表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第4章 少女は学園で無双する
104/183

第25話 お留守番

部長の開けた宝箱くんはと~ってもいいものが出た。

これから火属性のモンスターばっかりが出現するってところで火属性に有効な水属性の剣だ。


うらやましいにも程がある。全くけしからん話だ。

ってことを久しぶりに行ったギルドでリア充のクラウスさんに言ってみた。



「うらやましいよね!ずるくない?」


「いやあ?俺はいつもそんなもんだぜ?姫さんは違うのかい?」


「ふぁっ!?」


「パーティーメンバーなんだから素直にお祝いすればいいじゃねえか。」


「ソウデスネ」



そりゃそうだ。

頭じゃ分かってんのよその位のことは。


っつーかいつもそんなもんってどういう意味?私は何個開けてもごみばっかりだぞ!くっそー!

これだからリア充は……



「私があけてもろくなのでないからね……」


「ああ、そういえばそうだったな。いいの引ける奴に開けさせるってのも手だぜ。俺のパーティーじゃあ俺が箱開け係ってことさ。どうも傾向を見てたら明らかに宝箱からいいのが出る奴とでない奴がいるなあ。」


「そうか。やっぱりそうなんだね。ユグDでは何かいいもの出た?」


「あんまりだなあ。45階層を探索中なんだけどさあ、ろくな魔剣がでねえンだよ。精々中級魔法が使える程度だな。オリハルコンもまだ出ねえし、ドラゴンキラーはこないだ出たんだけどな?ドラゴンいる階層じゃねえし。」


「いいなあどんどん進めて。私はまだそっちに入れてもらえそうにないよ。うらやましい話だわ全く」


「私も姫も運が悪い方なんでしょうねえ……」



片やしょぼい水魔法が使える魔剣で大喜び、もう片方はこんなブルジョワ発言。

まあどうせ私が箱を開けてもゴミしか出ないんだけどね。カリナがあけてもダメダメなんだけど。


今度プリンちゃんに開けさせてみようかな……はぁ。


悲しくなってきたのでカリナと一緒にギルドでスイーツをドカ食いして帰る。



「ただいま~」


「アーシャちゃんお帰り。急な話なんだけど、パパとママはちょっと出張することになったわ」


「え!どこに?」


「お隣よ。アーシャちゃんも行ったことのある魔族の国、フレスベルグ共和国でね、チョーっと色々あったって言うか~」


「今のところ国民には内緒にしておいてね。パパも頑張ってくるからね!」



ふむ。またなんだかややっこしいことが起こったみたい。

でもこの言い方をするってことは私はたぶん留守番??



「私はお留守番なんだ?」


「ごめんね!お土産買ってくるからね!」


「うーん。まあいいよ。一応期待しておくけどパパたちも頑張ってね?」


「行ってくるね。アーシャちゃんも体に気をつけてね。学園はしっかり行くんだよ?」


「カリナはアーシャちゃんのことお願いね。じゃあいってきます。」


「いってらっしゃーい。がんばってね!あ、ついでにこれお願い!」



パパとママは火竜のエレナちゃんに乗ってささーっと出かけてしまった。


何があったのかはわからないけど、かなり重武装だったし、何かの非常事態が起こったのは間違いなさそう。またしばらく帰って来れないかもなあ。

とかまあ思いつつ、せっかく魔族の国に行くってことなので手紙を預けた。



「あーあ。ママ達行っちゃったね。すごく急いでそうだったなあ。」


「ですねえ。またなんだか厄介な事が起こってそうです。困りましたねえ。」


「でも私はまだ一緒に戦わせてくれないんだよね。寂しいなあ」



私はまだまだあの二人の域には届かない。

まーったく届かない。寂しいもんだなあ。


ダンジョンで頑張って鍛えないとなあ。

とりあえずは今通っているアルヘナダンジョンの攻略を目指そう。


アルヘナを攻略すればクリア報酬がもらえる、はず。

色々と欲しいものはあるけど、やっぱり普通に考えて強い武器とか防具とか。

その辺をもらうべきだと思うのだ。そうしないとパパとママにはいつまでたっても追いつけない。

またお留守番は嫌だからなあ。がんばらないと!


よし、今から早速ダンジョンに……



「アーシャ様?ご飯の時間ですよ」


「うぐ……はーい…。」


「お二人においていかれて悲しいのは分かりますが……アーシャ様も頑張るしかありませんよ。」


「先生。アルヘナを攻略しようと思います」


「……いいと思いますよ。アーシャ様が上手に導けば、今のパーティーなら卒業までにアルヘナ攻略は不可能ではないと思います。そこらの冒険者達のパーティーよりよほど強力でしょうし。なんだか水属性の剣も出たんですって?ドロップにも恵まれるとは言うことないですね」


「私は何回宝箱を出してもゴミばっかりですけどね……」


「まあまあ。ドロップ運の差は存在するといわれていますが、ドロップ運のよさと実力とは必ずしも比例するものではありませんよ。いいアイテムが出るからそれなりに強い方は多いですがね。まあ、真の実力は装備なんかに左右されません。そうに決まっています」



なんだか含みを持たせた言い方だ。

シエラ先生もドロップ運悪い組なんですね。わかります。


私とカリナとシエラ先生の3人で探索するとゴミばっかり出て、どんよりしながら帰ることになりそうだなあ。

そろそろ物語が動き始めます。

学園編は思ったよりだいぶ長くなっています。これでもかなり省いたんですが…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ