっ。は~い。」



もうタイムアップかあ。

なかなかダンジョンの攻略は遠いものだなあ。




いつも誤字報告ありがとうございます。

わたしのところのIMEはなぜか濃いをうみと出して来る奴なので困っています。

しかも家のPCも職場のPCもです。


膿い膿です。とりあえず凄く膿んでるね。パンパンですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ