表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第3章 少女はダンジョンを攻略する
56/183

第4話 ボス部屋だ!

ホブゴブリン相手に離れてチクチクっと少しずつ削って完封勝利をした。

我ながら完璧な戦いぶりだなあ。ちょっとかわいそうだったかなーっと思っていると。



「いやあ、なかなか酷い戦いっぷりでした」



なんてことを言うのだこいつは。

自分でもちょっと酷いとは思ってたけどそんな言い方しなくてもええやろ!

キングさんがうつっちゃったじゃないか!くそう!



「むむ。そんな言い方しなくてもいいでしょ?」


「悪く言うつもりはありません。見事に相手を完封した、すばらしい戦いっぷりでしたよ」



じゃあ酷いって何だ酷いって!

最初っからすばらしいって言えばいいだろうに。まったくもう!

最近カリナは遠慮が無くなったと言うか生意気になったというか。

まったくもー!プンプンだぞこいつめ!



そんなチクチク完封したホブさんはまた何も落とさない。

私はアイテムドロップ運が悪いんじゃないかと若干思うけど、それは考えちゃダメだな。

運が悪いなら数をこなせばいいのだ!


ただまあ、ホブさんはろくなものを落とさないと言う評価なので、こんなところでレアドロップが出るくらいなら何も出さない方がマシだ。


そういうことにしとこ。な?

そういう事にして……ね……


やや悲しい気分を抱えつつ、プリンちゃんの指示に従ってモリモリ進む。

どんどん進む。

ぐいぐい進む。


そうすると扉のある部屋が。

これはあれだ。まちがいない。



「ボス部屋だね」


「ですね。どうします?」


「勿論行くよ。カリナは危なくなったらフォローしてね」


「はい、お任せください」



扉を開けて中に入る。多分ゴブリンが複数出てくるんだろうなあ。



「こんちわーっ」


「グギャッギャーイ」



ゴブリンちゃん達も大歓迎のようだ。

えーっと、見える範囲での構成はホブゴブリンの剣持ちが1体に棍棒ゴブ1、弓ゴブ2、魔法ゴブ1だ。

全部で5体か。しかもなかなかいい構成じゃないか


そいじゃあ行くぞー!


ホブの正面から突っ込んでいくと見せかけて急停止。

空振りしたホブの剣を持ってない左側にキュッと入る。

その時同時に左足をプスッと刺してそのままダッシュ!


そして鈍器ゴブは一旦放置して、近くにいた弓持ちを一体しとめる。

この間私はもちろん走りっぱなしだ。


目標は勿論魔法ゴブ。

魔法タイプは最速で仕留める必要がある。

逆に言うと私がPTで後衛やってたら一番狙われる位置だってことだ。

だから槍なんかを練習しているわけだけども。


まあそう言っても槍だって思いっきり矢面に立たされるわけだからどっちが安全って訳でもない。

槍を持って魔法を後衛で使うのが一番安全?でもどうせ魔法メインで戦うなら杖で少しでも強化した方が……まあ気にしてもしょうがない。一長一短とはこういうことを言うのだ。



考え事をしながら走っていたら魔法ゴブが打ってきた。これは火矢ファイアボルトだな。


火矢ファイアボルトは私もよく使う、一番初心者向きで応用範囲の広い魔法だ。

キライじゃないっていうかかなり好きな魔法だ。

消費魔力も少ないし、連発できる。威力だってそんなに低くないと特に欠点がない。


まあ今まさにその欠点の無い魔法が私自身に向かってきているわけだが。


でも火矢ファイアボルトは単発だと対処は極めて簡単だ。避けるか弾く。どっちでもいい。火矢の速度はそれほど速くない。普通の矢くらいだね。


私は向かってくる火矢を避ける。

2発目も避ける。そうするともう目の前だ。



「遅い!」



魔法ゴブの胸を突いて一撃で仕留める。


これで後3体!

と思ったところで弓ゴブから矢が飛んでくる。



「あぶなっ!」



手の甲に魔力を集めて弾く。

くそう。油断してたなあ。

反省しつつ弓、鈍器ゴブと倒し、最後は初めに足に傷をつけた剣ホブだ。



1体1なら何ということはない。チクチクと刻んで完封して仕留めた。



「はあ、一発もらっちゃったなあ」



やはり深く止めを刺した後の隙は大きい。

刺突武器はこれだからなあ。

今回は普通のゴブリンの弓だったからどうという事はなかった。



―――でも、もっと強いアーチャーなら、あるいは毒が付与してあったなら。危ない危ない。



「お疲れ様でした。かっこよかったですよ」


「ほんとに?『一発もらってる。ばーっかじゃないの?』とか思ってない?」


「ふふっ。私がそんな事思うはずないじゃないですか。ステキでしたよアーシャ様」


「そうかなあ。」



自分じゃまだまだだなーって思ってたんだけど、そんな風にいわれると照れちゃうじゃないか。

調子狂うなあ。まったく。



ふええ…お仕事で遅くなったよおお

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ