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深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第5章 少女は一流冒険者になる
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第22話 歓迎会?

前回までのあらすじ


40層のボスだった雷獣をココアちゃんがボコボコにしたら仔猫になってテイムできた。やったね!

というわけで新しく仲間になった雷獣ちゃんの歓迎会を行うことになったのだ!


さーって歓迎会だ。

私とエルさんはニッコニコで歓迎会のために帰る用意をしている。


カリナたちは理解が及ばないって顔をしてるけど、かわいい仔猫に罪はないのだ。

片づけをしている間に足元に寄ってくるかわいいかわいいニャンコよ!

カリナたちもその可愛さに一瞬にしてメロメロになって、もはや仔猫の奴隷1号2号V3なのだ。


さて、問題になったのは歓迎会をどこで行うかだ。

ちっちゃい仔猫にしか見えないとはいえ、仮にも40層のボスモンスターである。

そこらでポイポイ放り出していいんだろうか?



「まあいいんじゃないの?この大きさなら誰も気付かないでしょ」


「そうかなあ?……まあそうだよね。そういうことにしとこ。」



40層にいたボスは体長が10mを超えていたのだ。

それが顔形も仔猫ちゃんで、大きさは普通の成猫くらい。

まあ、ふつうの成猫サイズなのにどう見ても見た目は仔猫って時点で将来やばいんだけど。


仔猫ちゃんをエルさんの空間魔法に入れたらいやだってごねてたから、ユリアンヌちゃんの肩に乗せて宿へ。ふかふか猫マフラーも羨ましいけど、それよりこんなでかい仔猫がいるのか!?と私は思ったんだ。良く考えたら自分のところにもいたけどね。


でも色々気になることはあるけど、みんながあんまり気にしてないので大丈夫かなーって連れたまま宿に帰ることになった。



「うわあ!かわいいですね~!拾ってきたんですか?」


「うん、ちょっとそこらでね?」



そこらのダンジョンの40層だ。間違えてはない。

早速受け付けのお姉さんに注目されてるけど気にしてはいけない。


受付のお姉さんは茶色の髪に小さな角が二つ、かわいい翼に尻尾があるという魔族の娘さんだ。小さめの翼もとっても可愛いし、フリフリする尻尾がたまんないね!



「可愛い猫ちゃんですねー。でもあんまり見たことがない柄のような……?」


「そうだね。私もあんまりこういう柄は見たことないなあ」



猫といえばよくいそうな縞々や豹柄ではない。もちろんハチワレでもブチでも真っ白や真っ黒でもない。

例えなくても雷のような紋様なのだ。黒い体に黄色い毛で雷のような柄だ。

うーん、見る人が見れば一発なんじゃないか??

まあ知ってる人に見つからなければバレない。

ただの可愛い猫ちゃんだ。だいじょーぶだいじょーぶ。



「かんぱーい。おつかれー!」


「「「おつかれさまでしたー」」」


「「にゃにゃーん!」」



あんまり疲れてないけど持ってきてもらったジュースでお疲れ様のカンパイ!

いやあこの一杯の為に生きて……



「黒地に雷のような黄色の……これもしかして伝説の雷獣様じゃないですか!?」


「「「ブフー!」」」



受付のお姉さんとは違って給仕のお姉さんは知ってたみたい。どうしよどうしよ!

給仕のお姉さんは髪がピンク色で小さな翼にぷりちーな尻尾の……っていまそれどころじゃない!

思いっきりばれたじゃないか!


「いやあ、この仔はちょっと変わった柄の家猫で…!?」


「家猫がこんなに大きい訳ないじゃないですか!」


……どうにかごまかそうと思ったけど、どうにもならなかった。

替わった模様だなと思っていたけど、この雷柄は雷獣特有として有名なんだって。私だって、そう言われればそうかなと思うよ。見るからに雷だし。


雷獣は魔王領だととっても有難がられているらしい。

何でも雷獣の能力の一つに任意に雨を降らすことができるらしいのだ。

そんなもん水魔法でいいじゃんと思うでしょ?


もちろん魔族の魔術師にも水魔法使いは沢山いるけど、空中の水分を集める事はともかく、水分が殆ど無くてカラカラの時には自前の魔力だけじゃなかなか水は産み出せない。ところが雷獣の雨乞い能力はものすごいものがあって、頼めば次の日には雨を降らせることが出来るんだって。


だから何代か前の魔王様の時代には、魔王領は荒野や砂漠が今よりはるかに多くって周辺地域も大変だったのだけれど、その魔王様は所持していた雷獣と共に魔王領のあっちこっちに出向いて荒野や砂漠になってしまっているところに雨を降らせて回っていたんだって。そのおかげで魔王領はその頃よりも随分緑も多くなって暮らしやすくなったとか。



そういやその話は本で読んだことある。

かなり有名な話で魔王様は名君だって誉れ高い……名前なんだっけ?エス……何とか魔王だ。

うん、そう。たぶんそう。そんな気がしなくもない。

読んだことあるのにすっかり忘れてた。というかどこかで引っかかってたから拙いんじゃね?とおもってたんだな。きっとそうだ。





ユグドラシル王国は緑や水が多いところだからあんまり気にしたことが無かったけど、世界には神代の頃の魔力災害で荒野や砂漠があっちこっちにある。

特に魔王領はそれがあっちこっちにあって近くに住んでいる人は大変なんだって。


ってな話を元冒険者だったらしい給仕のお姉さんに聞いた。

受付のお姉さんとは姉妹になるんだって。


そのお姉さんは話の間ずーっと給仕作業をほっぽりだして雷獣ちゃんを撫で撫でモフモフしているのだけど。尊敬しているんじゃなかったのかと思うけどそれと可愛いとはまた別なんだって。まあそれは分かる。分かりすぎる。


それで、この雷獣を別に秘密にする必要はないけど、奪われたりしたら困るってことなのでちゃんとギルドにひとこと言っておいたほうがいいってことになった。

ギルド行くのなんてめんどくさいなーとは思うけど仕方ない。まだお昼過ぎだし、ノンビリとみんなで歓迎会の続きにごはんをいっぱい食べて。それからギルドへ。







「たのもーう!」


「うわっ!何ですかいきなり!」


「いつもとちょっと変えてみようと思って……ごめんね?」


「「うぐっ!」」




『こんちわー!』じゃなくって『たのもーう!』にしたのはたいした意味はない。

でもカリナがビックリしたって言うので小首をかしげたママ直伝のおねだりポーズで謝った。



結果……こうかはばつぐんだ!



カリナとユリアンヌちゃんは悶え苦しんでおるわ!

でもエルさんにはあんまり効果ないんだよなー?なんでなんだろね?



「ほらほら。邪魔になってるから行くわよ」


「はーい。」



後ろでハァハァと荒い息をしている二人を放置して受付のほうへ。



「いらっしゃいませアイーシャリエル様。本日は……魔石の売却ですか?依頼か何か?」


「いや、そうじゃなくって。ペットが増えたんだけど、宿のお姉さんがちゃんとギルドに報告したほうがいいって言うもんだから。」



そういって雷獣ちゃんを出す。


脇の下で抱っこしてほいっと。ちょっと怖がってるけどどうってことはない。私がジッとしろといえばジッとするのだ!


「なんだか怖がってますね。こわくないよ。よーしよーし。」


怖がってるのは私に対してだと思うけど、そこは気にするべきところでも言うところでもないな?

雷獣ちゃんにもしかし名前をつけてあげないといけないな。ライちゃんかサンダー……だめだ。もうちょっとカッコいいところで何とかしたい。黒と黄色だからブラックサンダー……!?なんだか甘そうな味だ。これもちょっと…いやアリか!?



「……様?アイーシャリエル様?」


「あっはい!」


「その…もしかしてですが」



多分そのもしかしてだと思うけど。

そう思っていたら受付のお姉さんが小声で問う。



「この子は雷獣様では?」


「たぶんそうかなって。」



だから私も小声で帰す。鑑定してもそうだし間違いないとは思うんだけどな。



「えーっと、私では処理しかねますので、ギルドマスターのほうに話は通しておきます。明日には結論が出るかと思いますので、また明日ギルドに来ていただけませんか?」


「めんどくさいけど…はい。」


「よろしくお願いしますね。」


「ああ、ついでにたまってた魔石の換金お願いします」


「承ります。では魔石をお見せ願いします」


「はーい」




どっちにしろ換金はしようと思っていたので、たまった魔石を取り出す。カリナの倉庫からだけど。

私の倉庫に入ってたのはスラちゃんたちが集めてくれていたので纏めてカリナの空間倉庫へぽいぽいっと。


いやあ、楽だわ。魔石来いよーって念じるだけでポイポイ分別されて出てくるんだから。

ただし、傍目にはカリナの上着のポケットから大量に出てきているわけだけど。



「いやちょっとアーシャ様!?」


「良いではないか良いではないか」



そんなやり取りをしながらどんどん出す。カリナも諦めて自分でも取り出す。



「多いですねえ……」


「面倒だったもんで。えへへ」



40階層までの分まとめてだしなあ。

低層のは小さなゴミみたいな魔石だけど、ちゃんと大きなのも混じってる。

モリモリと漁ってバケツいっぱいの魔石を一気に換金することにした。

こっちの計算も明日までにやってくれるって。



さて、用事は終わったし帰ってゴハン食べてねよーっと!

あっれ歓迎会の描写は?

書いていて編集していて、あっれ??と思った回です。


評価・ブクマおねがいしまーっす

評価の仕方も変わっているみたいですがぽちっと!おねがいします!

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