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深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第一章 幼女はダンジョンの夢をみる
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第6話 レベルアップ

「ふーははー!よわい!よわすぎるぞー!」


「楽しそうで何よりです。」



カリナはニコニコとうれしそうな顔でこちらを見ている。

そんなに喜んでもらっちゃこまるなあ。えいえい!


調子に乗ってスライムとテントウ虫をポコポコポコポコ。ポコポコ殴って魔法も練習がてらに打ちまくる。そうして数十匹を倒したところで突然それは起こった。



『ぱぱらぱっぱぱーん!』



ほえ!?なにいまの!?変な音したぞ!?



「カリナ!今変な音出した? 」


「な、何もしてないですよ!?どうしました?」


「ラッパの音みたいなのがしたよ!?カリナのおならかと思った」



ファンファーレのようなすごい音がしたぞ!?かなりの大音量だったからカリナがすんごいおならをしたのかと思った。カリナも確か伯爵家の令嬢のはずなのにとんでもない事をするなあと思ったんだけど、カリナは何もしてないって言ってるし、聞こえてなさそう。

あの音でカリナに聞こえないはずないと思うんだけど。



「アーシャ様?私はおならなんかしてませんよ!?」


「ごめんごめん。派手な音が急にしたからびっくりしちゃって」


「ああ、多分それはレベルアップの音ですよ。人によって鳴る音は違うらしいですが。とにかくおめでとうございます、アーシャ様」


「ありがと!これがレベルアップかあ。ぬふふ。また一つ強くなってしまった!」


「うれしそうですね。素敵ですアーシャ様」



さっきの『また一つ強くなってしまった』は大昔の剣聖が残した言葉だ。剣聖としてモンスターと戦い、人間や魔族とあらゆる戦場で、あるいは一騎打ちで長く戦ってきた。


そして壮年になって弟子をとり育てていた彼はある日、若い弟子の一人に誘われてダンジョンにいった。そこで襲い来るモンスターをばったばったと薙ぎ払い、初めてのレベルアップを迎えたときに「また一つ強くなってしまった」との言葉を残したそうだ。そしてその弟子が見た所、明らかに動きのキレがよくなっていたと。


だが、彼はそれ以降、ダンジョンへは行ってないらしい。弟子がまた誘っても断ったと。


でも私はさっきレベルアップを体験したけど、なんだかちっとも強くなった感覚がない。人によってはすごく体感できるらしいんだけどな?



「それにしても、何でダンジョンへ行かなくなったんだろう?」


「剣聖のクラウド様のことですよね?普通の人のままで居たかったらしいですよ。よく分かりませんが」


「ふうーん?」



よくわかんないや。強くなって悪いことなんてないと思うけどなー。

以前に少しだけシエラ先生が教えてくれた話だと、レベルアップは溜まった魔力を解放するきっかけらしい。なんのこっちゃと思うが、要は普段から頑張って鍛えていたらレベルも上がりやすいって事?


それにしてもダンジョンでのレベルアップを経ずに剣聖と呼ばれるほど強くなるなんて凄い。

弟子には高レベルの人も多数いたって事なんだけど、それでもぜんぜん敵わなかったらしいし、とんでもない強さだったんだろうなー。


そんなことを考えながらポコポコポコポコ倒す事数百匹。

またしても大変なことが起きた。


大変だ。ものっすごく大変なことが起きてしまった。


飽きた。



「カリナぁ……飽きたからさあ」

「ダメですよ?」



飽きた。だってものっすごく弱いんだもん。

ぷちスラもテントウムシも一発ポコっと殴っただけで倒してしまう。


魔法を撃つまでもない。

魔石はぽろぽろっと出ている。といっても全部で50個くらいか。

1個で5ゼニーだからこれで250ゼニーくらいだ。つまりはさっきママにもらったお小遣いの分も稼げていない。つまりさっきの串焼き1本分もまだ稼げてないのだ。こんなに頑張ったのに?


……いや、大して頑張ってはないか。だって弱いんだもん。

ポコポコっとしたら倒せる。多分私達のように子供が来ても何の問題もないだろう。子供がお小遣いを稼ぎに来て、ポコポコして帰るには悪くないのかも?その割に小さな子がいないなあ。



「お小遣い稼ぎにはいいかもと思うんだけど、何で他に子供がいないんだろ?」


「そりゃ、入り口で一応兵が見張ってますから。あんまり小さい子だと入場させないようになっていますよ。冒険者志望の子もある程度大きくなると2層以降や他のダンジョンに行きますから、ここは本当に初心者しか来ないですね」


「なるほど。私のような超初心者だけってことね。」


「そういうことです。ここから頑張りましょう。」


キリが悪かったので少し短めになっています。


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