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深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第4章 少女は学園で無双する
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第40話 いただきます。

ふいーっと。休憩してお肉食べてモフプル天国で癒されてしまった。もうこのままずっとここで居たいなあ。さすがにまずいかなあ。


よし!お腹もいっぱいだしさくさくっと進もう。じゃないと寝ちゃうからね!


『アーシャパラダイス』から出た私たちは46層への階段を降りる。

40層から45層までは草原がメインでたまに森があるって地形だった。


たぶん同じような作りなんだろうと思っていたんだけど、46層からは全く違う景色だった。



……そこに有ったのは古代の街のような情景だった。


古いレンガ造りの街並み。

石畳が敷かれており、建物も木よりは石やレンガを多く使っているようだ。

遠くには時計塔が見える。


まるで何処か知らない国の街なかに迷い込んだみたい。

少なくとも私達の国じゃない。だってどこからでも見えるユグドラシルの大木がないんだもん。


「うわあ。どこか知らない街に来ちゃったみたいだね!」


(そうプルなあ。でも、こういうところは危ないプル。道路の曲がり角とか、建物の中とか、それから……プル!)

「うわっ!」


プリンちゃんが体当たりしてきた。

何を!と思ったけどすぐに分かる。矢だ。矢が私の頬を掠めて行った。


「レディに向かって何すんだ!ライトニングボルト!」


怒りを込めた雷の矢は建物の2階の窓から狙撃した犯人に直撃。

焼け焦げたモンスターは窓の外に落ち、魔石を残して消えていった。


でも今のって人型モンスター?まさか人間?少なくともオーガみたいな異形じゃなかったような?


「今のってさあ」


(人間だったプルね。人族かエルフか獣人か、その辺は分からないプルけど人間だったプル)


「人間……そうだね。広くくくればゴブリンやオークだって人間だもんね」


(どうするプル?やめるならここで……)


「なんでよ?今更何言ってんの?散々モンスターだって言って殺しといて人間ならダメって。オークだってキングさんみたいになると話もできるって分かっててやってるじゃん?今更だよ」


本当に今更だ。

相手が人型ならダメで動物型は殺してよくて。植物は良くて動物は食べちゃダメなんて一体誰が決めたのか。誰もそんなこと言ってない?そうだっけ?

鳥型だって捕まえたら美味しく食べれるし、牛だって馬だって、ドラゴンだって飼うのと食べるのは別なのだ。たぶん。本人が良しとするか否かだけの問題だ。

やだなあ。私は別にドラゴン食べてみたいなあとか思ってないよ??



ほら、水槽でお魚を飼うのと、魚屋さんで買ってきたり釣って来たりした魚を食べるのと、の関係と一緒だよね。鳥飼ったり鳥狩ったりするわけだし。牛や馬も飼ったり食ったり……


そう考えたら例えドラゴン肉を食べてても、ソレとコレとは別に、ドラゴンちゃんをテイムしても問題ないわけだ。すばらしいな!


「ね!そうおもうでしょ!」


(大体考えてること伝わってきたプル。確かに対して問題ないプル。ドラゴン肉美味しかったプルね?まだいっぱいあるし楽しみプル)


「ドラゴン肉?いつ食べたの?」


(あっ……さっきのお肉を鑑定してみるといいプルよ)


「え゛っ!」


あわてて鑑定する。



ミドルドラゴンの肉

状態:新鮮

特殊効果:なし



うーん。さっき何ともないとかすばらしいとか思ったけど、やっぱりちょっと複雑な思いはあるな。

いいのだ。しょうがない。こういう事もある。しょうがないね。


「うーん。まあ仕方ないね。お腹もすいてたし。背に腹は変えられんってやつだね!」


(おかげで体力も戻ったし、いいんじゃないプルか?こんな時こそ感謝の気持ちを込めればいいプル)


「そうだね。ご馳走様でした。今後ともよろしくお願いします。」


ありがとう。美味しかったよ。君の命は無駄にしない。

この気持ちを忘れてはいけないだろう。


食材への感謝、生きるということの意味。

いつもは意識していないけれど、普段から食べて美味いとか固いとか言ってるのも、全部もともと大切な命なんだ。野菜だってお肉だって命なんだ。


これからも食材への感謝を忘れないようにしよう。





(まあ、ダンジョン産の肉は元々生きてた動物から取ってきたわけじゃないと思うプルけどね)


「そういうこと言う!?今いいこと考えてたのに!」

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