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深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第4章 少女は学園で無双する
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第45話 野戦築城

49階層を時にはコソコソと、時には大胆に屋根の上をジャンプして、いよいよ私たちは50階層へ降りてきた。



そこには巨大な街が広がっていた。


何階建てなんだろうか?数え切れないような高さの建物。

そして黒い物質で固められた道路。

さらにはカラフルな看板。

残念ながら何と書いてあるのかは読めないけど…文字と絵が書いてあるし看板だというのは分かる。


人はいない。

さっきまでの黒塗りの人たちもいない。


道を歩くと銃を構えた人型のモンスターがいる。ただしこちらには気付いていないみたいだ。


「バレないってことは狙撃兵じゃないんだね」


(そうプルなあ。ということは銃を持った兵が普通のザコって事プル。危なっかしいプルなあ)


「うーん。まあ斧を持った巨人やドラゴンが暴れまわってるのとあんまり変わんない気が……」


(……まあそういえばそうプル)


一般兵らしき人型を無視して本命のボス部屋へと進む。

建物の上をコソコソと!時には…まあいいか。


しかし、こんな開発されきった街にボス部屋へいく扉なんてあるんだろうか?






あるんです!あるんですよ!

『ここだぞ』ってよーく目立つ、明らかに街並みとはマッチしない異質な扉が道路の真ん中に置いてある。

あふれる紫色の魔力はとっても素敵なイルミネーションだ!

昼間っから妖しくモヤモヤしたガスまで出ているぞ!


こんな道の真ん中にあったら通行の邪魔になってしょうがないなあ。


「よーし。いっくぞー!」


(覚悟を決めるプルよ。転移も使えないプル)


「こう見えても最初っから決まってるよ。じゃなきゃダンジョンなんか入ろうとしないし。大人しく姫様やって誰かと結婚するなんて以ての外よ!」


そう。そんな人生はごめんだ。


そもそもあんな生活やってらんないよ。

冒険者やってれば痛みや苦しみ、それに下手すりゃ色々食べられるとかそういうことは往々にしてあるのだ。

覚悟を持ってない奴なんているだろうか。それなりに覚悟は出来ている。とっくの昔にな。


「いくぞ!」


(プル!)


扉を開けるとそこには無数の気配。100や200じゃない。もっとはるかに多い。

そして鳴り響く地鳴りもある。うーん??


あれ?今度のボスは取り巻き多くない?いつもボス1取り巻き3とかなんだけど??あれれ?


こちらにはまだ気付いてはいないのか、攻撃を仕掛けてこない。

ボス部屋はいつもこういう風になっていて、ある程度まで近寄らないと反応がないのだ。


「多いなあ。」


(多いだけじゃないプル。アレを見るプル)


「あれ……ってあの馬のいない馬車みたいなの?」


(アレは戦車プル。あのまま動いてきて大きな鉄砲みたいなのでドカンドカンしてくるプル)


「馬もなしで!?すごい!かっこいい!」


(そのすごいのが敵プル……どうするプル?)


「そりゃあやるよ。ただし、陣地くらいは作ったほうが良さそうだね。」



相手はどう見ても飛び道具メインの武装だ。ならばまずは高所を取る。そして壁と落とし穴。

引きこもって音を上げるまで狙撃狙撃!いやあ、こういう戦い方もやってみたかったんだよね!




まずはイメージだ。


まず山を作る。山肌には通行の限られた道があって、柵があって壁があって…そして狙撃用の穴がある。中には地下道があってそこを自由に行き来できる。ああ、後ろに脱出用の通路も欲しいな。


むむ。考えたとおりに作ったららずいぶんと魔力を喰いそうだぞ?これはだめだ。却下却下。とりあえず野戦築城は諦めて壁と塹壕と小山だけ作ってしまおう。そしてどっかんどっかん撃ちまくるのだ。


それと、プリンちゃんが戦車のことをめっちゃ警戒してるからあれはたぶん手ごわい。逃げ回れるように塹壕はながーく掘っておこう。


深くイメージを紡ぐ。

ナナメにぐねぐねっとした塹壕。そしてあっちこっちに土で隆起をつける。

目隠し用に壁だってあちこちつけちゃう。壁にはちょこちょこ穴も開けよう。


むむ。これでも結局だいぶ魔力を使いそうだけど……



「どりゃああああ!」



ズゴゴゴゴゴ!!!と地響きを立てて作られる塹壕と壁、土の小山。

地形変化の際に大きな音がしたので、その音に反応してせめて来る敵モンスター軍団。



―――さあ、愉しい戦いの始まりだ




誤字脱字報告ありがとうございます。いつもお世話になっております;


生活リズムが変わってしまったので昼~夕方に更新することが多くなるかもです。

よろしくお願いします。

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