表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第5章 少女は一流冒険者になる
148/183

第11話 モフプル喫茶

遅くなりました。2日に一度も守れなくなってきた有様で……まあのんびりいきます。


色々あったけど出発してから12日目、目的地であるフレスベルクの首都であるザルフェナスの城門前に着いた。


私は以前にここに来たことがあるのだけど、空からぴゅーんっと来ただけだからこの街に来たことあるよ、と言われてもイマイチ何ともいえない感がある。

カリナも同じような顔で、城門の審査待ちをしている。


クリスちゃんたちは一足先に審査をスルーして中に入っていった。

別れるときに絶対おうち(城)に遊びに来てね!って言われたし、何なら審査もスルーしていけばって言われたけど、私達は一応護衛として雇われてきているわけだからノンビリ隊商のみんなと待つ。


隊商の人たちとはだいぶ仲良くなった。

メンバーの人たちはエルフがメインで後はいろんな種族が混じってて、総勢20人くらいいたけど、みんないい人たちだったなあ。

何でもこの後は妖精王国に、その後は人間の国々にって感じであっちこっち回ってるんだって。

それぞれの特産物をあっちへこっちへやるといい感じで儲かるらしい。私もそれやって儲けてもいいかも。エレナちゃんレンタルしたら凄く儲かりそうじゃん?火竜高速便だね。


そのうち平和になったら郵便屋さんとか宅配屋さんやってもいいなあ。

お隣の国までピザを届けたりとか!……ってなんでピザ?

何でピザなんだろ??でもピザのこと考えてたらお腹がすいてきたなあ……



「……ピザ食べたい」


「何でピザなんですか?」


「なんでだろう?隊商の事を考えてたらピザになったの。カリナ、ピザ作ってよ」


「いいですよ。ミルクちゃんにチーズを作ってもらって、具と小麦粉はそこらで買って……ピザ釜はアーシャ様に作ってもらいましょうか」


「がんばる!」


「いいなあ。私のところにもピザ釜とピザ作ってくれるメイドちょうだい?」


「ピザ釜はともかく、メイドは無理でしょ。スラちゃんたちやモフモフたちを仕込めばいいんじゃないかなあ。シロちゃんによるドラゴンピザとか人気出そうじゃない?」



なかなかいいな!

我ながらいいアイディアだ。モフモフプルプルがいるだけのカフェもいいけど、給仕してくれるならなお愛らしいだろう。



「それは一部に人気が出そうですが、ちょっと反応に困ります」


「ドラゴンちゃんが作ったピザなのか、まさかのドラゴン肉なのかと言う点ですね?」



むむっ。ユリアンヌちゃんの指摘にはサッパリ気付かなかった。

私は子供のドラゴンの看板があって、テイムモンスターたちが給仕してくれるというモフモフやプルプルのあふれたお店を想像していたのだが、ドラゴンピザと言うとドラゴン肉ピザだと勘違いするかも。どうにかしてパッと見てわかるようにしないと。


でも考えてみればなかなか素晴らしい環境になりそうだなあ。

お店をやるよりむしろ私が常連さんになりたいものだ。



「次の隊の代表者は誰だ」



あ、順番みたいだ。結構待ち時間が長かったなあ。

2時間くらいは待ったんじゃないか?みんな休憩してバーベキューしたりして遊んでたくらいだ。

隊商のみんなも他の商隊の人たちもバーベキューに群がっていたけど。


お肉の出所はカリナの空間収納に入ってたやつ。

道中襲ってきたモンスター……らしい。おっかしいな。私は倒した記憶が全くないぞ?



(ぼくらが夜のうちに集めてたぶんプル)


「なるほど。なんだかツヤツヤして帰ってきたと思った。やっぱりつまみ食いしてたんだ」


(しまったプル。)



墓穴を掘りおったなー!

とまあプリンちゃんと遊んでいる間に審査はさくっとおわり。

私たちが城門をくぐる時は門番をしている兵士のみんながビシッ!と敬礼してくれた。

うーん、これはバレてるんだなあ。



「お姫様集団だってバレてるみたいだね」


「そりゃそうでしょう。アーシャ様は色々有名人ですよ。特にココでは」



どういう意味だ。学会の時にそんなに目立ったかな?



「アーシャ様の記録水晶売り上げはユグドラシル王国を除けば、このフレスベルク共和国が一位でした。なにやら猛烈なファンの方がたくさんいるようで……」


「なにそれ?売ってるの!?」



エルさんビックリ。

まあ私もビックリだけど。



「私も実は持っていまして……えへへ。『初めてのダンジョン編』と『さらばアーシャ!アイーシャリエル、モフモフに死す!』は最高でした」


「なんじゃそりゃ……?カリナ?」


「勿論私が撮影したものです。王妃様と相談の結果、特によく出来ているものは会員限定で販売する事になっております」


「会員限定って。じゃあ大した数じゃないってことだね」


「いいえ。先ほどユリアンヌ様が仰った2つは特に良く購入されております。ファンクラブのほぼ全員が購入していますのでおよそ5000個くらいは……」


「そんなに売れてんの!?」


「はい。他の物はそこまでではありませんがその2つは特に売り上げが良くってですね。ほぼ全員が購入しています。順番待ちもひどかったみたいですよ。ね?ユリアンヌさん」


「とーっても大変だったのですよ!私なんて注文から1ヶ月以上待って、結局カリナさんから直接売っていただきました。その節はありがとうございました」


「いえいえ。王妃様からも同級生なら順番繰り上げたらどう?とのお言葉をいただいてましたので……」



なんだか色々言ってるけど……5000個っておかしいでしょ!記録水晶だって結構高いんだぞ!?

普通に売ってるやつは1個10万ゼニーくらいはしたはず。

多分もっと高く売ってるはずだから……それが5000個で……えーっと???

それで2つぶんだからその倍で…あれ?それと他にも売ってて??

だめだ、頭が回らない。はわわ。


とにかくものすごい金額だ。それをどう使ってるのかはまーったく分からないけど。

よし、聞かなかったことにしよう。くわばらくわばら。


猫カフェに行ったことが一度だけあります。

賢いし可愛い子ばっかりだったのですが、家の猫を撫でてるのと大して変わらないんじゃ?と気が付いて、そうしたらなんだか浮気してる旦那のような気分になって……それから行ってません。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ