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深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第5章 少女は一流冒険者になる
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第8話 旅立ちの準備


みんなと相談して学園を休学になるってさくっと決定した。

面倒な手続きは全部カリナにやらせよっと。


こういうときお姫様は楽なのだ。いちいち自分でやる必要なんてまーったくないからね。


エルさんとユリアンヌちゃんには今後しばらく魔族の国にでも行ってダンジョンで修行するって伝えた。ユグ裏でもいいかもって思ったけどママがユグ裏はやめときなさいって。温いからかな??

まあしょうがないか。じゃあどこにしよっかなー?


考えたけどパッと判断できるものではない。学園も行かなくていいようになったし早速出かけて調べよう。久しぶりに冒険者ギルドによって、色々聞いてみよっかなー。楽しみだなー。



「んじゃいってきまーっす」

「行ってきます」


「行ってらっしゃい姫様、カリナ様」



いつもの門番さんに挨拶してカリナと一緒に出かける。

出かけるときには私の手の上にトレントちゃんの果物がたくさん。いつもの事だけど、こんなに沢山くれなくってもと思うんだ。でもトレントちゃんたちも実りすぎて困ってるんだって。

だからうちのスラちゃんたちにおすそ分けなんだってさ。


お陰でうちのスライムには新しく『オレンジジューススライム』やら『ぶどうジューススライム』が出てきて……

いっぱい食べてミルクまで飲んだ『みっくすじゅーちゅスライム』さんまで現れてしまったのだ。

どうしてこうなったし。


パパとママはワインを造れる『ワインスライム』になって欲しいなあって言ってワインの酵母とブドウをいっぱいスライムに食べさせてる。でもうちの子達はだいたい斜め上に行くから狙いどおりになるかなあ?



そんなこんなを考えながら城門をくぐる。ギルドに向かって大通りを歩いていくと、私に気付いた人が手を振ってくれる。照れちゃうなあ、全く。


照れたり手を振ったり振られたりしながら歩くこと10分ちょい。

ギルドの前に着いたらそこにはエルさんとユリアンヌちゃんがいた。



「あれ?二人はなんでここに?」


「ここで待ってたら来ると思ったからね。私たちも学園は休学にしてもらってアーシャちゃんについていくことにしたの。もう離さないわよ!」


「私も頑張りますから!よろしくお願いします!」


「もうしょうがないなあ。じゃあ4人でダンジョンいっぱい行こうか。それも楽しみだねえ」



わいわいと話しながらギルドへ。ココに来るのもひっさし振りだなあ



「こんちわー」


「まあ、アイーシャリエル様!お久しぶりでございます!」



ギルドの……なんだっけ?


リリーさん?リリアさん?だっけ。おっひさしぶりだなあ。

うーんだめだ。なんだか前にも増して物覚えが悪くなった気がする。私の頭に変なのが住み着いてから益々おかしい。

まあここは気にしないで誤魔化そう。



「いやあお久しぶり。私も久々にダンジョン回ろうかと思ってギルドに挨拶に来たの。こっちはパーティーメンバーの……カリナはいいか。エルさんとマリちゃん。」


「エルリーシャです。よろしく!」

「ユリアンヌです。よろしくお願いしますね」


「はい。ようこそ当ギルドへ。私はアイーシャリエル様担当のリリーです!」



お!リリーさんだった。

……やだなあ、覚えてたよ?



「ところでリリーさん、私ダンジョン攻略したんだよ!知ってた!?」


「もちろん存じ上げております。アルヘナのスタンピードをアイーシャリエル様が単独で鎮圧、制覇されたとのことであの時はギルドでも大騒ぎでしたよ!この不肖、リリーも夫のクラウスもあの時は感動で泣いておりました!」



クラウスさんのほうはちゃんと覚えてた。今の私なら同じくらいの力になってるだろうか?



「泣かなくってもいいじゃん。ところでクラウスさんって今何層くらいまで行ってるの?」


「クラウスのいるパーティーは今のところ一度ユグドラシルを離れています。50層で詰まって、他のダンジョンをクリアしてクリア報酬でもっと強化してからの方がいいかということになりまして……」


「なるほど。寂しくなるねえ」


「そうでもありません。もう一人じゃありませんから……」



んん?どういう意味だ??



「アーシャ様、リリーさんはお子さんがお腹にいるのですよ」


「なんと!おめでとう!」



こないだ結婚するとか言ってたわりに早い!やるなクラウス!

……と思ったけどそういえばもう半年も経ってるんだっけ?

ずっと寝てただけだから感覚があんまりなあ。



「でも妊娠中にパパがいないと寂しいね」


「そうですねえ。でも冒険者ですからね、ユグドラシルに通っている間は毎日会えましたけど、殆どの冒険者は遠くの国に出かけたりするものですし、仕方ないと思います。覚悟の上ですよ」


「そういうもんかあ。」



私なら寂しいと思うけどなあ。

でも二人でそういう選択をしたんだし、それでいいか。

まあとりあえず私達の用を済ませようっと。



「えーっとそれで私達のことなんだけど、ちょっと出かけてダンジョンめぐりをして強くなろうと思うの。とりあえずカノープスかなって思うんだけど、どこかお勧めある?」


「そうですねえ。エルリーシャさんは妖精王国のご出身ですよね?そちらのアケルナーダンジョンとか、ユリアンヌさんのご出身のシーレーン帝国にはミアプラキドスダンジョンがあります。どちらもCランクだったと思いますが……Bランク以上をと仰るのならやはり近いのはカノープスでしょうねえ」


「ふーむ。じゃあカノープスでいいかなあ」

 


後ろを振り返って確認。みんな別にいいよって顔してるしそうしよう。

前にスライム発表会に行った時はママの火竜であるエレナちゃんに乗っていったから早かったんだけど、徒歩で行ったらかなり時間がかかるはずだ。でもそういう旅もわるくないはず!



「エレナちゃんは貸してもらえないだろうし、どうやって行こうか?」


「そうですね……冒険者のたびの定番としては隊商などの護衛依頼を受けて、一緒に国外へという手もありますが、アイーシャリエル様たちのパーティーだと色々と問題が出てくる可能性があります」


「私達だと問題ってどういう意味?」



まさか実力の問題とか言うんじゃないだろうな!

ってランクの問題か!?わたしはまだDランクくらいのはずだ。面倒くさくってサッパリ更新してないから今どうなってるのかわかんないけどその辺どうなってるんだ!?



「問題というのは強さがどうこうというわけではありません。その、若い女性ばかりですし……色々なトラブルを発生させやすいので、と言う意味です。」


「「「「あー。」」」」



なるほどなるほど。つまり私達が魅力的過ぎて変な虫が寄ってくるからということだ。

パッと見はあんまり強そうじゃないしなあ。不本意ながら私も含めて。

うーん。そうだ



「じゃあペットのみんなを出せばいいんじゃないかな?」


「そうね。おいでトラちゃん」


「カイトく~んおいで~」



エルさんとカリナの二人はトラちゃんとカイトくんを呼んだ。

一気に受付前がにぎやかな感じになるなあ。



「きゃ!」「おわっ!」「うわっ!でかっ!」


「あ、ごめんね。でもかわいいでしょー?」



2匹ともめっちゃくちゃ可愛いのだ。

私に良く慣れててペロペロベロンベロンしてくる。うーん、見てくださいこのもっふもふを!

まだ子猫らしさを残しながらも毛のほうはふっかふかのもっふもふ!いやあたまりませんなあ!

ウチの子が見てない隙にモフりまくってやるわ!ぬわーっはっはっは!


「もふもふ天国じゃあああ!」


2匹がジャレ合う、モフの海に私は飛び込む。

とたんに襲い掛かる毛の嵐。ぷにぷにの肉球とペロペロの波を乗り越え、向こう岸へ!

……と見せかけてクイックターン!再び襲い来るもふもふの嵐!さあ、アーシャちゃんは難攻不落のモフ海域を越えることが出来るだろうか!頑張れアーシャ!負けるなアーシャ!



「そろそろ帰ってきてください」


「ハッ!」



気が付けば私はギルドの受付で2匹のケダモノとくんずほぐれつしていたようだ。

いやん、はしたないザマス。



「えーっと、ごめんね。でもかわいいでしょー?この子達と一緒なら大丈夫だよね!?」


「え、ええ。もふもふと戯れるアイーシャリエル様のお顔はとても美しゅうございました。」


「ええ…?そうかなあ?」



前に馬車の中でモフりまくっていた時の記録映像を見たことがある。

ヨダレを垂らして暴れまわっていてなんともいえなかったんだけどね。あの時は客観的に自分の姿を見て凄く恥ずかしくなった記憶が……なのになんでこんなに人目のあるところでまたやってしまったのか。うう……



「と、とにかく。この子達がいたら変なチンピラは近付いて来ないと思うよ!大丈夫だよね?」


「はい。そういうことなら問題ないと思われます。それでもちょっかいを出してくるものはさくっとヘシ折ればいいかと。」


「お、おう。そうだね」



ヘシ折るって何をだ。腕や足だよね……?



サブタイのネタがもう無くなって……適当につけていますが、これなら第○話だけでいいんじゃないかと。

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