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深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第5章 少女は一流冒険者になる
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第21話 雷獣

元ボスモンスターの仔猫ちゃんはとりあえずエルさんのところにお預かりになった。

ユリアンヌちゃんが羨ましそうに見ていたけど、空間魔法がないから、現状だと連れ歩くしかないないのだ。ダンジョンの中で仔猫を連れ歩くとすぐに死んじゃうんじゃないかってことで、エルさんの『フェアリーパラダイス』へ。


……最後まで私には怯えていたけどそのうちなついてくれるだろう。そのうち。たぶん。



「それにしても可愛いニャンニャンだったね!」


「ですねえ。カイトくんの昔を思い出しました。今は立派になって……」


「ウチのトラちゃんもあんなのだったなあ」


「いいなあ。私はココアちゃんの小さい頃あんまり覚えてないからなあ。」


「かわいかったですねえ。私もネコさん欲しくなってきました」


「欲しくなったって。ユリアンヌちゃんが飼えばいいじゃん」



どうせいいとこのお姫様なんだし、猫の一匹くらいいいだろう。今のところは。

問題は成長すると10m以上のサイズになるということだけだ。

うーん、アレは大きかったなあ。でもまあ問題ないっちゃないだろう。お姫様なんだし、わがままの一つくらい言ってもいいはず。だよね!?



「飼えばと言われても。あれ多分雷獣ですよ!少しパリパリしてましたし」


「雷獣……まじで!?いいなあ!」



雷獣といえば雷を纏い、雷系の魔法も使う大型の猛獣だ。

さらに雷の力で移動速度なんかにもブーストがつけられるし、もちろん力も強い。

体格も大きいものは10mを超え……ってさっきのあいつも越えてたな。


そのでかくて強いヤツをパンチ一発で倒しちゃうとは一体どうなっているのか。

やっぱりウチの子は最強やで!


うーん、でも雷獣がナメプしていたかどうかは分からないけど、雷系魔法も移動ブーストなんかも使ってなかった気はするんだけどなー??



「うーんでも雷獣だとすれば雷魔法とか使うと思うんだけど、さっきつかってなかった事ない?それに見た感じも雷なんて纏ってなかったような」


「それはそうですけど。でも私が触るとパリパリしてましたよ?」


「しょうがないな。どれどれ」



エルさんはひょいっと仔猫を取り出して「かんてーい!」と。ああ、すっかり忘れてたけど、私も鑑定すればいいんだ。あんまり使わないもので忘れてた。

というわけでかんてーい!



名前:

種族:雷獣

Lv:1

状態:怯え




まだ名前がないからそこは表示されてない。

状態怯えってなんだ。私が近づいた時だけこの表示が出るのが解せぬ。



「「雷獣だね」」



ハモった。

エルさんのほうでもやっぱり雷獣だって出たんだろう。

でも怯えが出てるのかどうかは気になるところだな。



「エルさんのほうでおかしな事ある?」


「ん?ううん??雷獣でレベル1って見えるだけだよ?」



やはりそうか。解せ……るわもういい加減。

めっ!って怒ったのが効いてるんだろうなあ。それとココアちゃんのパンチだ。

アレはすさまじいパンチだった。『にゃーにゃーにゃーん!』って気合とともに放たれた体ごと使ったアッパーだ。かっこよかったなあ!

それに威力もすごい!なんてったって40層のボスが一撃なんだもん。ココアちゃんってばかわいい顔してるけど私より強いんじゃないか!?だがそこがいいのだ!



可愛いだけじゃない!つよい!これぞギャップ萌え!



……なんだか最近変な思考が混ざる。

何だぎゃっぷもえって??意味わからん言葉だし……これもなんだか変な記憶がばかばか入って来てるせいだ。迷惑極まりないわまったく。



「えーっと、どうします?進みます?」


「今来たところだけどかえろっか。みんな新しい子と遊びたいでしょ?」



周りを見回すと3人とも全力で頷いている。わかる。わかるよ……!

帰って歓迎会の準備じゃあああああ!

でも連れて変えるなら抱っこのままでよかったんじゃないかとか言ってはいけない。

『にゃーにゃーにゃーん!』はもちろん昇○拳です。

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