表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第4章 少女は学園で無双する
128/183

第49話 増援

『樹檻』じゃ足止めにしかならないってことは分かってる。

だからとりあえずコアに接触してスタンピードを止める。そしてご褒美をもらう!


その後はどうにかして逃げる!最悪の場合はアーシャパラダイスに引きこもっちゃうってのもアリだ。焼肉温泉プルモフ天国だ。私なら何年でも引きこもれちゃうぞ!


げっへっへ。何もらおっかなーって軽い足取りでダンジョンコアのある所へ向かう。

武器かな?防具かな?アイテム?いやいや!なんかもっと凄いのあるかも!

どんな風に選ばせてくれるんだろ?楽しみだなー!もう流石に邪魔は来ないだろ??

ワックワックしながらダンジョンコアの前へ行こうとした私に立ちふさがる人たちが。


「おっと。お待ちくださいね。」

「姫様お待ちを。」


またかよ!!また乱入だよ!一気に来いよ!ってあれ?


「あれ?なんで?」


またかよ!誰だよ?と思ったら学園長と……えーっと誰だっけ


「えーっと、学園長先生と……えーっと……召喚の先生…だっけ…?」


「ブフッ」


「……コホン、回復魔法を教えていたセレナです」


「ふっ、私を謀るとは先生もなかなかですな」


適当にごまかしておこう。後ろでカリナが噴き出してるけど気にしちゃだめだ。


それにしても回復魔法の先生ってこんな人だったっけ……?

えーっと……印象が薄いなあ。確か『ハイヒール』を習ってみたものの、発動しなかった授業の時の……えーっと。ああ、そういえばこんな先生だったような気がする。


特に美人でも不細工でもなく、痩せても太ってもなく、若くも年寄りでもなく。

うん、普通の先生だった。教え方も普通で……


「そうですね、結果謀ったことになりますね。ただ、貴女が悪いのですよ?今回は計画では起動実験だけでした。スタンピードは通常通り鎮圧して、その後は日常に戻れる予定だったのです。あなたが余計なことをしなければ……」


何言ってんだ?


私は治癒魔法の授業だったか召喚の授業だったかの話しかと思っていたが、どうもこの人たちは不死者の一味なんだろうか???


ええー?学園長ですよ?

パパだって学園長先生を信頼してるとか何とか…??

うーん、でもパパの目は節穴かも知れんからなあ。そこら辺はなんとも……


「おっと、その辺で止めていただきましょうか。これから仲間になってもらうとは言ってもあんまり計画を漏らされるとねえ。」


「む。あの仮面もう出て来たのか。カリナちょっと強度弱かったんじゃない?」


「『樹檻』じゃあのくらいしか持たないですよ。だから早くっていったのに」


「だって学園長たちがね、邪魔するんだもん」


「そうですね。やはり学園長もあちら側だったようです。それにセレナ先生ですか、まあ順当なところです」


カリナはあんまり驚いてないようだ。

ということは元々この二人をマークしていたんだ。


それにしてもカリナのやつ案外有能だったんだなあ。


「そんなに見つめないでください。恥ずかしいじゃないですか。」


「じゃあもう2度と見ない」

「見てください!お願いします!」


「じゃれるのはそのくらいにして貰いましょう。いい加減おわりにしましょうかねえ。」


私とカリナがいつもの調子で話してたら白仮面がちょっとプリプリしてる。嫉妬か!?


白仮面はこちらにノシノシと向かってくる。プリンちゃんもあいつは喰えないだろうし、カリナの結界じゃあ足止めくらいにしかならない。学園長たちもいるし……まいったなこりゃ。


「こら!こっちくんな!アーシャミサイル!アーシャトルネード!アーシャプラズマ!アーシャインフェルノ!」


破れかぶれで魔法を乱打する。ついでに学園長とセレナ先生のところにも何発か誤射する。

やだなあ。狙ったわけじゃないよ!

たまたま、本当にたまたま、本気の魔法が顔面直撃コースに外れただけだよ??


でもそれも防がれちゃう。学園長はまだ余裕がありそうな感じで、セレナ先生はギリギリで。

いやあ惜しい……じゃない。危ないところだった。あぶないあぶない。


世が世なら危険球で一発退場だね!

次は直球をやめてスライダーやシュートを織り交ぜて撃ってみようかなと思うが白仮面のやつがこっちに来る。


白仮面は味方に弾が飛んでも全く意に介さずどんどん進んでくるのだ。やっぱりこれくらいじゃ止まってくれないか。魔法を撃っても槍で突いても、落とし穴にもつるつる床にも、勿論カリナの魔法にもプリンちゃんの酸にも止まらない。


だめだ、距離を詰められっぱなし。

もう白仮面は目の前だ。くっそ、まずい!捕まる!


「『樹精結界』」


突然現れる緑と茶色の大きな箱。

そしてそこに閉じ込められる白仮面―――これは、シエラ先生の―――


「お待たせしました。こいつの相手は私がします。」


「先生!もう!来るの遅いよ!」


「ごめんなさいアーシャ様。でも……あとでみっちりとお仕置きです。勝手に抜け出したことを許すつもりは一切ありませんからね(にっこり」

「ピィッ!」


シエラ先生の笑顔に腰が抜けそうになった。

やっべ、帰れるか心配してたけど帰ってからのほうがやばそう!




ピンチ→増援→敵の増援→ピンチ→増援の定番コンボです。

ヒーローもそうじゃなくても危ないところで出てきて何ぼでしょ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ