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深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第4章 少女は学園で無双する
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第50話 3対3

つかまる!あぶない!ってタイミングと、いよっしゃー!もろたで!ってタイミングで次々と両陣営に増援。やんなっちゃうよね。


それにしてもシエラ先生もカリナも学園長たちもどうやって来たんだろう?

……と言うか外の防衛こんなに人数いなくって大丈夫なのか?防衛の要になりそうな人が勢ぞろいしてるんだけど。



外の状況はまずそうに感じるけど、まあたぶん心配ないんだろう。


回復魔法の授業担当だったセレナ先生が自分から『元々あんまりひどいスタンピードになる予定じゃなかった』って言ってるし、不死者がいたのはボス階だけだったのだ。

隠すつもりだったんじゃないかな?


そう、回復魔法のセレナ先生ね!おぼえたおぼえた。もう使わなさそうだけど。


でも調査隊がボス階まで来たらバレるよね?それについてはどうするつもりだったんだろうか?

ってまあ、今の状況はそんなの気にしてる場合じゃないか。



シエラ先生が封じ込めた白仮面はもう結界から出てきそう。

つまり今からは3対3だ。


向こうの穴はセレナ先生かな。こっちはシエラ先生だけ強くて私たちはまだまだあのレベルには程遠い。でもシエラ先生と白仮面は見たところ大体同じだから……難しいな。

学園長は良くわかんない。私と同じ位にも見えるけど誤魔化してる感もある。


「まあいいか。私が学園長を相手にするから、カリナはセレナ先生を抑えてね。シエラ先生は白仮面を。各自頑張ってね!」


「はあ。まあそうするしかないでしょうね。学園長は今のアーシャ様には荷が重いと思いますがどうにか堪えて下さい。カリナは死ぬ気で頑張りなさい」


「「はい!」」


「いい返事です……御武運を」


「先生こそ。頑張ってね!」


「もちろんです」


シエラ先生と軽く話して学園長のところへ。

あんまり話したことなかったけどどう見ても強そうなおじさん……おじいちゃんだ。

手加減なんてしてあげないぞ!


「じゃあいくよ、学園長先生!」


「どうぞお手柔らかに。」


短槍を手に攻め立てる。学園長は杖だ。

喉を狙った刺突はあっさりと杖で払われる。払われた勢いに逆らわず、そのまま反対の手で火矢ファイアーボルトを放つ。


だが、火矢ファイアーボルトはあっさりと水矢ウォーターボルトで防がれる。

そして杖で突くかと思えば杖の中から剣が!


「あぶなっ!」


何とか盾で防ぐ。お腹のところの服がずばっと切られてしまった。いやん。

『鎧』で保護してあったのにこれだ。


まともに喰らったら服もお腹も無事じゃすまなかっただろう。危ない危ない。


「ほう。さすがは学園始まって以来の天災……いえ、天才と称される姫様ですね」


「ん?なんだか今大変な言い間違いをしてなかった?」


「いえいえ、概ね合っておりますよ。さて、それではこちらから」




絶対いま天災って……誤魔化したな!?


私が動揺している隙を突いて学園長は攻撃してくる。

剣をしまった状態の杖での刺突、からの流れるような連携。


1段目の刺突をかわしたと思ったらもう一撃刺突が、そしてもう一撃。3段突きを危うくかわしたらその後は剣を抜いての払い、それを盾で凌いでお返しの槍による薙ぎ払い!でもジャンプしてかわされる。

爺のクセに身が軽い。でも……空中なら避けらんないでしょ!


槍先を学園長に向けて!


「ライトニングボルト!」


「ダークネスウォール」


ライトニングボルトは闇壁で防がれる。

甘い!壁ごと…貫け!


「貫け!はああああ!」


槍に魔力を大量に送り、闇壁の向こうの学園長へとぶち抜く。


「ぐはっ!」


「どうだっ!」


学園長のお腹に風穴が開いた!どや!

普通ならこれで勝負は終わりだ。でも……


「ふう。さすがはアーシャ様。ですがこの程度の傷ではまだまだ負けられませんなあ。」


「まあそうだと思った。学園長もそろそろ本気を出せばどうかな?」


「ふむ。もう少し遊んでいたいのですがそう仰るならそう致しましょう。これ以上乱入が増えても困りますからねえ。それでは…行きますよ…」




いよいよ本気になってくる。


さっきまでとは気配が違う。さてこれからどうなるのか?と思ったら突然学園長が杖を投げ捨て、体に魔力を集める。一体何を?


「何をやって……うそでしょ?」


隆起する筋肉、そして生えてくる翼に角。

そして変化していく体色と徐々に巨大化する体……これは


「変身!変身だ!かっこいい!」


「見とれてる場合じゃないですよアーシャ様!」


「うぐぐ。食らえ学園長!ライトニングボルト!」


ひっじょーに名残惜しいが仕方ない。


変身中の攻撃は出来れば避けるのがマナーだってママに教えてもらったけど、手加減できる相手じゃない。全力のライトニングボルトだ!


魔力を過剰に注ぎ込んだいかづちは轟音と共に学園長に着弾。


煙が晴れてくると現れたのは3mを超える大きな体、紅い肌に翼に角に尻尾という分かりやすい異形だった。まあ変身中には撃って倒せないところまでが定番だからそこは気にならないが……まずいなこりゃ。魔力の密度がさっきと大違いだ。でかくなったのに密度が詰まってるっておかしくない??


隣を見るとカリナが相手をしているセレナ先生も緑色の似たような異形に変身している。

うーん。どうすっか。まずいなあ。

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