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深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第3章 少女はダンジョンを攻略する
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第2話 短槍デビュー!

そんなこんなでいつものようにおやつと串焼きを買ってユグ裏へ。

もうユグ裏ダンジョンも慣れたもんだなあ。

始めのころはダンジョンに入るだけでもどきどきしたのに今となっては何と……まだ3層だったわ。


そう言っても今日の私は一味違う。いつもの私はプリンちゃん達を育てるために通っているようなものでたまに魔法を打つ程度だが、今日何が違うかというとこれだ!




アーシャの槍 

作成者:アイーシャリエル・エル・ラ・ユグドラシル

属性:無

攻撃力:113

素材:魔鉄・エルダートレント



どどーんっ!

これは私がウチの鍛冶屋さんで遊ばせてもらった時に作った穂先に、鍛冶職人のベルレットさんが庭に落ちてたトレントの枝で柄を作ってくれたのだ。

あいつらまた喧嘩したらしい。今度は何の枝をくくりつけてやろうかしらってママが言ってたけど。

私が持ちやすいように短めの片手槍だ。これがまた馴染む馴染む。


さーて、これでゴブリンちゃんをモリモリとたおしてガンガン進むぞー


と言うわけでユグ裏に入って通いなれた道を通って2層へ。

1層?1層はスラちゃんを仲間にするとき以外は無視だよ。



やってきたぞ2層。さーて練習だ!

裸のゴブリンに対して槍の動きを確認しながら攻撃する。


槍の基本は突きと払い、頭上からのたたきつけだ。

そして間合いの中に入られたときの受けと石突での対応。

勿論リーチを大事に使って相手に近寄らせないように倒すと言うのが基本中の基本だ。

ゴブリンの体は私と大きさ的に大差ない。

短槍ならリーチは完全に勝っている。近寄らせないように倒せるはず。


なぜ私が剣ではなく槍を選んだかと言うと、金属が槍の穂先の形になったから。それだけだけど。

ホントなら体も小さいし力もまだ弱いから短剣なんかの方がよかったような気もする。

でも槍術のスキルも生えてたし、槍を試してみたくなってもしょうがないじゃないか。


そんなことを考えながら戦ってたら裸ゴブリンさんはいつの間にか死んでた。


「考え事をしながらとは酷いですねアーシャ様」


「うんまあ、今のは私も酷かったような気がする」


(ひどいぷる)


体に引っ付いてるプリンちゃんも酷いって言う。そんな事はない…よ?

色々と考えながら戦うのだって悪くないはずだ。たぶん。


さて、魔石も何も落ちてないしサクサク進もう。


3層は武器を持ったゴブリンが出てくる階層だ。と言ってもそんなに危険はない。

なんてったってプリンちゃんがホイホイ倒せちゃうレベルなのだ。


ホイホイと歩いているとダンジョンの曲がり角から棍棒を持ったゴブリンが現れた。

さあ、武器を持った人型の相手だ。いい特訓相手だな!



「さあ、我が……えーと、やり、や…えーっと、そうだ!竜閃槍の餌食にしてやろう!」


「思いっきり今名前考えましたよね?」


「うるっさいなあもう!」



ゴブリンの前に進み、構える。

振るってくる棍棒を弾く、避ける、止める。

魔力で槍を保護しているので、棍棒が当たっても槍に傷は付かない。まずは防御の確認からだ。


シエラ先生は何でも教えてくれるけど組み手はあんまりやってくれないので、モンスターで練習しているのだけれど、ゴブリンだとちょっと遅いし、雑だし。余裕がありすぎだなあ。


さあ、防御の型はこの辺で置いておくとして、次は攻撃だ。

基本の通り構えて、突く。

人型のモンスターは体の正中に弱点があることが多いので正中ラインを狙って突く。

眉間、喉、鳩尾、下腹部。四連突きだ。



「ヤッ!」



トストストストスっと軽く突く。

軽く突いたのに、ゴブリンちゃんは突きが終わるとすぐに消えて無くなってしまった。



「もう倒しちゃった。楽しくなってきたところなのに」


「まあゴブリンですから仕方ありません。4層に行きましょうか」



よし、次いこう次!

と言うわけで4層へ。4層はゴブリンメイジを含むゴブリンのパーティーだが出現する階層だ。

なんだかユグ裏はゴブリンばっかりだな。


今のところカリナに手伝わせる気はない。

今日ここへ来た目的は私の近接戦闘の訓練がメインなのだ。

ぶっちゃけ魔法を使えば楽勝な相手だしね。



「じゃあ一人で行ってみるから、手を出さないでね?」


「はい。アーシャ様、念のためですが、防御メインでお願いしますね?」


「分かってるよ。」



『纏』をしっかりと発現させて、『鎧』と成す。

ちょうどいい所にゴブリンが来ている。鈍器、弓、魔法の3対のゴブリンだ。

なかなかいい構成じゃないか!しかもウチのパーティーより一人多い。くそう!


ゴブリンもこちらに気付いたみたいだ。流石にこれだけ魔力を出せばバレる。

ササッと近寄って手前にいる鈍器持ちの足を払う。片足を軽く穂先で切って、次に移る。


次に狙うは弓持ちだ。矢を放ってきた。遅い!弾くことは可能だが一度手で受けてみる。

上腕部の手甲に魔力を軽く集めると「カンッ!」と軽い音を出して矢は弾かれた。


そのまま弓ゴブリンの胸を一突き。

弓ゴブリンに攻撃している間に魔法ゴブリンが魔法を放ってきた。

魔法は当たるのが怖いので回避して槍で薙ぎ払う。

そして最後に鈍器ゴブリンに止めを刺して終わりだ。


わざわざ魔力いっぱい使って『鎧』を形成したけど別にいらなかったかな?



「ふう。どうだった?」


「試してみたかったのは分かりますが、わざと受けるのはどうかと思います。もし毒矢だったり、弾いた先に何かが起こったりしたら。あと、魔法を回避した後私のほうに飛んできたので、それも…」


「え!?そうだっけ?」



よく見ればカリナの足元が焦げてる。いやあ。悪い事したなあ。

でも当たってくれてれば治癒魔法の練習台になってちょうど良かったかもなあ。



「今とても悪いことを考えている時の顔をしておられましたが??」


「キノセイデス」


(してたプル。気をつけたほうがいいプル)



そうか。気をつけよう。

どうもすぐ顔に出るんだよなー。仮面でも被ろうかなあ。

まあそのうち考えよっと。

ようやくダンジョンモノっぽくなってきました

槍を持っていますが、子供の持つ短槍なので間合いは大人の長剣より短いかも程度です。

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