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深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第5章 少女は一流冒険者になる
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第37話 効率厨

ザカンさんのところに押しかけてお買い物をした翌日、私達は改めて58層の探索をすることに。


ユリアンヌちゃんが水中呼吸の魔法を使えるとのことなので、とりあえず階段のところで『水中呼吸』をかけて貰って探索開始。ちなみにこの魔法は一回かけたら2時間は持つんだって。コスパ抜群の便利な魔法だなあ。



「やっぱり浅いところで膝くらいまであるね。冷たくって気持ちいいなあ」


「ですね。でもあんまり長く浸かると寒くなりそうです。ところで私とアーシャ様は泳げますが皆さん大丈夫ですよね?」


「もっちろん!」

「私も、もちろん大丈夫ですよ」

(ぷる!)

「にゃー!」

「がうう??」



あら、白竜のシロちゃんだけが微妙そうなお返事だった。

まあドラゴンだし水に浸かっても水面まで出たらあとは空飛べばいいんじゃね?と適当な感想を抱く。もし引きずり込まれても自分で何とかできそうじゃん?なんといってもドラゴンだし。



「まあ大丈夫でしょ。いざとなったら水中で聖属性魔法撃ちまくれば?それから水面まで…飛べばいいんだよ飛べば!」


「水中じゃあ飛べないと思いますが。危ないと思うなら空間魔法の中に戻っていればどうです?」


「……がう。」



私はいいんじゃねと思ったけど、シロちゃんはエルさんに催促して『フェアリーパラダイス』に戻っていった。にゃろう!気合が足りん!わしの若いときは……なんて爺みたいなことは思わない。

まあ向き不向きはあるからいいんじゃないかな!



さて、探索再開。

膝までと思ったけど場所によっては腰まで水につかりながらの戦いになる。


ここまでにワニ型やサメ型のモンスターを倒した。流石に水棲生物は大きく、小さな個体でも5m程度はある。大きいのだと10mくらいあった。

ただ、何と言うモンスターなのか、属性は何なのかは分からない。

最下層付近独特の真っ黒の個体ばっかりだからね……まあ、まず水だとは思うけど。


今のところ戦闘自体は危なげなく戦えている。


(右前方からサメのウォーターボルトが来てるプル)

「右前だって!」


私が前に出て盾で跳ね上げる。水中から直接跳ね上がって襲い掛かる水属性魔法は場所による補正もかかっているようで重く、鋭い。まともに受け止めたら水圧で体が浮くほどだ。


「お返しです。ウォータートルネード!」


ユリアンヌちゃんの攻撃。

水によるグルグル回る水流攻撃なのだ。ちなみにこの魔法をうちのママに言わせると洗濯魔法だ。

布やら靴やらをぐるぐるぐるーっとしてきれいに乾かすと驚くほどきれいになるというステキ魔法。


うちのスラちゃんの一匹に『洗剤スライム』がいるんだけど、洗剤ちゃんにあらかじめ突っ込んでおいてそれからぐるぐるするとさらにきれいに……って今はそれどころじゃないぞ!


ぐるぐるーっと回る水に捕らえられ、水面から打ち上げられたサメをカリナとエルさんが撃つ!


「エレメンタルアロー!」

「スプレッドスナイプ!」


ドカーン!っとサメを撃破。いい感じイ!

この調子でガンガン行こうぜ!まあ私は盾かまえただけで後は何もやってないけどな!


「よーし、ガンガン行こうぜだ!」


このルーティーンは使えると確信した私達は、私が前にガンガン出て行って敵を釣る。

そして釣ってきた敵を待ち構えていたユリアンヌちゃんが捕らえてみんなで狙撃して倒す。

いいね!実にいい!色々稼げて効率がいい!

効率がいいってなんだかすごくいい言葉だ!ビバ効率!ヒャッハー!


「効率がいいね!なんだか効率いいって言葉だけでテンション上がるね!」


(ネトゲ中毒患者みたいプル)

「うにゃあ…」


なんだかプリンちゃんとココアちゃんの反応は微妙だけど気にしない!

というかこれはいわゆる釣り野伏せってやつだ。ママにちょっとだけ習った戦術の授業で聞いたぞ!うーん、これは単純だけどいい感じだなあ。

問題は敵が警戒して釣れない場合もあるって事なんだけど、ダンジョンのモンスターは基本的にアホだからモリモリ釣れる。


たおす!けいけんち!おかね!どろっぷ!ひゃっはーい!



……って油断するでしょ?

当然やらかすでしょ??


テンションアゲアゲで大暴れしていた私は、気が付いたら水中の深いところに引きずり込まれていた。どうやられたのかはわかんないけど、ワニとサメ以外にもクラゲのようなのがいたみたいだ。

チクッとするやつが絡まってきて、あわてて銛で突き殺したけど時はすでに遅く。


気が付いたら水の中だったのだ。

水中散歩といえば、響きは中々いいものだ。でも実情は目を開けてもぼやけてあんまり見えないし、目が痛いし。音はあんまり聞こえないし鼻は息が出来るとはいえ匂いはない。

ついでに言うとどっちが上か下かもよくわかんない。



『まいったなー』


(水面がどっちか分かるプル!?)


『うーん、明るいほうはあっちかなあ。息も出来るし進んでみるよ』



水中呼吸の魔法はばっちり効いてるし、しばらくは死なないだろう。

水面はきっと明るいほうだろう。服についていた気泡も明るいほうに向かっているし。


上?にいるプリンちゃんと念話もちゃんとできてるし、特に問題はない。はず。



『よっしがんがんいこー!』



といっても水面に向かって進むだけである。

なーに大したことはない。足のほうから水魔法を出して、推進力に変える。

そのまま明るいほうに向かって……とーう!


右手をグーに握って突き上げるポーズでザッパーンと水面から飛び出した。ふーはははー!

あっさり脱出!よっしゃーい!


「ふはははははー!だっしゅーつ!……あれ?」


水面から空に飛び出した。見下ろす世界は水水水。それしかない。

浅瀬っぽいところも見えないし、仲間たちの姿も見えない。


アーシャ、ここに着てまさかの……迷子ッ!


効率を求めすぎて調子に乗ると死ぬんだよなあ。


この章は長くなりそうだなあと思っていましたが本当に長くなってしまっています。話があまりにも進まないので書いてて自分でもダレてきてます。いずればっさり編集…する気力もあんまりない。

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