表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第5章 少女は一流冒険者になる
150/183

第13話 銀鶏亭へ

~前回までのあらすじ~


アーシャだよ!

ようやくフレスブルクの街に着いてあっちこっち回ってからギルドで宿探し!

そしたらいいところのお宿は一泊5万ゼニーだって!……ふざけんじゃねえぞ!


…おっと。

でも5万ゼニーだよ!5万ゼニーで1ヶ月泊まったら150万!1年だと大体1800万ゼニーだよ!

そんな金……あるわ。あったわ。


でもあるけど使わないよ!ってことでいい感じのお値段のところを紹介してもらったよ。


さ、そんなわけでいい感じの『銀鶏亭』へいってみよー!


みんなでわいわいといいながら銀鶏亭へ。


ギルドすぐ近くにやたら広くて大きな建物があると思ったらうわさの金鶏亭だ。

でもここじゃないんだなー。

銀は何処だ…銀銀……


ああ、これか。

大きくってひろーい金とは違い、どこかかわいらしいくらいの大きさの銀鶏亭。


いや、ちょっとまった。3階建てだし入り口も立派だ。うん、隣がおかしいだけなんだね。

普通、宿屋って言ったらこれくらいでも立派なほうでしょ。



「こんちわー」



木戸を開けて中に入る。

カウンターには若いお姉さんがいた。



「いらっしゃー……アイーシャリエル様!?」


「えーっと、はい。」


「あんたー!あんたー!大変だよおお!」


「なんだってんだ一体……アイーシャリエル様!?」


「ど、どうも」



なんだよ、またこんな流れか。

もうユグドラシルの街中だと私が歩いててもみんながちょいちょい手を振ってくるくらいしかなかったけど、こっちに来てから変に目立ってダメだ。


とにかく受付を終わらせて部屋のほうへ。


部屋は2人部屋でもよかったけど、4人一緒のほうが色々楽なので一部屋に。

結構大きい部屋にベッドが4個。テーブルと荷物を置く棚や服をかけるスペースもある。

中に入ってみると結構広いなあ。


私は窓の近くのベッドをもらっちゃった。着いたよーって報告をペットのみんなにして、荷物は私の亜空間に4人分纏めてポイポイっと。

それから少し休憩してお茶をしてから食堂へ。

スラちゃんたちもココアちゃんもお腹いっぱいだから今日は別にご飯は要らないって。


宿の1階は食堂になっていて、冒険者のみんながご飯を食べに来ていた。

そこに私達が降りていくとまた大騒ぎ。別にそんなに嫌ってわけじゃないけど対応に困るなあ。


そこらの机に座ろうと思ったら宿のお姉さんが気を使ってくれて個室みたいになってるところに連れてってくれた。まあ、何日かすればこの変なフィーバーも収まるだろうからそうしたら色々冒険者のおじさんたちにも話しを聞いてみよう。


ちょうど時間は夕飯時。でてきたご飯はシチューのような煮込み料理とサラダとパン。

なかなかおいしそうじゃないか。



「フレスブルクの庶民の味、アイーダシチューと季節のサラダにウチの特製パンになります。パンは胡桃の実が入ってますよ」


「おいしそう。アイーダシチューのアイーダってなんですか?」


「アイーダと言う人の名前です。大昔のフレスブルクはモンスターが非常に多く、暮らしづらい土地でした。そんな中で庶民の食べ物といえばあんまり美味しくない魔物肉がメインでした。その魔物肉を美味しく食べる方法を編み出してフレスブルクの食に革命を与えた方の名前がアイーダさんです。」


「凄い人なんですね!でも魔物肉ってそれまで美味しくなかったんですか?」


「美味しいのはお金持ちが買っていったり、売り物にしてしまうので……庶民にはあんまりいいのは回ってこなかったんです。当時は特に野菜や穀物も育ちにくい土地だったようですので、魔物肉のよくないのをどうにかして食べようとする方法を編み出したのです。」


「へぇ~えらい人だったんだねえ。」



うんうん。みんなが困ってる事を解決する。なかなかできることじゃない!

それが美味しい料理ならなおさらだ。どうやってとか元が何のモンスターの肉なのかとかはあんまり突っ込まない方向で行こう。『ゴブリンです。』とか言われたらヤだもんね。


何の肉かは放っておいて。とりあえず食べよう。

いっただっきまーっす!とみんなでご挨拶して食べ始める。シチューはお肉がとろ~りする程よく煮込まれてて、お肉やお野菜はもちろんお汁の部分もとっても美味しい。


サラダは新鮮でぱりぱりしてる。ドレッシングなんかいらないかもね!

そして胡桃のパン。パン自体もしっかりした味で美味しいけど胡桃だ!中に入っている胡桃は歯ごたえの面でも味の面でもいいアクセントになっていて、パンの味を飽きさせない。いやあうまいっす!



美味しいシチューを食べながら考える。


魔物肉ってことはダンジョンじゃなくって平地のモンスターなんだろうなあ。


旅の最中はモンスターには出くわさなかった。

でもモンスターたちは今でもたぶんあっちこっちにいるんだろうなあ。

森や山に入っていってそういうのを討伐するという冒険もいいものだとは思うけれど、目的は自分たちの強化だ。やはりダンジョンだ。そう、ダンジョンしかない。ダンジョンに行こう!今!すぐ!


ガタッと席を立とうとしたところでプリンちゃんに止められた



(ダメプル。今日は寝てまた明日プル)


「はーい……。」



まあそりゃそうか。早く温泉に入って寝よっと。

全部完食して、大人しく部屋に戻って温泉入って寝た。明日から頑張ろう。









初日なので大人しくベッドで眠った。


寝ている最中にまた変な夢を見た。

最近は夢の回数が増えたなあ。


夢の中ではママと一緒だった。

ママだけじゃなくって他にも何人も仲間がいて、誰かと戦ってるのだ。

こっちも複数だけど戦っている相手も複数だ。多対多の戦闘だね。ただしモンスターじゃなくって人間と人間だ。でも戦争って言うほどの人数じゃないみたいだけど。

相手の人たちは強い!あのママでも苦戦……と言うかママは今のママよりだいぶ弱いなあ。


とにかく何とかみんなでやっつけた。私も―――いや、俺も剣を振るって戦った。

剣が壊れたら槍、次には弓。色んな武器を取り出して相手を翻弄した。



俺はその時は周りのフォローをしていた。全員が陣形を組んで、破綻しそうなところがあればそこへ駆けつけて……気がつけば少数と少数の戦いではなくなっていた。千を、万を率いて戦っていた。

そして、戦いの規模が大きくなるに連れて目が届かなくなっていくのだ。大事な人たちから……



前書きってあまりまともにしたこと無かったのでためしに。

旅の途中でモンスターと出会わなかったのはアーシャが遊んでいる間にペットのみんなが処理していたからです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ