第22話 エピローグ2
次の章へのつなぎです。次からようやくダンジョンモノっぽく。
晩餐会のあと、沢山お土産をもらってママのドラゴンに乗って帰った。
ママからのごほうびでユグ裏ダンジョンの3層までは解禁になったので早速出かけることにした。
そこ以降は12歳になってからだってさ。
お供はいつも通りカリナとプリンちゃんと万一に備えて抹茶。さあ出発だ!
さくさくと1層を抜けて2層へ移動する。
2層は素手のゴブリンと青い色の蛇だけだった。ブルースネイクって言うらしい。そのまんまだね。
ゴブリンは話しかけても返事はしてくれないし、素手でポコポコ殴ってくるだけですごく弱い。試しに殴られてみようかと思ったけど止められた。
蛇はただの蛇だった。試しに噛まれてみようかと思ったけどまたカリナに全力で止められたから止めた。
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ」
「アーシャ様……そりゃ心配しますよ。ご存知ですか?姫の評判を」
「評判?なにそれ?」
「晩餐会に出席されていた方からアーシャ様が絶世の美少女だとの評判が広がっているようですよ。まだ幼いけれども間違いなく当代を代表する美女になると。」
「ならなくていいよ。そういうの興味ないし」
「ええっ!私は姫が評価されて嬉しいですよ!?」
「やだよ。結婚して欲しいとか言われても面倒じゃん。モンスター発表会で会ったガーさんだってめんどくさかったじゃない。ミルクで酔っ払ってたし。そういえばカリナもミルクで酔っ払ってめんどくさかった事が……」
「わ、私めんどくさかったですか!?」
「うん。だって酔っ払って私のベッドで寝ちゃってもうまいっちゃったよ」
「申し訳ありません。姫様……」
そんなにあやまらなくてもいいんだけど。ちょっと鬱陶しかっただけだからね。
探索は何の問題もなく進んだ。2階層もホイホイと進んで次は3階層へ。
3階層に出てくるモンスターは武器を持ったゴブリンと赤い蛇だ。
といっても棍棒と錆びた弓矢だ。弓矢は錆びきっているのであんまり刺さらないけど別の意味で危ない。いずれは毒対策なんかが必要になってくるだろう。
「3層まで来たけどプリンちゃんの育成くらいにしか使えなさそうだね。私達は楽勝すぎてあんまり意味無いよ」
「そうですね。レベルもあがりそうにないです。姫もどうやらレベルアップなんかしそうに無いですね」
「そうだねえ。レベルアップってどういうシステムなんだろうね」
「うーん、聞いた所では強いモンスターを倒してマナを吸収しているだとか何とか。ならどうしてダンジョン内だけそういうことが起こるのかが不明なのですが」
「だよね。外でモンスターを倒したって、ある意味外の動物や人間と戦ってもレベルが上がりそうなんだけどねえ。」
ダンジョン内でしかレベルアップは起こらない。
そのかわり、ダンジョン内で『ある程度』の経験をすればレベルが上がる。
『ある程度』は人によって異なっており、簡単な事で何回もホイホイレベルが上がる人けど、成長は少ないもいれば、なかなかレベルが上がらないけど一度にドンッと強くなる人もいるらしい。
よくわかんないねえ。種族によるって研究者もいるらしいけど、検証してみたら同種族であったり、親子でも成長のタイプは違うってことだし。難しいなあ。
とりあえず、2層に戻ってプリンちゃんと抹茶のレベル上げをしよう。見た感じ順調に育ってるし。
2層でたっぷりとプリンちゃんと抹茶のレベル上げを楽しんだ後は3層でもひたすら戦わせてレベルを上げる。
そしてゴブリン相手に無双するスライムが2体出来た頃にはもう1年が過ぎていた。
エピローグは短いです。
2章は全体に外伝的な位置づけでよかった気がする。
アーシャにも貴族的なことを、と思って書き始めたのですが。
ダンスさせるところのイメージが先にあって、そこを書くために随分と回り道をしてしまいました。
今後ともよろしくお願いします。




