第44話 再出発!
土日2回更新だー!とか言ってたのにあっさり更新できませんでした。ごめんなさい。
温泉と焼肉の楽園から出てダンジョンの49層に。
外に出るとモンスターの群れが……なんてことは無く、誰もいない無人の部屋があるだけだった。
「さて、ここからだね」
(もっと隠密性を高める装備でも買えばよかったかもプル)
「しっかり気をつけてれば大丈夫だよ。狙撃だって多分防げるし。たぶん。」
一応遮蔽物に隠れるように、それでいて出来るだけ気配を殺せるように、と気をつけながら進む。
ダンジョン内部は困るような作りではない。
一直線に大きな道がある。商店街の大通りをさらに大きくしたような規模の道だ。
その一直線の大通り部分は見晴らしもいい。
ただし、左右に建物が非常に多く、狙撃されそうなポイントは多い。
騎士や弓兵はその大通りを沢山歩いている。ノンビリと歩いている姿を見かけるけど、私が近くを通ってもこちらには気付いていない。
やっぱり気をつけないとだめなのは狙撃兵くらいだ。
あいつらに狙撃されて戦いになる、そこを見つかると騎士や弓兵とも戦わなくなって……面倒なことになるのだ。時間もかかるしね。
狙撃してきそうな窓や屋上なんかに気をつけながらこっそりと進む。
一度狙撃されたが、すぐにやり返したので周りには気付かれなかった。
結構派手な音もしたんだけど、すぐそばに他のモンスターはいなかったので気付かれずに済んだみたい。あぶないあぶない。
うーん。もしかして隠れながら道路を歩くより、むしろ屋上をピョンピョン飛び回りながら移動した方がいいのかな?
これはナイスアイディアかも!?ってことで途中からは建物の上をピョンピョンと飛び回る。
2階建ての建物、3階建て、それから1階と屋根の上をピョーンピョーン!
下の階層への方角はプリンちゃんが分かっているので問題ない。
途中でこちらを見ていない狙撃兵を見つけたので風魔法で仕留める。
「ウインドバレット!」
風の弾丸は爆発もしないし、変に大きな音もでない。
弾も透明なので気付かれない。炎や氷みたいに派手じゃないのだ。
こそこそっと戦うには最適だね!
まさに暗殺や狙撃に向いた魔法だなあ。と感心しちゃう。
(一国の姫が暗殺や狙撃って……それはどうプル?)
「便利だからいいの!」
なんともいえないツッコミを受けつつ進む。
どうもこのルートは正解だったようで、何度か狙撃兵をこちらから発見して、狙撃した。
やって見て分かった事は、やっぱり『殺られるまえに殺れ』って大事だね。ってことだ。
遠距離攻撃はずるいわ。槍じゃ絶対こんなのできないもん。それと頭上を取ることの大切さも分かった。やっぱりここは空を飛べるドラゴンとかの上からビシュビシュしたほうがいいんじゃないか。
「ね。近接よりやっぱ遠距離だよね!」
(それママに向かって言えばいいと思うプルよ)
「うぐっ」
ママはおかしい。控えめに言っておかしい。
何度か模擬戦をやってみたけど、離れたところから撃ちまくっても弾くし避ける。
遠くから見えないように撃ってもやられる。模擬戦と言いつつ全力で狙っるんだけどだめだ。
どうやってるのか分からないけど光の速さのライトニングボルトだって避ける。どうなってんだ。
そして、懐に入られたらどうしようもない。あわてて出した私の槍なんか、あっさり弾かれて、ポーンっと手元から跳んでいく。あんまり力が入っているような感じじゃないのに。
そもそも木剣で私の火魔法を弾いても燃えないし、氷魔法はママに当たったと思ったら消えてるし、風魔法を逆に切り裂くし、土魔法は燃やされちゃうし。
どうなってんだとしか言いようが無い。あんなん絶対なんかズルしてるで!
(はいはい。分かった分かったプル。目的地に着いたプルよ)
「おお!ようやくだね」
屋上の上を飛び回ること20分ほど。狙撃手を狙撃した回数は数知れず。ドロップを諦めた回数も数知れず……ようやく下の階層へ向かう階段だ。
次でいよいよ50層。これでダンジョンの最下層へ到着だ。
最下層のボスはどういうのなんだろう?攻略したって記録はあるのになんで下層の記録は消えちゃったんだろう?私は勝てるんだろうか?いや、勝たなきゃいけないんだ!
ダンジョンに入ってからずいぶん時間がたったけど、地上はどうなっただろうか。あの後、地上の防衛部隊は無事に防げていたんだろうか?
それから何故スタンピードがおきたのか。そこまでの兆候はなかったはずなんだけどなあ。
気になる事は沢山あるけど、とりあえず行くしかないのだ。
どんなボスがいるのだろう?それからごほうびもあるのだ。
地上のことを考えてたけど、ダンジョンの事を考え始めたらとってもワクワクしてきちゃったなあ!




