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深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第5章 少女は一流冒険者になる
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第27話 暴走

40層後半はキメラ三昧。

キメラと言ってもいろいろあるんだけど、見た目も何もかもバランスが悪くって気持ち悪いのばっかりだった。その気持ち悪いキメラとばっかり戦ってて、もうイヤになったので50層のボスはまた今度でいいかってことにして帰ることになった。



転移で『ぴょーい』っと帰って宿へ行くとギルドの受付のほうに来てねって伝言があったみたい。

ああ、こりゃきっと雷獣ちゃんの件だなと思いつつ冒険者ギルドへ。



「パーティーとかあるのかな?やだなあ、めんどくさいなあ。」


「アーシャ様、今度は名前を覚えなくてもいいと思いますよ……まあ、前回も最後は覚える努力を投げ捨てたような気はしますが」


「アーシャちゃんの晩餐会デビューってあれでしょ?テイミング学会の後のやつ。ママがすっごくかわいくて賢い子だったっていってたよ」


「それは気のせいだよ……」


「気のせいじゃありませんよ。私の国のほうでも話題になっていました。妖精だ、天使だ、いや女神様だ!って話題になっていました。美しく、気品にあふれているお姿は神々しいとしか言いようがないと、神代より蘇りし女神様だといっている方もいました。まあ父から聞いた話ですが。」


「「「父親かよ!」」」



ユリアンヌちゃんだいぶおかしくなってきたと思ってたけど、ユリアンヌパパもだいぶ壊れてるんじゃないか。私が女神って。私は女神と言うような神聖なものじゃなくって、どっちかというと魔王とか魔神とかそっち系だと思うけど。



「それで私はアーシャ様にお会いするためにユグドラシルの学園に通い始めたわけなのですが、アーシャ様と同級生になったときは運命を感じました。お話しするときには緊張してしまって。授業の時にアーシャ様に水属性魔法をご指導いただいたあの日以降、私の中はアーシャ様一色でした。あの薔薇色の日々は私の宝物として一生大切に―――」



やばい。変なスイッチが入っちゃったみたいだ。すごく早口でどんどん喋ってる!


話を変えよう、何とかしないと!

カリナもエルさんもどうしようどうしようって顔だ。



(話を変えるんだ!何とかしてよ!)


(僕には無理プルなあ)



念話を送ってみたけど返事してくれるのはプリンちゃんだけ。

だれか!たすけてー!



「にゃー?」



ココアちゃんの声だ。かわいい。声だけでご飯1杯は軽くいける!……じゃない。

今は多分どうにも私のココアちゃんじゃあ……?



「そうだ!雷獣ちゃんの名前ってどうなったんだっけ!」


「そ、そうですね!エルさんどうなったのですか!?」


「ユ、ユリアンヌちゃんが決めるって言ってたよね?どうなったんだっけユリアンヌちゃん??」


「え?そうですね、アーシャ様と雷獣ちゃんとの出会いも衝撃的でした。私はあの様子を間近で見ていられたことに幸せを……」


「いや、その雷獣ちゃんの名前は!」



つい強めに言ってしまった。だってこの暴走止まりそうにないんだもん。



「ライちゃんです。色々悩んだんです。サンちゃんとか、ボルトちゃんとか!」


「なるほど!私も同じような名前考えてたよ!ボルトとかいいよね!後はナットとか六角レンチとか?」


「ボルトはわかりますがナットと六角レンチはないでしょう……?」


「なん……だと……」



かりな は ねがえり を うった!

ちょっと待って欲しい。突然の裏切りに私の脳内も混乱しかない。


折角ユリアンヌちゃんの暴走を何とかしようと思って私が捨て身で切った六角レンチちゃんをあっさりと見殺しにしたのだ。こいつはボケやツッコミの概念が理解できてないに違いない。

いや、私も六角レンチちゃんは無いと思った。思ってたよ!

でもないって言うならもっと『そらないやろー!』的な感じでツッコミをいれてくれるとかさあ!

まあ話が逸らせたからいいんだけどさー。



暴走は止まったものの、なんだか微妙な気分のままだ。

なんとも微妙な気分と雰囲気のままでポテポテと歩いてギルドに着いた。


ギルドに付いたら即ギルドマスターのいる応接室に移動して、晩餐会が明後日あるからよろしくぅ!だって。これ言うだけで人を呼びつけたんだ?ってやや不服だ。


あー、でも分かってたけど明後日かあ。

やだなー、めんどくさいなー。

仕方なく明日は50層を諦めて晩餐会に着ていく服を探すことになった。

あーあ。ま~た姫様稼業かあ。やだなあ。

雷獣の名前は大体予想どおりに。変にひねると覚えにくいだけかなーと。

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