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深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第5章 少女は一流冒険者になる
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第6話 以心伝心

みんなに王妃様とか無理ってはっきりといわれた私は、予定通り学園やめちゃうことにした。

学園長室に行って、『もうここにいる意味ねーからやめるわ!』ってズバッと言っちゃうのだ。




意気揚々と学園長室に。

私一人で『たのもーう!』と入るとそこにいたのはシエラ先生だった。

うん、そんな気はしてたよね。



「それで?学園辞めますって言いに来たのですか?」


「おお!さすがはシエラ先生!以心伝心だね!」


「以心伝心じゃありません!やめなくってもいいでしょう別に!他に理由があるなら構いませんが、今すぐ辞めるというのはダメです!」


「無理だよ。私にも世界にも時間がないんだ」


「何を……?」



学園に通ってノンビリしている時間は私にもこの世界にももうない。もうないのだ。

みんなには内緒にしていたけど、シエラ先生には分かっている事を話しておこうか。



「コアに接触して朧気にだけど分かったことがあるんだ。たぶん私が最後のパーツで、全部揃える事で神代と現世の移り変わりの時に封じられた何とかいう魔神が蘇ることになる。」


「パーツ?魔神?何を言っているのです?」


「魔神の魂は分割され、時代を超えてバラバラになった。そして今はその魂の封印を司る者たちがそろっている。そのはずだよ、先生。コアに触った後の私はかなりパワーアップしてたでしょ?あれはその封印の持ってる力やら元々の私の力の一部が解放されたからだと思うんだ。その後寝込んでたのは色々統合してたからじゃないかな?とにかく学園卒業してからノンビリしてるとあっちから襲ってくると思うから……」



そう、朧気に戻った記憶と私の力の源を探索するとそういうことになるんじゃないかなあとは思う。

『たぶん』の『たぶん』なんだけど、もうそういうことにしてシエラ先生をごまかそう。



「私もたぶんその封印の保因者の一人だと思う。これから私は失われた記憶と力を取り戻す為にダンジョンをクリアしてコアに接触しないといけない。弱いままだと他の魂の保因者に捕まって分解されちゃうかもね」


「そんな…そんなことが……」



たぶん真相はこんな感じ。実際のところは色々違うかもなー。でもわかんないし適当でいいや。

コアに触ってなんとなく取り戻した記憶によると、これで合ってるんだけど。

肝心の魔神がどんなヤツでどうやって封印したかとかその後のこととかはわかんないからなあ。


まあぶっちゃけ時間はない。エルさんたちには言わなかったけどそれは本当のことだと思う。

不死者もこれからどんどん活発に動き始めるだろうし、お城の奥で守ってもらうのも一つかもしれないけどたぶんそれだけじゃ無理なんだよなー。



でもそれ以上に『もう学校に飽きた』とか、『意味ねーからやめるわ』とか、『私にお姫様とか無理に決まってるでしょ』とか。そっちも十分本気なわけだが。

城の奥で守ってもらってナイトと結婚する、とかもうホント無理だわ。



守ってもらうは置いておいて。

―――『私』は1万年ほど前に不死者の神と戦った。もうそこは間違いないだろう。

そして何とか封印したはずだ。どうやってとかその辺はわかんないけど、記憶が戻れば何とかわかるはずだ。あの記憶の主が私だと思いたくはないけど。


何か色々な犠牲を払った気がするんだけど封印とか相手のことは、もう二つくらい思い出せない。

せっかくダンジョンクリアしたんだからもっとちゃんとサービスして欲しいよなあ。


まあとにかく、その封印を解くには保因者を揃えるだとか、殺して奪い取るだとか、そういう手段をとる必要があるんだと思う。

つまり私はこれから不死者の神を復活させようとする奴らと戦わないといけないわけだ。

私自身を狙ってくる奴を相手に。


決して姫様やってらんないからってだけで学校辞めて冒険者になるって言ってるわけじゃない。

そうだ、そうにちがいない。



早く力をつけないと殺されたりしかねないからね。そんなわけで私もいよいよ遊んでらんないのだ。

そのためには今までよりもっと力を。武器や防具も欲しい。


やはりダンジョンへ行かないと。そうだ!ダンジョンへいこう!今すぐ!



「そうだ!ダンジョンに行こう!というわけで学園辞めて冒険者になりまーっす」


「はあ。学園を辞めるというのは仕方ないといったところですかね。ですが国王様と王妃様が納得したらの話ですよ。」


「うーん。分かってくれるとは思うんだけどなあ」


「しかし、神代の魔神の復活ですか。いざ復活してしまえば我々の力ではどうしようもなさそうですね」


「そんなことないよ。あの時だってみんなで頑張って封印した……はず。どうやったかとかはサッパリ覚えてないけど。」



それもこれも記憶が戻ればきっと思い出すはず。なんだけどなー。


その後、シエラ先生と色々話しをしてお別れした。

どっちにしてもまたおうちで会うし、この辺でってことで。


お部屋の外で待ってたカリナと合流して帰る。


たぶんカリナはこそっと私達の会話を聞いていただろうけど、何も聞かないから私も何も答えない。

どうせ何を言っても付いて来るって言うだろうし、来ないと言ったら無理やり引っ張って連れて行くのみだ!



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