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深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第5章 少女は一流冒険者になる
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第15話 初ドラゴン

翌日からも順調に探索は進んだ。

なーんにもおかしいことは無い。順調そのものだ。


なーんにもない。宝箱からも特にいいものは出ない。くそう。良いんだ良いんだ。どうせ宝箱なんてろくなもの出ないんだし。


そんなこんなで30層をクリア。ここら辺からが本番かな?

それにしても他のダンジョンをクリアした実績とかがあるのならもっとなんと言うかね、ワープ機能みたいなのが欲しいな。だって今更ゴブリンとかと遊んでもしょうがないじゃないか。





31階層は荒野だった。かつての魔王領は魔界と呼ばれるほどに荒れ果てた土地で、荒野に毒の沼があり、氷の山があるかと思えば隣は火山という訳の分からない環境だったらしい。


その時の名残の荒野なのだろうか。毒の沼を見てみたいなあ。

そこにスラちゃんを放流すればどくどくスライムの出来上がりなんじゃないか。楽しみだなあ。




それから、もういい加減にまともに戦いたいものだ。

なんだか色々強くなりすぎたみたいでほいっとなぎ払うと終わってしまうのだ。



「いよいよ31層だね。いい加減まともな戦いになるかなあ?」


「うーん、どうでしょう?今のアーシャ様からすればまだまだなんじゃないかと思いますが……」


「そうだね。みんなもレベル上がってないみたいだしねえ。」


「我々も何だかんだ言ってアルヘナでは40層台を探索していましたからね。アーシャ様が居られれば普通にクリアできていたんじゃないかと思いますよ」


「そうだよ!話を聞いてると最下層付近の狙撃してくるやつくらいじゃん。危なそうなのって」


「アレはやばかったよ。隠れててもいきなり弾が飛んできてさー。あれ?そういえばカリナってあの時どうやってたの?」



そういえばさらっと最下層に登場していたけど、カリナの素の実力じゃ厳しかったはず。


私みたいに再生もないし、治癒魔法の腕は大差ない。

隠密はカリナのほうが上手そうだけどそれだけでアレがなんとかなったんだろうか?



「ぬっふっふ。実は私は王妃様に『アーシャちゃん追跡セット』と名付けられた品をお借りしておりまして。まあそのアイテムのおかげですね」


「なにそれ?初めて聞いたよ?」


「ざっくり言うと隠密の性能がもっと上がるアイテムと目標となる人物にマーカーをつけて見逃さなくなるアイテムです。これらのおかげでアーシャ様の撮影が捗ります」



なんてこった。

このワケのわかんない事に頑張るところはママらしいといえばらしいけど!



「私の手によって撮影された秘蔵映像はまず国王様と王妃様に。その後は物によってはファンクラブにコピーされて売り出されます。今では我が国の貴重な収入源となっておりまして……」



なるほど。

でも私のお小遣いは全く増えていない。どうなってるのだろうか。

…また今度パパに甘えんぼしてみよっと。


「はいはい、無駄話はその辺まで。来たわよ」


荒野で見通しのいい真ん中の道。

歩いていると見えてきたのはワーウルフ(人狼)にミドルドラゴンだ。


さすがはBランク。初めて見た野良ドラゴンだ。大体5m近くある。それが4本脚でノッシノッシと迫ってくる。なかなかの迫力だ。


一方のワーウルフさんも負けてない。

人狼なので人間にケモ耳がついた獣人みたいなのかと思ったら大きくて強い狼だそうだ。

『人』要素は一体何処へいってしまったのか。



人狼はおいといて、とりあえずミドルドラゴンさんを普通に槍で突いてみる。

きっと硬い鱗にはじかれ……ない。


プスッと槍が刺さって、私はあれっ?と。

続いてカリナの弓もブスッと。あれ??

ユリアンヌちゃんの水魔法もズバッと。あれあれあれ???


あっさりと討伐は終わってしまった。


「何でやねん…アンタ、ドラゴンちゃうんかい!」


なぜかカンサーイ弁で突っ込んでしまったが、これは解せぬ。解せぬだよ。

ドラゴンちゃんとの初遭遇は何とも言えない気分になって終わってしまったのだった……




ドラゴンとの初遭遇は記憶の彼方に追いやって、私はまたあんまり緊張感なくスタスタと歩く。

なんというかね、もういい加減このくらいじゃビビリも楽しくもなくなってきちゃったね。

もうちょっと血沸き肉踊るというような戦いをだなあ……



「アーシャ様は少し退屈そうですね。むかしはぷちスラでもあんなに楽しそうだったのに。そう思いませんかユリアンヌさん?」


「そうですわねえ。『初めてのダンジョン編』のアーシャ様はファンクラブの間でも絶大な人気ですからね。あの純粋な瞳にみんなやられてしまうのも無理はないと思いますが……もちろん私もですが」


「そんなにかわいいの?私も見てみよっかなあ」


「お勧めですわよ。小さい頃のアーシャ様は今とはまた違った美しさがあります。」


「アルヘナを攻略してから何だかお疲れのようですからね。まあ、戦いが少しぬるいのでしょう」



なんだか言いたい放題言われているが、確かにぬるいのだ。

それにいつまでも最初の頃のようにはしていられない。なんといっても……なんだっけ??


まあ、ぷちスラを叩いて喜んでいた頃の純粋な私もこのダンジョンでの戦いの中でスレていってしまったのだ。しょうがないね。



「どうもまだまだ余裕っぽいからさくさく進もうか。ドラゴンって言ってもこれくらいならどうって事ないけど、もっと深くへ行けば色付きが出てくるかもね。そっちのほうが楽しみだし!」


「そうですね。どうせならもっと立派な成竜と戦ってみたいものです。さっきのはその、大きなトカゲでしたからね……」


「そだね。ココアちゃんやシロちゃんでも簡単に勝てそうだったもんね。ただ大きいだけだったよ」



なんと言うかザコもいいところだった。

ブレスも吹かないし、動きはおっそいし。頭もあんまり良くなさそうだったなあ。

ドラゴンの卵を手に入れても失敗したらああなってしまうのだ。怖い怖い。


そりゃただのギャンブルだって言われるはずだよ。

育てるのに時間もエサもいっぱいかかるのに弱い。一体どうしろと言うのかと。

すみません遅くなりました。

本業が忙しいのもあってモチベが下がり気味です。

ここらでズバーンと感想なんかいただきたいなーと!

評価とブックマークもぜひぜひお願いします。

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