表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第4章 少女は学園で無双する
130/183

第51話 てんさいてきなずのう

「うーん、変身かあ。参ったね」


ジジイとパッとしない女性教師だった学園長先生とセレナ先生が、あっという間になんと言うことでしょう!


すれ違っただけで全員振り返るような異形に……なんてこった。


魔族にも角や尻尾がある人はいる。でも明らかにそういうのじゃない。

アレはもっと得体の知れないモノだ。


私の知る不死者かというとそうでもない。


いままでで会った事のある不死者やその眷属と思しき者たちは一見普通なのだ。

こんな明らかにおかしなのがいたら……でもあの白仮面やマジシャンみたいな変な奴らも変身するって可能性はあるなあ。あいつらそもそも格好がおかしいからなあ。


「さあ、少し遊びましょうか姫様。この素晴らしい力をご覧になれば考えも変わりますよ」


「見た目は最悪だけどね。お手柔らかに!」


学園長先生 (変身後)は私に襲い掛かってくる。

速い。さっきまでとは全く違う。速度も纏う魔力も段違いだ。


「ほら行きますよ」


「くそっ!」


速い!でも速いからって素直に食らってはやらない!右のパンチを盾で受け流す。くっ、重い!

速度と魔力?腕力?もバッチリ強化されまくってるじゃないか!


右拳を受け流して体が崩れたところを……くそっ速い!


パンチを受け流されると体が泳ぐ。それが当たり前なんだけど、『進化後学園長』は簡単には崩れない。いや、崩されてくれない!


進化後学園長より学園長ver2のほうがいいか?それとも……

いやどっちでもいいか。今考えることじゃないや。




パンチの後に続けて飛んで来る左のハイキックをかわし、また隙をうかがうけど……

ダメだ。狙われてる。反撃に移った所をバクッとやっちゃう気だった。危ない危ない。


「防ぎましたね。さすがは姫様、どんどん行きますよ!」


もう一回同じような攻撃をしてくる。

今度はパンチをかわして…また狙われてる感はあるけど、かわしざまにライトニングボルト!

バチイッ!


だめだ。派手に見えるけど全身を覆う魔力の前に殆ど弾かれてあんまり効いてる感じがしない。

くそっもっかいやって……!


「うわ!あぶなっ!」


欲張ってもう一発撃とうとした所へ遅い来る魔弾。くそっやっぱり狙ってた!


属性のない純粋な魔力だ。燃えたり凍ったりはしないんだけど純粋な打撃力、貫通力の面では普通の魔法なんかより強力なのだ。

それを危なくカウンターで思いっきり喰らう所だった。あぶないあぶない。


でもこの感じ、遊ばれてるな!クソッ!


「カンがいいですね。でも早くしないとあちらは危ないですよ」


「っ!カリナッ!」


カリナは私よりよっぽどひどいくらいに防戦一方だ。


いつだか私が作った短剣やら暗器を使って戦っているが、どう見てもギリギリ何とか凌いでいるだけ。いつやられてもおかしくない。まずい。


「ちょっとあんた!もう少し頑張りなさいよ!」


「そうは言ってもですね、アーシャ様こそ頑張ってくださいよ!」


「私だって危ないんだよ!学園長見てよ!この赤!こっちの方が強そうじゃん!」


「こっちの緑だって強いですよ!やたら硬いし!それに傷つけても回復魔法使うんですよ!」


「なんだって!回復まで!ずるい!くそう、敵だなんて知ってたら……!?」


くっそー!学園長もセレナ先生も敵だったなんて。


ん??敵??

そうか!だから授業でもハイヒールできなかったんだ!


「そうか、だから私にちゃんと教えなかったんですか!?」


「失敬な!私はきちんと教えましたよ?回復が苦手なのは姫様の資質かと。」


「うそでしょ!?そこは手を抜いてたとか言ってよ!実は恐ろしい才能があるとか!」


「才能はなさそうでした」


「ヒドイ!アンタそれでも教師か!」


(元)生徒にむかって才能がないだと!そんな奴は教師なんか辞めちまえ!

やる気を引き出すような教育をしろってんだ!

ギャーギャーとお互いを口汚くののしっていると、学園長があきれたように言う。


「姫もカリナ君もセレナも、いい加減にしなさい。あの方の前で見苦しい!私が喋れなくして差し上げましょう」


「結構です!」


ギャーギャー言い合いながら戦う元気はまだある。でもこりゃじきに危なくなるな。

私達の方はもういっぱいいっぱいだ。


シエラ先生の方は押してもないけど負けてもない。五分五分なんだけど、このままじゃあ私達のほうの戦力差で負けちゃう。まずい。私が何とかしないと。


でも何が出来る。何が……!


「ほらほら。余所見は良くありません」


「ぐっ!」


強い。スピードとパワーと防御力で負けている。勝ってるのは見た目くらいだな!チクショウ!


このまま普通にやってても勝ち目はなさそうだ。

どうにかして裏をかいて……倒せればそれが一番いいけどお腹に風穴開けても平気だったからなあ。


待てよ。本当に倒す必要があるのか?

このミッションは敵を鏖殺することじゃなかった。あくまでコアを・・・


なるほどなるほど。勝ちのルートが見えてきたようだな。

アーシャ様の天才的な頭脳を見せてやろうではないか!


4章は長くなりそうだなあと思ってたけどもう51話ですってよ……どうしてこうなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ