表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第3章 少女はダンジョンを攻略する
63/183

第11話 お金の使い道

本日2話目です 久々の2話投稿になります

私はモリモリ狩りまくってお金もがっぽがっぽ稼ぐのだ!頑張るぞーっ!


と思ったけど、良く考えたら私はお金をまったく使わないのだ。

家に住んでいて、ご飯も出てくる。

おやつ代だっておねだりすればいい。

特に欲しいものも今のところ無い。


世の中のみんなはお金をためて何をするんだろう?


わかんないことはギルドで聞いてみよっと。



「お姉さんはお金がいっぱいあったら何をしますか!」



まずは受付のお姉さんに突撃取材だ!


いつもは優しいお姉さん。お金を持ったらなにするの!?


「お金ですか?うーん、服やカバンでしょうか?それからおいしいお料理もいいですねえ。」


「ほうほう、服にカバンにご飯!他には?もっといっぱいあったら?」


「もっとですか?うーんと、笑わないでくださいね。私は家を買います!大きな家を買ってですね、田舎の家族を呼んであげるんです。それが私の夢ですね」


「なるほど。」



なるほどなるほど。

家族と一緒に暮らす家を買う。いい話じゃないか!



「じゃあクラウスさんは?」



たまたまそこに居たフロントランナーのクラウスさんにも聞いてみる。

30階を越えるうちのギルドのエースはどう考えているんだろう!?



「そうだなあ。装備が欲しいかな?もっと強力な魔剣が欲しいんだ。実は35階層に出現するインフェルノドラゴンが強くてな。3回挑戦したんだけど途中で逃げ帰ってばっかりだ。」


「へー?ボス部屋って途中で帰れるんだ?」


「転移珠を使い捨てれば大丈夫だぜ。『地上へ』って念じて握りつぶせばいいんだ。どうせ転移珠なんてあふれてるだろ?」


「あふれてる?ん?」


「ボス倒したら大体出るんだし、その気になりゃマラソンすればいいんだしなあ。俺なんてボス周回してた時も有るから魔法袋に何十個も……」



ん?大体出る?ボス倒したら?何十個?んんん?


なんだかこのおじさんおかしな事いってない?ん??


「落ち着いてください」

(落ち着くプル)


そうだね。落ち着こう。深呼吸だ。

すーはー。すーはー!

えーっと、気を取り直して。



「それで、お金があったら武器屋の覇龍の大剣でも買うのかな?」


「そうだな。それから、もっと金ためてでかい家を買って嫁とその家族と一緒に暮らしたい。」


「嫁と家族と??」



どこかで聞いたような。しかもついさっき。



「そういうことだ。リリー。35階層を突破したら、俺と結婚してくれないか」


「「「おおー!」」」


「クラウス……はい……(ポッ」



んん?一体何なんだこの展開?


受付のリリーさんは感動して泣いてるし、周りの冒険者は『イケメンしね!』『もげろ!』『爆発しろ!』とか言いながらも歓迎ムードだ。

リリーさんにいたっては『姫様は私達のキューピッドです』とかいってる。


あんたら私がどうこうする前から付き合ってたんじゃないの?


でも私が納得いかないのはなんと言っても転移珠だ。


大体出る

何十個も 


……解せぬ。




お城に帰ってからお金について聞いてみた。



「シエラ先生はお金がいっぱいあったら何をしますか!」


「お金ですか?私にはすでにある程度ありますので……そうですねえ、研究のための資材でしょうかねえ?」


「研究ですか?」


「はい。魔道工学の研究にはお金がかかるんですよ。」



そうなのか。ちなみにシエラ先生は今まで最新の魔道工学であたらしい武器を作る研究をしていたが、最近はモンスターと魔道工学を組み合わせた美味しいご飯の研究をしているらしい。


それってもしかしなくってもウチの牛乳スライムの影響じゃないかなあ……


その結果生まれたのがとっても美味しい卵を産むバジリスクとすっごく甘い蜂蜜を作るキラービーだ。


ミルクと組み合わせてサイッコーのデザートが出来ちゃうのだ。


つまり早い話がシエラ先生は美味しいもののために使うって事だなあ。

よし、パパとママにも聞いてみよう。



「パパー!」


「どうしたんだい?アーシャちゃん?」


「パパはお金がいっぱいあったらどうしたい?」


「ん?そうだなあ。僕はお金が沢山あったら国民のみんなを元気にするために使いたいかな。」


「元気に?例えば?」


「うーん。みんなが美味しいご飯を食べられるように、農地を広げたり、牧場をつくったり、それから港なんかを作ってもいいねえ。」



パパってすごい!みんなのことを考えてるんだ。

ちゃんと王様なんだ!えらいなあ。


「パパってすごいね!」


「そうかい?えへへ。ありがとうアーシャちゃん。」



パパはすごい。えらいんだなあ。

そう思って歩いているとママが向こうから来た。


「ママはお金がいっぱいあったら何をしたい?」


「ママはもういっぱい持ってるわよ。アーシャちゃんのために使いたいわね」


「ええっ。私は自分で頑張って稼ぐからいいよ!」


「稼いでどうするの?」


「それを相談しに来たんだけど。たとえばね、ギルドのお姉さんは家族と一緒に暮らすんだって。でね、シエラ先生は研究に使うんだって。それでパパはお金があったら国民みんなのために使うんだって。」


「そうね。みんなそれぞれにやりたい事や欲しい物があるのよ。アーシャちゃんもやりたい事や欲しいものを見つけて御覧なさい。そしてそれを目標に努力するのよ。」


「それがないから探してるんだよ……」


「ふふっ。そうね。大事なものでもいいわ。守りたいもの、大切にしたいもの。それを守るためには何が必要か。まあよく考えてみることね。」



そう言ってママは去っていった。

食堂の方へ向かって鼻歌を歌いながら。

今日のおやつはスラちゃん牛乳とシエラ先生特製卵を使ったプリンだ。

ママの行動はすごく分かりやすいなあ。


うーん、ママは難しいことを言ってかっこよかったけど、最後の行動がなあ。

読んで頂いてありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ