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深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第4章 少女は学園で無双する
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第53話 たーっち!

前回のあらすじ


アーシャちゃんだよ!


いやあ、3対3だけど困っちゃうね!どうも相手のほうがちょっとずつ上なんだよなあ。

そこでこのユグドラシル王国始まって以来の天才ことアーシャちゃんはひらめいたのだ!


さあ、勝利へのルートが見えてきたようだ。

このアーシャちゃん様の天才的な頭脳を見せてやろう!













そうだ、そうだった。

別にこいつらを倒さなくてもコアに接触してスタンピードを止めて、そして超強い武器をもらってそれで倒しちゃえばいいのだ。うーん素晴らしい。我が頭脳が怖くなるなあ。


なんてことを考えてニヤニヤしていると、


「ふむ。どうせ私達を倒さずにコアを入手しようと考えているのでしょうが……そう上手くいきますかね?」


「え!?い、いやあ何の事だか」


「貴女は顔に出やすいところを直したほうがいいですよ。相手に丸わかりです」


「そんなことないよ!何時もクレバーで冷静で、氷の美少女あーしゃちゃんって呼ばれてます!」


「それは絶対に無いとおもいますけどね……」


もちろん一回もそういう評価をされたことはない。

喋らなければ天使なのにとか、口が悪くても素敵ですとか、そういう微妙な評価なら聞こえてくるときはあるけど。みんな失礼な奴だなあ全く。とか考えてたら、


「そうです!その通り!アーシャ様は何時も冷静沈着で、頭脳明晰な…ブフッ」


「カリナ!自分で言ってて笑うんじゃないわよ!」


「いやあ、私はにぎやかな姫様が良いと思いますよ。」


「にぎやか……ってそうかなあ?」


「そこの二人!私をこんなのと戦わせてイチャつかない!」


カリナといつもの漫才をしているとシエラ先生に怒られた。

学園長先生とセレナ先生は待っててくれたというのに!シエラ先生は怒りんぼだなあ


「まあもうバレちゃったみたいだし、遠慮なく行きます!」


「どうぞ。上手く裏をかいてみて下さい」


「舐めちゃって!こんのー!いっくぞー!」


槍を片手に突進!あっさりといなされる。コアを私の背になるように、そっちにダッシュでいけるように、回り込む。学園長先生は当然阻止にくる……とみせかけてー!


「アーシャフラッシュ!」


目眩ましだ。そして必殺の!


「アーシャ落とし穴!アーシャウインド!アーシャ泥沼!」


邪魔者たちを撒き散らかしながらコアのほうへ。

学園長はそれらを一つ一つ無効化しながら近寄ってくる。


でも私のほうが早そう。あと50m…あと30m…あと10m…


「追いつきましたよ?まったく、ひどいじゃじゃ馬姫様ですね」


「そうなると思った。アーシャグラビティ!」


最後は重力魔法だ!この魔法は5m程度の円形の中に10倍程度の重力を発生させる魔法。


強い人ならすぐ範囲から出るけど、無理やり避けることはできないから一時的な足止めにはいい魔法だってママが教えてくれた。

でも乱発してると裏かかれるから大事に取っておきなさいって。


「何の…ぬおお!」


「うげ!」


やっぱりすぐ抜けてきた。おもったよりだいぶ早い。

でももう目の前だだ。あと3mってとこか!


「この!いい加減にしなさい!『トルネードランス』!」


トルネードランス竜巻を槍状に凝縮して放つ魔法。

下手な術者だと風がとっ散らかって突風が吹くだけの良くわかんない魔法になるが、さすがに学園長。良く凝縮されている。

今までは正直手加減されていた。私を殺してしまわないように、簡単に勝ってしまわないように。


今回の攻撃は今までと違う。コレをまともに喰らうと死にかねない。

学園長いい加減イライラしてきているな?でも―――


「嫌です。」


―――私はそれを、それこそを待っていた。


わたしは魔道具を起動してトルネードランスを頭からまともに食らう。

嫌がらせにしかならない魔法も、カリナたちとの無駄な会話もコレを誘う為の罠だったのだ。

ホントダヨ



ザカンさんのところで買った致命傷を防ぐ魔道具『障壁のペンダント』は見事にトルネードランスを防ぎ、その効果を反射した。残念ながら一発で魔道具は壊れたけど。

そして大技を放った隙を突いて、私はカウンターでこそこそと限界まで凝縮した魔法を放つ。


「はぁぁぁぁ!ライトニング・プラズマ!」


大きな威力を持つ攻撃は魔法、物理を問わずに発動前後に隙ができる。

イライラしてドカーンっとぶっ放した時なんて言うに及ばずだ。


今までにないほどの魔力をつぎ込んだ一撃は学園長を蒸発させ、そのまま直進してセレナ先生も巻き込んだ。


「うわっ!危ないですよアーシャ様!」

「せーふ!ぎりぎりせーふ!」


カリナはギリギリ大丈夫だった。あぶないあぶない。危うく消し炭にするとこだった。

やだなあ。一応ちゃんとみてたよ!


そして私は見事にコアにたどり着いたのだ。


「待ちなさい。それに触れては―――」


「おっと、貴方の相手は私ですよ」


「ごめんね?白のおじさん。たーっち!」



げっへっへ。コアちゃんいっただきー!




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