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深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第4章 少女は学園で無双する
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第46話 食べながら

やあ、こんちわ!アーシャちゃんだよ!

いま私はアルヘナダンジョンの最下層、50層のボス部屋でかくれんぼをしていまーっす。

相手は誰だって?そりゃあもう……




バババババババ!ドドドドドドドド!

ドン!ドンッ!

あの弾をバラまく奴らとだよおおお!


「ぎょええええ!何であの銃あんなに続けて撃てるのよおおお!」


(誰も連射できないとは言ってなかったプルよ。)


「連射?って言うんだ?ってか知ってるなら教えてよ!」


頭上を飛び交う銃弾の雨。バラバラドドドドドうるっさいのって。

それからもーっと大きな音を出しているのは戦車砲だ。弾が着弾するたびに壁やら塹壕の土が吹き飛んで顔にめっちゃくちゃかかる。ペッペッ!


そして私は塹壕の中をウロウロしながら足と頭に喰らった傷の回復中…


再生と回復魔法を併用しながら傷を回復させているのだけれど、なかなか思うように行かないのだ。うーん。しかし失敗したなあ。


最初にドッカーンと撃ちまくったあたりはよかった。


相手は1000体くらいの規模の軍団だったんだけど、最初に範囲魔法をぶっぱしまくったおかげでさくっと残り700くらいになった。


ちょっと休憩してもう一回範囲魔法を撃ちまくってやるぜー!

……と思っていたらとんでもない銃弾の雨だ。


アレにはビックリした。どうせ単発で撃って次まで時間かかるんでしょ?っておもってたらバリバリ連射して来るんだもん。


ビックリしたけど、こんなこともあろうかと塹壕を掘っておいたのだ!


いやっほー!ってな感じで塹壕を走り回って時々顔を出して……ドッカンドッカン打ち合いをして、戦車も一台火達磨にしてやった。


そして調子に乗った結果がコレだよ…





戦車を火達磨にした私は調子に乗って塹壕から出て撃ちまくった。


すでに敵の数は半分をはるかに下回っており、見えている武器にたいした物はない。当たったらクソ痛いけど放っときゃ治るのだ。



イヤッハー!汚物は消毒だああ!火魔法を連打で撃ちまくる。まあ一応壁に隠れながらだけど。

対集団では着弾と同時に爆発するミサイルタイプの火魔法がすっごく便利だ。

ヒャッハーイ!ってやってたら突然目の前の壁が吹っ飛び、ついでに私も吹っ飛ばされた。

そして落ちたところへ銃弾の雨。何とか塹壕に逃げ込んで回復回復!逃げ回りながら回復!


「くっそー!戦車2台いるなんて聞いてないよ!」


(おかしいプルなあ。1台しか見えてなかったプルけど)


「だよねえ?隠してあったのかなあ?」


再生の副作用でお腹がすいてきたので魔法を景気良く撃ちまくって、それから移動してお肉タイム。

焼く時間がないからもう生でいいや。

ダンジョン産のドラゴン肉だけど、生じゃあ噛み切りにくい。


「ふぬぬ!はらひ(かたい)!」


(人間は不便プルなあ)


スライムは便利そうだなあ。食べながらでも戦えるし。

魔法だって口の中がいっぱいだと使えないのだ。あれ?使えるのか?


「ムグムグ……あいあーぼるぼ(ファイアーボルト)!」


指先から放たれる火球、そして一拍遅れての爆発。なんだ!いけるやん!

そうと分かれば撃って撃って撃ちまくるのだ。


「らいもにんぶぶらずあ!ふれあみさいふ!なまにふうまひ!あまひ!とける!」


なんということでしょう!噛み切りにくかったけど、いざ口の中に入れてカミカミするととっても美味しいのだ!そして噛みながらでも食べながらでも、ものっ凄く適当な呪文でも魔法は発動する。



そういやシエラ先生はイメージさえあればどうとかこうとか言ってたなあ。


でも『なまにくうまい』でライトニングボルトが出るとは!

ホントに魔法って適当でよかったんだ!




しかも、いざお口に入れるとドラゴンのお肉は生でもしっとりジューシー。

いけるやんけ!噛み切りにくいとかいってゴメン。噛めば噛むほど味がある極上のお肉さんだね!


もっぐもっぐしながらの緊張感のない戦いは続く。

戦車はさっきと同じくまた火達磨にしてやった。敵もかなり減ったんだけど100くらいからからなかなか減っていかない。なんでだ?


「なんだかあんまり減ってなくない?」


(それはほら。さっきまではよく見えてなかったけどあれプルよ)


「あれって何よ……ああ、アレか。やっぱりって言えばやっぱりかなあ」


相手がこっちの陣地に近づいてきたことに加え、銃弾の雨によって起こされる土煙の量が減ってきたので相手の姿がよく見えるようになってきた。

黒く塗られたような体に紫の斑。明らかな異物感。





―――不死者だ。



またか。

あいつらホントにもう、私の行く先々に現れて邪魔ばっかりして鬱陶しい事この上ない奴らだな


「あいつらこんなとこまできて何やって……ハッ!」


(どうしたプル?)


「ヤバイ……なんとしても全滅させないと。そしてこの世から消し去らないと!」


(おお!その意気プル!)


「そうしないとここまで閉鎖になって私の遊ぶところがなくなる!」



ズルッ! と擬音を立ててプリンちゃんが転んだ。

スライムって転ぶんだ。器用だなあ。


(そうじゃないプル!不死者はなんとしても倒さないと、世界が!)


「私の遊ぶ世界ダンジョンが立ち入り禁止になるもんね。オーライ。任せてよ―――ここからは本気でぶっ飛ばすから!」


(いや、ちが……)


食べ歩きじゃなくってなんて表現したらいいでしょうね?食べ撃ち?

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