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深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第4章 少女は学園で無双する
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第24話 一生の宝物

部長たちも装備を新調してきたので30階層のボスに挑戦。


ボスのオログ・ハイさんはぶっちゃけプチ強いトロールだった。

取り巻きは水の鷹が1体にトロールが1体、コングが1体だ。



「じゃあ私がボス持つから、他の頑張って!」


「「「はい!」」」



オログ・ハイの攻撃は手に持った大剣と大盾での弾き飛ばしだ。


上段から振り下ろされる大剣をかわし、少しリーチの中に入ったところで襲い掛かる大盾でのシールドバッシュ!それを足で受けて空高くジャンプして……ここだっ!


「てやっ!」


「グガアアア!」


槍を左目に刺して視界を奪う。すかさず見えないほうに回り込んで、後はいつもと同じ。

下半身を壊すのだ。

鎧は纏っているが膝関節は構造上どうしようもない。左膝を槍でぶち抜き、右膝は左とほぼ同時に風魔法で切断する。


オログ・ハイさんは普通のトロールより再生は早いが肉質自体はオーガより脆い。さっきの魔法だってオーガの膝なら切断一歩手前くらいまでしか行かなかったはず。


さあ、後は消化試合だ。

炎で焼き尽くし、あるいは切り刻む。

時折あっちが苦戦してそうなので魔法で手助けをしながら再生が終わるまで壊しつくす。


10分もせずに戦闘は終わった。思ったより強くないじゃん?

取り巻きのパターンは様々なんだけど、取り巻きにトロールがいっぱい来て時間かかってたらまずかっただろうなあ。




そして31階層へ。この辺からガラッと様子が変わって火山っぽいダンジョンになる。

火属性のモンスターは多いし、熱いし暑いしアツい。

火を吐く蛇に火を吐く鳥、火魔法を使う牛。何で牛だけ魔法なのか?

兎に角火ばっかり。耐性やら何やらを整えないと部長が死ぬということなので帰る。


私?なんだかこの盾火属性に強いみたいなんだよね。ベルレットさんが何かしたのかな?

あんまり火魔法も火ブレスも痛くないのだ。そして火魔法が掠って少し火傷してもさくっと再生。再生スキルがひっさし振りに役に立ったのだ。それにプリンちゃんもさっくり火属性だったから痛くもなんともなさそう。いやあ余裕っすよ。



「アーシャ君はなんともなさそうなのに、申し訳ない。」


「別に気にしなくっていいよ。30階を周回してお金を稼いで防具を買おうね!」


「ああ、そうさせて貰いたい。よろしく頼む」


「やだなあ。ぶちょーたちと一緒だからダンジョンに潜れるわけで。あんまり遠慮しないでね?」


「アーシャ様はもう少し遠慮したほうがいいと思いますけどね。言葉使いもいつの間にやら砕けてますし」


「そ、そうだったかしら?おほほほ」


「私は今のほうが良いけどなー。アーシャちゃんと仲良くなった感が強いもん。ね?副部長!」


「そうです!私は今のままが素晴らしいかと思います!アーシャ様最高すぎますわっ!」



そうなのか。

エルリーシャさんは仲のいい友達って感じなんだけど、副部長は何だか常時おかしな時のカリナだ。


いや、カリナは大体いつもおかしいけど。そのおかしなカリナの上澄みを掬って、残って沈殿した物質をぶちまけたみたいなのが副部長なのだ。だいぶヤバイ。ヤツはヤバイ奴ですぜ感がパナイのだ。ヤバイ宗教にハマってるような人だと思ったほうがいい。

だから極力触らないようにする。周りのみんなも最近はあんまり触ってない。ヒーラーとしてはいいと思うんだけどなあ。



「それでは30階層に戻って何度か周回をしましょうか」


「う、うむ。そうだね。では、30階層へ転移!」



部長もコイツやベーって顔で見ていたのであっさりと私の提案に乗って移動。

大丈夫。戦い始めたら優秀なヒーラーなのだ。

こうして私達は5人で30回のボス部屋を周回する。

カリナと2人で25階を回していた時はろくなドロップがなかったけど、部長と一緒だと色々出る。


魔鉄の上位であるミスリルの塊や宝箱も出た。

宝箱は私が開けるとゴミが出るので部長に開けてもらった。



「うわっ!」

「バリヤー」



毒矢だ。罠有ったんだなーくらいの感覚であっさりと無力化し、でたものは

片手剣だ。まあまあ良さそう?



「まあまあ良さそうだねー。水属性っぽいかな??」


「そうですね。魔力を感じます。鑑定してみては?」


「そだね。かんてーい!」



アイスファルシオン

作成者:

属性:水

攻撃力:149

素材:

魔法補助:ウォーターボール・アイスウォール




「おお!水属性でウォーターボールとアイスウォールが使えるっぽい?のかな?」


「ほ、本当かい!貸してくれないか!」



ホイよって部長に渡す。

部長はめっちゃ興奮してるなあ。試したくって仕方ないって顔だ。



「ウォーターボール!」



私は魔力眼を開く。と言っても目に魔力を集めてじっくり見るだけだ。

部長の掛け声と共に剣へと魔力が吸い込まれ、魔法が発動する。

そこそこの威力の水矢ウォーターボールが壁に当たる。



「「「おおおおー!」」」



部長の魔力は普通の水矢ウォーターボールを発動する時の半分くらいは減ったかな?

それであの威力なら効率も良さそうだ。



「次いくぞ。アイスウォール!」


「「「おー!」」」

さっきと同様に魔力が吸い込まれて魔法が発動。

そこそこ頑丈そうな壁だ。昔カリナが使った氷壁アイスウォールより頑丈っぽいな。



「結構頑丈っぽいね。カリナのよりいいかも」


「んなっ!ちょ、ちょっと待ってくださいよ!うぬぬ…アイスウォールッ!!」



バッキーンと音を立てて作られる氷壁アイスウォール

いつもより3倍は魔力を込めてそうな氷壁アイスウォールは、確かに魔法剣が生み出したものよりはるかに硬くて頑丈そうだ。でもこれは違うでしょ?


「そういうことじゃないと思うけどさあ……」


「ですね。消費魔力からすればものすごく優秀な魔法だと思います。発動も早かったですしね」


「だよね。カリナのは魔力10倍くらい使ってそうだしね。性能は3倍くらいって感じだけど」


「そんな二人して叩かなくっても」


「あんたが張り合うからでしょうが。まあ部長おめでとう。なかなかここからの探索にいいのが出たね。がんばろうね!」


「え!これをもらっていいのかい!?」



いいんじゃないかな?というか部長が出したものだし。どうせ私が開けたらろくなものでないし。

周りを見てもみんな頷いてる。うん。いいんじゃない?



「いいんじゃない?ねえ?」


「よろしいのでは?」


みんな別に良いよって顔してる。いいじゃんもらっとけば。


「ありがとうみんな……一生の宝物にするよ!」


部長は泣きながら喜んでいる。

喜びすぎじゃない?って思うんだけど……まあいいからその分働けよ!


別に部長死亡フラグとかじゃないです。

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