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深窓の令嬢はダンジョンに狂う  作者: 吉都 五日
第4章 少女は学園で無双する
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第23話 クリア報酬

まあ何回ボス部屋を周回してもロクなものが出なかった。

でもあんまりショックは受けてない。何故か?

ふっ。私はレアが出ない事に慣れてるから初めから期待してないのだ!


期待してるからショックを受けるのだ。どうせ出ないんだと思ってたらなーんともない。

悔しくもなーんともないんだもーん。


悔しくもなんとも……ぐぬぬ



「まあしょうがないですよ。アーシャ様はその分他の人より強い力を持っているわけですから。出るかでないか分からないものに期待するより確実な成果を挙げられますよ。たぶん。」


「確実に出るものって何だろう?」


「それは…うーんと。魔鉄や魔石とか……えーっと、それから……」


「それから?」


「それから……そう!クリア報酬!クリア報酬がありますよ!」


「ああ、そういやそういうのもあったねえ」


「ダンジョンを踏破した時にクリア報酬がありますよ!アレは必ず出ると言っていいと思います」


(また遠い話プルなあ)


「だよね。なかなか私達には遠いねえ」



ダンジョンをクリアするとクリア報酬がもらえるのだ。

私も良くわからないけど、聞いたところでは色々と選択できるんだって。欲しいものを選ばせてくれるなんてダンジョンさんも中々豪気な事だなあ。


私なら何をもらおうか?

伝説の武器とか防具とか、それから…何か新しい魔法書とか?

いや、強くなることだけじゃなくってもうちょっと他に何かあるはず。

前にお金の使い道について聞いたときにはみんなそれぞれ色々あった。いっそのことお金をいっぱいいっぱいもらってしまうというのはどうだろう?そうするとドラゴンの卵も買えちゃってみんな幸せになってシエラ先生の研究もはかどるかも?


やはりそうだ。つまり



「金は…命より重い」


「なんですか突然!」


「なんですかって。ダンジョンを攻略するじゃん?そうしたら願いをかなえてもらえるじゃん??」


「とりあえず、その『じゃん』は止めましょう。」


「わかった…えーっと、ダンジョンを攻略して何をもらうかなんだけど。何かモノをもらうより、お金をいっぱいもらってそれで買えばいいんじゃないかなと」


「はあ。」


「そうしたら冒険者はみんなお金の為に命を投げ出して戦いに行ってるようなもんだなと思って」


「それで『金は…』になるわけですね?」


「うん」


(身も蓋もないプル)


「本当に身も蓋もないですが、お金そのものはダンジョンのクリア報酬として貰えませんよ」


「なんと!なんで??」


「何故かは分かりませんが、お金そのものはダンジョンからは出ないそうです。魔石であったり、薬であったり、武器であったり。そういうのを一度クリア報酬として貰って、それから売りに出して現金化すると言う方法が一般的なようですよ」


「ほうほう。それで高いのはなんだったの?」


「蘇生薬と若返りの薬が同じくらいの値段ですね。両方5億ゼニーほどです。C級ダンジョンのクリア報酬で出ますので、それなりに量産されていますのでその値段で落ち着いています。」


「武器とかは?売れないの?」


「武器や防具はなんというか。剣やら槍やら弓やら杖やら?それに防具も各種ありますよね?それぞれに付与された能力もまた違うと。色々有りすぎて買い手が上手くつかないことが多いので……引退したり死んだ冒険者のものがたまに出る程度ですからねえ。使い手を選ぶものが多いみたいでなかなか高額にはならないみたいですよ。」


「うーん。まあそりゃそうだなあ」


「ただし、受け取っている冒険者はかなり多いみたいです。C級ダンジョンの武器や防具でも魔力が付与されていて切れたり頑丈だったり魔法を防いだり、それから自動で攻撃を防いでくれる防具なんかもあるみたいです。」


「あー、その辺は聞いたことがある…って言うか見たことがあるなあ」



ママのコレクションで見た。

炎や水が出る剣だったり、絶対当たる弓とかもあった。

その弓についてはあんなの使ってたら練習にならないじゃん?ってのが私とママの感想だった。


でもコレクションとしては面白い。そのうちいっぱいクリアしたらもらおうっと。

宴会のネタに使えるって門番さんとベルレットさんも言ってたし。


でも剣については、切り結んでる最中にいきなり火が出たらびっくりするからその隙に倒す!ってそういう風な目的で使うなら凄くアリだったって。同じ人相手に2度は使えないという欠点はあるけど一回だけで再戦しない相手なら。って。その剣は剣自体の出来もかなりいいらしいからしばらく愛用していたって。


でも本当に長く使いたい、良い剣が欲しいなら、余計なものは付いてない、頑丈で良く切れる、基本に忠実な剣のほうが結局いい。と教えてくれた。



「まあ、クリア報酬は私たちにはまだ遠い話……ですかね?」


「そうかもねえ。Cランクのダンジョンも案外厳しいもんだね」


「まだ学生ですからね。無理する必要はないのでは?」


「でもさー。アルヘナは50層までって聞いたけどさあ。この調子なら私達が学園にいるときに何とかクリアまでいけそうじゃない?」


「そうですねえ。でも40層くらいからがどんどん凶悪になるらしいですよ。罠とかも」


「罠はなあ……」



罠は苦手だ。今のところ力技で突破するくらいしか出来てないのだ。


まず基本的に離れて開ける。これが一番の基本だ。

その上で、毒霧は風で吹き飛ばし、矢が飛んできたらバリアーを張る。

爆発もバリアで、ミミックはさくっと魔法で処理。モンハウ……モンスターを沢山召喚する罠だった場合は頑張って倒す。モンハウは廊下のような所では出なくって、小部屋の真ん中みたいなところにぽつんとおいてあるチョー怪しい宝箱から出るらしい。そして小部屋の入り口を閉めて倒すまで出られないという罠なのだ。まだこれを引いたことがないけど、もし引いちゃったら頑張るしかないね。



さてさて、話し込んでその上考え込んで。

周回もそろそろ飽きてきたところで帰ろうか。

今日の収穫は魔石に魔鉄、しょぼぼーい武器が1本としょぼぼぼぼーい盾1つ。


あわせて30万ゼニーくらいかなあ?1日の稼ぎとしては以前よりかなり多くなった。

ユグ裏行ってた時の6倍だぞ6倍!やっぱりユグ裏はあんまりおいしくなかったのかなあ。

ここだってまだまだ言うほど美味しくないとは思うんだけどね。


さーっておうちに帰ろっと



読んで頂いてありがとうございます

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